戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法
戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法
(平成二十二年六月十六日法律第四十五号)
最終改正:平成二六年六月一三日法律第六九号
第一条 この法律は、戦後強制抑留者が、戦後、酷寒の地において、長期間にわたって劣悪な環境の下で強制抑留され、多大の苦難を強いられたこと、その間において過酷な強制労働に従事させられたこと等の特別の事情にかんがみ、及び戦後強制抑留者に係る強制抑留の実態がいまだ十分に判明していない状況等を踏まえ、これらの戦後強制抑留者に係る問題に対処するため、戦後強制抑留者の労苦を慰藉するための特別給付金を支給するための措置を講じ、併せて強制抑留の実態調査等に関する基本的な方針の策定について定めることを目的とする。
第四条 特別給付金の額は、次の表の上欄に掲げる戦後強制抑留者の帰還の時期の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定める額とし、これを一時金として支給する。
帰還の時期 | 特別給付金の額 |
昭和二十三年十二月三十一日まで | 二五〇、〇〇〇円 |
昭和二十四年一月一日から昭和二十五年十二月三十一日まで | 三五〇、〇〇〇円 |
昭和二十六年一月一日から昭和二十七年十二月三十一日まで | 七〇〇、〇〇〇円 |
昭和二十八年一月一日から昭和二十九年十二月三十一日まで | 一、一〇〇、〇〇〇円 |
昭和三十年一月一日以降 | 一、五〇〇、〇〇〇円 |
第五条 特別給付金の支給を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その者がその死亡前に特別給付金の支給の請求をしていなかったときは、その者の相続人は、自己の名で、当該特別給付金の支給を請求することができる。
2 前項の場合において、同順位の相続人が数人あるときは、その一人のした特別給付金の支給の請求は、全員のためにその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした特別給付金の支給を受ける権利の認定は、全員に対してしたものとみなす。
3 第一項の審査請求については、行政不服審査法第十八条第二項 の規定は、適用しない。
第十三条 政府は、強制抑留の実態調査等(戦後強制抑留者に係る問題のうち特別給付金の支給により対処するもの以外のものに対処するために行う、その強制抑留の実態調査その他の措置をいう。次項において同じ。)を総合的に行うための基本的な方針(同項及び第三項において「基本方針」という。)を定めなければならない。
イ 強制抑留下において死亡した戦後強制抑留者についての調査(その埋葬された場所についての調査を含む。)
ロ 強制抑留下において死亡した戦後強制抑留者の遺骨及び遺留品についてのその収集及び本邦への送還その他の必要な措置
ハ イ又はロに掲げる措置と併せて行う戦後強制抑留者に係る強制抑留の実態の解明に資するための調査
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第十三条の規定は公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から、第十四条の規定は公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
(経過措置)
第二条 第三条第二項の規定にかかわらず、特別給付金の支給の請求は、この法律の施行の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日までの間は、行うことができない。
(施行期日)
第一条 この法律は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の施行の日から施行する。