大手流通企業への金融支援に関する再質問主意書 平成14年2月22日答弁受理
平成十四年二月十五日提出
質問第二六号
大手流通企業への金融支援に関する再質問主意書
提出者 長妻 昭
大手流通企業への金融支援に関する再質問主意書
平成十四年二月一日提出の「大手流通企業への金融支援に関する質問主意書」で、左記のことをお尋ねした。
大手流通企業(ダイエー)への主力三行の債権放棄を含めた金融支援策は、平成十三年九月十九日付けで発表された「私的整理に関するガイドライン」に合致したものと金融庁は考えているか。合致していないのであれば、政府としてはどのような措置をとるのか。右質問する。
これに対する答弁書を平成十四年二月八日に頂いた。内容は左記。
株式会社ダイエーは、平成十四年一月十八日に、主な取引銀行三行への支援要請を含む新三箇年計画の骨子を発表したが、この計画の詳細は、同年二月中の公表に向け、現在、当事者間で検討中であると承知している。
御指摘の「私的整理に関するガイドライン」は、金融界や経済界の代表者、学識経験者等が、私的整理に係る調整手続等についての指針として策定したものであり、どのような私的整理を行うかは、基本的に当事者間で検討されるべき問題である。
一 本件では、質問に答えていないと考えられるが、質問主意書に対して答弁がなされない場合、国会法に規定される質問主意書制度自体の意義が無くなると考えられるがいかがか。
二 質問をはぐらかした場合、まさに本件のような事例では、国会法の精神から再答弁を求めることができると考えられるがいかがか。
三 答弁書にあるように二月中にダイエーの再建計画の詳細が公表された時点では、この再建策が「私的整理に関するガイドライン」に合致したものであるのかどうか、回答が可能なのか。
四 再建策が「私的整理に関するガイドライン」に合致するかどうか、が回答できないのであれば、その理由は。
五 金融行政を揺るがすダイエーの再建策について、金融庁は全く関与がなかったのか、お示し願いたい。
六 金融庁の関与があったとすれば、それは、どのような内容か。
右質問する。
内閣衆質一五四第二六号
平成十四年二月二十二日
内閣総理大臣 小泉純一郎
衆議院議長 綿貫民輔 殿
衆議院議員長妻昭君提出大手流通企業への金融支援に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員長妻昭君提出大手流通企業への金融支援に関する再質問に対する答弁書
一、三及び四について
株式会社ダイエーの再建計画が御指摘の「私的整理に関するガイドライン」に合致するかどうかについては、先の答弁書(平成十四年二月八日内閣衆質一五四第一一号)でお答えしたとおり、「私的整理に関するガイドライン」は金融界や経済界の代表者、学識経験者等が、私的整理に係る調整手続等についての指針として策定したものであり、どのような私的整理を行うかは、基本的に当事者間で検討されるべき問題であると考えるので、答弁を差し控えたい。
先の答弁書においては、右に述べたようなことから、お尋ねについて、政府が答弁をする立場にはないと考え、その理由をお示ししたものであり、これにより質問主意書制度の意義が無くなるとの御指摘は当たらないと考える。
二について
政府としては、国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第七十四条の規定は、質問主意書に対する答弁書について、必要に応じて再度質問をすることを制限しているとは考えていない。
五及び六について
金融庁は、個別銀行の融資先である個別企業の具体的な再建策について直接関与することはなく、株式会社ダイエーの再建策にも直接関与していない。
ただし、一般論として、銀行が、債務者企業の再建可能性を的確に見極め、適切な再建策の策定等を通じて、速やかに再建可能な企業の再生に取り組むことは重要であり、こうした取組を銀行に対して要請してきているところである。