食品添加物赤色2号に関する質問主意書 平成13年3月
・質問5
食品添加物赤色二号に関する質問主意書
添加物の食用赤色二号は、我が国では、昭和二十三年に安全性が確認されて指定添加物となっているが、米国において昭和五十一年に動物実験における結果から発がん性が疑われ、食品への使用を禁止する措置がとられている(「衆議院議員長妻昭君提出食品添加物に関する質問に対する答弁書」(平成十二年十月十三日)参照)。
一 昭和二十三年に、食用赤色二号が、人の健康を損なうおそれがないと判断した試験等の資料・データは(以下「資料等」という。)、現在保存されているか。また、保存されている資料等は、開示されるか。
二 我が国において、米国における昭和五十一年の措置を踏まえて再度試験等はなされたのか。再度試験等がなされたのであれば、その資料等は現在保存されているか。また、保存されている資料等は、開示されるか。
三 一、二でお尋ねした資料等が保存されていないのであれば、その理由は何か。
四 仮に米国における昭和五十一年の措置を踏まえて再度試験等を実施していないのであれば、健康を損なうおそれが生じたと推測される以上、再度試験等を実施して安全を確認するべきではないか。
右質問する。
- 質問5への回答書
衆議院議員長妻昭君提出食品添加物赤色二号に関する質問に対する答弁書
一について
昭和二十三年に食用赤色二号を食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第六条の規定に基づき指定した当時の資料及びデータについては、現在は保存していない。
二について
御指摘の米国における昭和五十一年の措置を踏まえて、政府として食用赤色二号に関する試験を行ったことはない。
三について
一についてで述べた昭和二十三年当時の資料及びデータは、厚生省本省文書保存規程(昭和二十五年厚生省訓令第三十四号)別表第二の「報告、届出、復命又は調査で、重要なもの」に該当し、保存期間は十年とされていたことから、現在は保存していない。
四について
御指摘の米国における昭和五十一年の措置は、米国における食用赤色二号の発がん性を疑うデータが得られたとされたことに基づき講じられたものであるが、我が国においても食品衛生調査会の委員等による検討を行った結果、当該データは発がん性を疑う根拠とはならず、食用赤色二号は人の健康を損なうおそれがないとの結論を得たところである。
また、食用赤色二号については、国連食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)が合同で設置した食品添加物専門家会議(JECFA)から、昭和五十三年にそれまでに得られた知見からは発がん性が認められないとの見解が示され、昭和五十九年には追加して実施された長期投与による動物試験によっても発がん性が認められないとの見解が示されており、食品添加物としての安全性評価が国際的にも確立している。欧州連合(EU)等においても、食品添加物としての使用が認められているところである。
以上のことから、食用赤色二号は人の健康を損なうおそれがないものであると判断しており、人の健康を損なうおそれがあることを示唆する新たな知見が得られない限りは、改めてその安全性に関する試験を実施する必要はないと考えている。