2021年08月04日
新型コロナ中等症患者の入院原則の堅持等を求め田村厚労大臣に緊急要請
※立憲民主党ホームぺージからの転載です。
立憲民主党は4日、政府が新型コロナウイルスの感染が急拡大する地域で、入院対象を重症者らに限定し、中等症患者も自宅療養を基本とする方針を決めたことを受け、新型コロナウイルス感染症中等症患者の入院原則の堅持等を求める緊急要請をおこないました。
要請は、(1)新型コロナウイルスの感染症の中等症患者の入院原則の堅持を求める(2)やむを得ず患者が自宅で療養する際の対策(3)現下の感染急拡大状況において至急対策を求める事項――の3つを柱とするもので、長妻昭、中島克仁、山井和則、早稲田夕季各衆院議員が参加しました。
申し入れに対し田村厚労大臣は、「ホテル等も増やしているが、ホテルの確保に追い付かないくらい感染が拡大している。今50代が主流となっているので、50代のワクチン接種が一定程度進むと病床にある程度余裕が出てくると思う。それまで何とか感染を抑えたいとの思いでやっている。与野党、お互い協力しながら対応していきたい」などと応じました。
申し入れ後、記者団の取材に応じた厚労部会長の長妻議員は、「今、助かる命が助からなくなるという危機の状況が進行しつつある」と述べ、今回の方針撤回とともに、全国からひと・もの・カネを集中させ、地域をまたいでの広域的な患者の受け入れや、医療関係者の融通、また宿泊施設を療養施設としての活用できる体制、在宅診療をフォローアップし保健所で対応しきれない自宅療養者等をケアする体制の確立を求めたと報告しました。
新規感染者数が急拡大し医療崩壊とも言える状況のなか、入院できにくい状況にあるのは一定理解を示す一方、「だからといっていきなり自宅療養というのではなく、宿泊療養施設や待機ステーション、訪問医療・看護などを総動員することが必要だ」と主張。政府が感染力が強いデルタ株がまん延していることを急拡大の理由にしていることには、「今日発覚したわけではない。デルタ株の感染力については従来から感染研(国立感染研究所)や米疾病対策センター(CDC)を含めて警告していた」と指摘。「政府では医療崩壊に直面した教訓が生かされていない。楽観的なメッセージを出しすぎていて、最悪な事態に至る(ことを想定した)準備が整っていない」と政府の対応を問題視し、一秒一秒状況が深刻になるなか危機意識を共有した上で早急に対応していくべきだと訴えました。
中島議員は、感染が急拡大するなかでの政府の方針転換に対し、医療従事者の立場としても「大変困惑し不安に陥っている」と発言。「中等症患者の方も画像診断上は肺炎がある。明らかに入院して治療が必要な方々に対し、在宅での療養を基本とする方針転換は危機的なことで、絶対あってはならないこと。こうした事態を招いたのは後手後手の対応だと言わざるを得ない」と断じました。
早稲田議員は、「方針転換にあたって専門家の意見を聞いていないことも驚きだが、そうしたことにより不利益をこうむるのが国民であってはならない。助かる命を助けるためにさらに力を注いでいく」と表明。神奈川県では、「神奈川モデル」(※)として地域で自宅療養を見守ってきたことにも触れ、自宅療養が自宅放置にならないためには訪問看護師の存在が重要だとして、訪問看護師へのさらなる支援も求めたと述べました。
山井議員は、いざというときに救急車でたらい回しにされ、入院できないような現状では安心して自宅療養はできないとして、少なくともそうした体制が整うまでは方針撤回すべきだと主張。加えて、自民党の世耕参院議員が3日、低所得の子育て世帯を対象にした、子ども1人あたり5万円の特別給付金の再支給を2021年度補正予算で対応する旨の発言をしたことに言及。補正予算では間に合わないとして予備費で早急に対応するよう求めたと述べました。