質問主意書

食品添加物に関する質問主意書 平成12年10月

●質問4 

   食品添加物に関する質問主意書

一、 アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア及びカナダいずれかの国において指定の削除等によりその使用が認められなくなった食品添加物のうち、現在、我が国において、食品衛生法等に基づき食品添加物としての使用が認められている食品添加物があるのか。ある場合には、左記の事項を明らかにされたい。

 1 当該食品添加物の品名及び使用されている食品名

 2 当該食品添加物の品名及びその使用が認められなくなった国名及びその理由

二、 アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア及びカナダいずれかの国において許可あるいは指定されていない食品添加物のうち、現在、我が国において、食品衛生法等に基づき食品添加物としての使用が認められている食品添加物があるのか。ある場合には、左記の事項を明らかにされたい。

 1 当該食品添加物の品名及び使用されている食品名

 2 当該食品添加物の品名及びその食品添加物が許可あるいは指定されていない国名及び

   その理由

右質問する。

●質問4への回答書

衆議院議員長妻昭君提出食品添加物に関する質問に対する答弁書

一について

 食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第六条の規定に基づき人の健康を損なうおそれのない場合として厚生大臣が定めた添加物(以下「指定添加物」という。)のうち、お尋ねに係る国において食品への使用が認められる添加物としての指定の削除等が行われたものとしては、米国において昭和五十一年に動物実験における結果から発がん性が疑われ、食品への使用を禁止する措置がとられた食用赤色二号及び英国において平成二年に動物実験において発がん性が認められ、当時定められていた使用基準では最終的に食品に残留しないという確証が得られないとされ、食品への使用が認められる添加物リストから削除された臭素酸カリウムがあると承知している。
 我が国においてこれらの指定添加物について使用が認められている食品は、別表第一のとおりである。

二について

 食品衛生法第六条に基づく添加物の指定は、添加物又はこれを含む食品の製造、販売等を行おうとする者等からの要請を受けて、厚生省において安全性の審査を経た上で行う仕組みとしており、原則として我が国において製造、販売等が行われない添加物を指定することはなく、また、お尋ねに係る国においても基本的に我が国と同様の仕組みとなっているものと承知している。なお、欧州連合(以下「EU」という。)加盟各国においては、基本的には、EUの閣僚理事会において採択される添加物に関する指令に基づき、各国の国内法令の整備が行われるものと承知している。
 今般、厚生省が在外公館を通じて米国、EU等の添加物担当部局に依頼して行った調査等によって承知している範囲内では、指定添加物のうち一についてで述べたほかに米国又はEUにおいて食品に使用することが認められていないもの並びに我が国において当該指定添加物の使用が認められている食品及び米国又はEUにおいて当該指定添加物が使用することが認められていない理由は、米国については別表第二のとおりであり、EUについては別表第三のとおりである。

別表第一

添加物名

我が国において使用が認められている食品

食用赤色二号

カステラ、きなこ、魚肉漬物、鯨肉漬物、こんぶ類、しょうゆ、食肉、食肉漬物、スポンジケーキ、鮮魚介類(鯨肉を含む。)、茶、のり類、マーマレード、豆類、みそ、めん類(ワンタンを含む。)、野菜及びわかめ類以外の食品

臭素酸カリウム

パン(小麦粉を原料として使用するものに限る。)(注)

(注)最終食品の完成前に臭素酸カリウムが分解され又は除去されることが条件とされている。

 

別表第二

添加物名

我が国において使用が認められている食品

米国において使用が認められていない理由

5-ウリジル酸二ナトリウム

すべての食品

これまでに使用許可の要望がないため

カルボキシメチルセルロースカルシウム

同右

同右

クエン酸第一鉄ナトリウム

同右

同右

グリチルリチン酸二ナトリウム

しょうゆ及びみそ

同右

グルコン酸

すべての食品

同右

高度サラシ粉

同右

同右

コハク酸二ナトリウム

同右

同右

コンドロイチン硫酸ナトリウム

魚肉ソーセージ、マヨネーズ及びドレッシング

同右

5-シチジル酸二ナトリウム

すべての食品

同右

ジベンゾイルチアミン

同右

同右

ジベンゾイルチアミン塩酸塩

同右

同右

食用赤色一〇二号

カステラ、きなこ、魚肉漬物、鯨肉漬物、こんぶ類、しょうゆ、食肉、食肉漬物、スポンジケーキ、鮮魚介類(鯨肉を含む。)、茶、のり類、マーマレード、豆類、みそ、めん類(ワンタンを含む。)、野菜及びわかめ類以外の食品

同右

食用赤色一〇四号

同右

同右

食用赤色一〇五号

同右

同右

食用赤色一〇六号

同右

同右

チアミンセチル硫酸塩

すべての食品

同右

チアミンチオシアン酸塩

同右

同右

チアミンナフタレン-1・5-ジスルホン酸塩

同右

同右

チアミンラウリル硫酸塩

同右

同右

銅クロロフィリンナトリウム

あめ類、果実類又は野菜類の貯蔵品、魚肉ねり製品(魚肉すり身を除く。)、こんぶ、シロップ、チューインガム、チョコレート、生菓子(菓子パンを除く。)及びみつ豆缶詰又はみつ豆合成樹脂製容器包装詰中の寒天

同右

銅クロロフィル

果実類又は野菜類の貯蔵品、魚肉ねり製品(魚肉すり身を除く。)、こんぶ、チューインガム、チョコレート、生菓子(菓子パン類を除く。)及びみつ豆缶詰又はみつ豆合成樹脂製容器包装詰中の寒天

同右

パラオキシ安息香酸イソブチル

しょうゆ、酢、清涼飲料水、シロップ、果実ソース、果実(表皮の部分に限る。)及び果菜(表皮の部分に限る。)

同右

パラオキシ安息香酸イソプロピル

同右

同右

パラオキシ安息香酸エチル

同右

同右

パントテン酸ナトリウム

すべての食品

同右

ビスベンチアミン

同右

同右

ポリブテン

チューインガム

同右

メタリン酸カリウム

すべての食品

同右

メチルヘスペリジン

同右

同右

L-リシンL-アスパラギン酸塩

同右

同右

L-リシンL-グルタミン酸塩

同右

同右

5-リボヌクレオチドカルシウム

同右

同右

5-リボヌクレオチド二ナトリウム

同右

同右

 

別表第三

添加物名

我が国において使用が認められている食品

EUにおいて使用が認められていない理由

5-ウリジル酸二ナトリウム

すべての食品

これまでに使用許可の要望がないため

エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム

缶詰及び瓶詰食品

同右

塩化第二鉄

すべての食品

同右

オレイン酸ナトリウム

果実及び果菜の表皮

同右

過硫酸アンモニウム

小麦粉

同右

カルボキシメチルセルロースカルシウム

すべての食品

同右

クエン酸イソプロピル

油脂及びバター

同右

クエン酸第一鉄ナトリウム

すべての食品

同右

グリチルリチン酸二ナトリウム

しょうゆ及びみそ

同右

コハク酸一ナトリウム

すべての食品

同右

5-シチジル酸二ナトリウム

すべての食品

同右

ジベンゾイルチアミン

同右

同右

ジベンゾイルチアミン塩酸塩

同右

同右

シュウ酸

同右

同右

DL-酒石酸

同右

安全性に関する追加資料が必要と判断されたため

DL-酒石酸ナトリウム

同右

同右

食用赤色一〇四号

カステラ、きなこ、魚肉漬物、鯨肉漬物、こんぶ類、しょうゆ、食肉、食肉漬物、スポンジケーキ、鮮魚介類(鯨肉を含む。)、茶、のり類、マーマレード、豆類、みそ、めん類(ワンタンを含む。)、野菜及びわかめ類以外の食品

これまでに使用許可の要望がないため

食用赤色一〇五号

同右

同右

食用赤色一〇六号

同右

同右

食用緑色三号及びそのアルミニウムレーキ

同右

同右

チアミンセチル硫酸塩

すべての食品

同右

チアミンチオシアン酸塩

同右

同右

チアミンナフタレン-1・5-ジスルホン酸塩

同右

同右

チアミンラウリル硫酸塩

同右

同右

デヒドロ酢酸ナトリウム

チーズ、バター及びマーガリン

同右

デンプングリコール酸ナトリウム

すべての食品

同右

DL-トリプトファン

同右

同右

ナトリウムメトキシド

同右

同右

二酸化塩素

小麦粉

安全性に関する追加資料が必要とされたため

パラオキシ安息香酸イソブチル

しょうゆ、酢、清涼飲料水、シロップ、果実ソース、果実(表皮の部分に限る。)及び果菜(表皮の部分に限る。)

これまでに使用許可の要望がないため

パラオキシ安息香酸イソプロピル

同右

同右

パラオキシ安息香酸ブチル

同右

同右

ピペロニルブトキシド

穀類

同右

フマル酸一ナトリウム

すべての食品

同右

ポリアクリル酸ナトリウム

同右

同右

メチルヘスペリジン

同右

同右

モルホリン脂肪酸塩

果実又は果菜の表皮

同右

L-リシンL-アスパラギン酸塩

すべての食品

同右

L-リシンL-グルタミン酸塩

同右

同右

リボフラビン酪酸エステル

同右

同右

リン酸水素二アンモニウム

同右

同右

リン酸二水素アンモニウム

同右

同右

 

★表1の2つの添加物は米英それぞれで発ガンの疑いがあるにもかかわらず、日本では認可されていることを政府が正式に認めたわけで、今後、調査・追求してまいります。