鈴木宗男衆議院議員を総理特使に任命した小泉純一郎総理大臣の責任等に関する質問主意書 平成14年3月1日答弁受理
平成十四年三月一日提出
質問第三八号
鈴木宗男衆議院議員を総理特使に任命した小泉純一郎総理大臣の責任等に関する質問主意書
提出者 長 妻 昭
鈴木宗男衆議院議員を総理特使に任命した小泉純一郎総理大臣の責任等に関する質問主意書
一 小泉総理は鈴木宗男議員を二度も総理特使に任命したことを現時点では、問題があったと考えているのか。
二 小泉総理は鈴木議員が外務省で不自然に権力を持ちすぎているということを知っていたか。
三 知っていながら、鈴木議員を総理特使に任命したのであれば、鈴木議員の外務省での不自然なまでの権力を増長させることに力を貸したこととなる。
これについて小泉総理はどのような認識を持っているのか。
四 二を知らない場合でも、総理特使に任命したことによって結果的に外務省に対しての鈴木議員の不自然なまでの権力を増長させることとなったが、小泉総理は任命者として、その不明に関してどのような認識を持っているのか。
五 総理特使の決め方として、鈴木議員の本年、昨年の総理特使派遣は、本人からの申し出だったとのことだが、過去に、総理特使を決める際に、本人の申し出で決定した事例は何例あり、それぞれ誰が総理特使となった事例か。
六 これまで過去、五年間のすべての総理特使について、派遣された特使名と派遣国、期間、目的と、どの内閣時のものかをお示し願いたい。
七 鈴木議員は昨年十月、本年一月と短期間に同一国(タジキスタン)に総理特使として派遣されている。過去にこのように短期間に同一国に総理特使を派遣した事例があれば、お示し願いたい。
八 七の事例がないのであれば、なぜ、このような派遣が実施されたのか。短期間に同一国に派遣した必要性についてお示し願いたい。
九 同一内閣で、鈴木議員のように同じ人物が二度、総理特使に任命されたことがあるのか。事例をお示し願いたい。
一〇 鈴木議員の総理特使選定に関して、外務省は現時点でも問題は全く無かったと考えているのか。反省する点は無いのか。お示し願いたい。
右質問する。
内閣衆質一五四第三八号
平成十四年三月八日
内閣総理大臣 小泉純一郎
衆議院議長 綿貫民輔 殿
衆議院議員長妻昭君提出鈴木宗男衆議院議員を総理特使に任命した小泉純一郎総理大臣の責任等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員長妻昭君提出鈴木宗男衆議院議員を総理特使に任命した小泉純一郎総理大臣の責任等に関する質問に対する答弁書
一について
小泉内閣総理大臣は、鈴木宗男衆議院議員(以下「鈴木議員」という。)を平成十三年十月及び本年一月の二度にわたりタジキスタン共和国へ総理特使として派遣したこと(以下「本件派遣」という。)については、衆議院議員長妻昭君提出鈴木宗男衆議院議員を総理特使に任命した経緯等に関する質問に対する答弁書(平成十四年三月一日内閣衆質一五四第三三号。以下「前回答弁書」という。)八から一一までについてで述べた派遣の経緯等に照らし、現時点においても、問題はなかったと考えている。
二について
御指摘の「不自然に権力を持ちすぎているということ」がどのような状態を指すのか必ずしも明らかではないが、小泉内閣総理大臣は、本年三月四日に外務省が公表した「北方四島住民支援に関する調査結果報告書」(以下「報告書」という。)に指摘されているような鈴木議員と外務省との関係については承知していなかった。
三及び四について
御指摘の「不自然なまでの権力を増長させること」がどのようなことを指すのか必ずしも明らかではないが、小泉内閣総理大臣は、本件派遣については、一についてで述べたとおり問題がないから、このことが報告書に指摘されているような鈴木議員と外務省との関係に結び付いたとは考えていない。
五について
総理特使の派遣の要否及びその選任については、当該外交問題の性質等を踏まえて判断されるものであり、「本人の申し出」のみによって決定されるものではない。
六について
平成九年三月から本年二月までの間の総理特使の派遣のうち、外務省が把握し得たものの氏名、派遣先、派遣期間、派遣目的及び派遣当時の内閣は、別表のとおりである。
七について
外務省において限られた期間で可能な調査を行ったが、少なくとも過去五年間においては、お尋ねのような事例は見当たらなかった。
八について
タジキスタン共和国に約三か月間に二度総理特使を派遣したのは、前回答弁書八から一一までについてで述べたとおり、それぞれについて派遣の必要性が認められたことによる。
九について
外務省において限られた期間で可能な調査を行ったが、少なくとも過去五年間においては、橋本内閣における平林博内閣外政審議室長及び高村正彦外務政務次官の事例、小泉内閣における森喜朗前内閣総理大臣の事例がある。
一○について
外務省は、本件派遣については、前回答弁書八から一一までについてで述べた派遣の経緯等に照らし、現時点においても、問題はなかったと考えている。