写真日記

2021年09月10日

【りっけんチャンネル】「緊急事態宣言延長!今必要な対策とは?立憲民主党の緊急提言」

 立憲民主党は10日夜、りっけんチャンネル「緊急事態宣言延長!今必要な対策とは?立憲民主党の緊急提言」を配信しました。同日党が発表した「3週間で取り組む『命と暮らしを守る』4つの緊急提言」の取りまとめの中心となった長妻昭副代表、岡本充功政調会長代理と逢坂誠二コロナ対策本部長が番組に出演しました。司会は尾辻かな子衆院議員が務めました。

 長妻議員は、「東京で新型コロナウイルス新規陽性者数が減ってきて、世の中ではもう解禁だという雰囲気の中、政府が緩いメッセージを出しているので大変心配だ。医療機関は相変わらず生きるか、死ぬかの大変な状況の中で、医師、看護師の方々は奮闘されている。われわれはこの冬に向けて、この3週間が勝負だということで緊急提言を出した」と語りました。

 岡本議員は、立憲民主党が2月25日に「zeroコロナ」戦略を公表して以来、累次にわたって提案・提言をしてきたことを振り返り、「なかなか政府はわれわれの案を取り入れないことに対して本当に忸怩(じくじ)たる思いがある。国を挙げて、われわれも協力して対策に取り組むという姿勢を示して来たし、これからも示していくということの一環とし、今回の緊急提言をまとめた。緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が各地に適用され、皆さんは大変なご努力をされ、そして事業者の皆さんにはご迷惑をおかけしている。こうした状況を少しでも早く、多くの皆さんがそれぞれの生活スタイルを取り戻せるようにしっかり提案をしていきたい」と話しました。

 逢坂議員は、政府のコロナ対策は行動抑制から行動緩和へと議論が移っていると指摘し、「全く逆だと思う。今こそしっかりした対策をしなければ、これまでと同じように、少し感染状況が下がってくると緩和をする、するとその後にリバウンドが発生する。そしてリバウンドのたびに感染者が増えていっている。こうなると、社会に対する損失、影響がどんどん大きくなっていることが極めて大事」と話しました。

 続いて、尾辻議員は、政府が8日に決めた緊急事事態宣言等の延長、緊急事態措置解除の考え方、行動制限緩和の基本方針等について解説し、問題点を提起しました。

 長妻議員は、「今はコロナ対策の中で、相当重要な時期だと思う。自民党総裁選をやっているので、役所が指示待ちになって、新しい対策を打ち出せない状況になっている。9月末に期限がくる施策がいろいろあり、普通なら延長するのであればもう決める時期だが、司令塔、総理が決まらないので、(何もしなければ)9月末で期限が切れてしまう状況だ」「政府がこのタイミングで非常に緩いメッセージを国民に伝えるのはどういう効果を狙っているのか理解できない。チグハグなメッセージになりかねない。政治は先を見ないといけない。寒くなるとウイルスの活動が活発になる冬に向かって最悪の事態が起こらないように今から手を打つと。最悪の事態を想定しておくということが重要だと思う。最悪の事態というのは、ワクチンが効かない変異株がはやること」と語り、そういう事態を起こさないためにも、今リバウンドを起こさせないという重要な時期に緩いメッセージを出してしまうことは間違っていると批判しました。

 政府の緊急事態宣言の解除の基準については、「ワクチンはまだ行きわたっていない。こういうような状況の中で、強く危機感をもってもらわないと困る。従来の基準だと、東京は500人以下でないと解除できないと言っていたが、500人でなくても新規感染者は多くても解除したいという思いがあると思うが、たとえば10万人あたり自宅療養者・入院待機者が60人だが、東京都の人口に照らし合わせると8400人になる。8400人が入院待機・自宅療養中というのは相当大きいボリュームで、それで解除したらまた必ず感染者数が上がる、リバウンドが起こると思う」と話し、再検討するよう求めました。また、8月末に緊急事態宣言の延長を9月12日までと設定したのには、菅総理の自民党総裁選に向けた思惑があったとの見方を示し、「総裁選とか解散とかの政治的な思惑で、科学的根拠に基づかない意思判断は金輪際しないでいただきたい」と強調しました。

 岡本議員は、「この段階でどういう対策を取るかを統計学の専門家から話を聞くことも重要だ。だからわれわれは、ここで3週間ということを言っている。感染上昇局面でも対策を取らないといけないが、減ってきたと思われるタイミングで何をするかということが、どこまで深く、感染の火種を消せるのかに関わってくる。中途半端に『火が消えた』と思ってしまうと、炭火のように燃え上がってくる。しっかりと火を消すことにおいて、ここでダメ押しをするということが極めて重要。だから国民の皆さんに、ここは辛いけれど、しっかり対策をとってもらいたいというのがわれわれの思いだ。もちろん、立憲民主党はこれから先もずっと自粛だけを求めていくわけではないし、そこから先の出口戦略もいずれは示して行かなければならないが、今ここで緩めるような話を政府はしているが、ここで国民の皆さんの気持ちを切り替えるのはまずいし、ましてや政府の言っている出口戦略はいつ実現するかも不明な話。そういう意味で、この先のごちそうがいつ来るのか分からないけれど、そのごちそうだけ見せておいて、じゃあ、ああいうふうになるのかなと思わせておくだけというのは、私はむしろ酷であって、『ここは皆さん、ちゃんと支援をするから頑張りましょう』というメッセージが必要」と話しました。

 そして、「もちろんわれわれは今までもzeroコロナという言葉を使ってきた。よく巷でzeroコロナをもうあきらめたのかとおっしゃる方もいらっしゃるが、決してそれを諦めたわけではなく、今やらなければいけないことをやらなければ、この先もコロナのコントロールができないという思いをしっかり国民の皆さんと共有したいと思っている。本当に『総裁選よりコロナ対策をやってほしい』というのが国民の声ではないだろうか。そういう意味で私たちは、着実に、そして科学に基づいて政策を提言していきたい」と話しました。

 逢坂議員は「われわれが今考えなければいけないのは、経済活動も確かに大事だが、次に来る第6の波をどうやって防ぐかというのが最大の眼目。今日この時点で、行動制限の緩和方針を打ち出すというのは全く誤ったメッセージになる。『ここは本当に厳しいけれども、皆さん、頑張りましょう』というメッセージを政治が発する必要がある」「菅総理はコロナ対策に専念すると言って総裁選に出ないことにしたのだから、その任期いっぱいはコロナ対策に全力を尽くしてもらいたい」と話し、抗体カクテル療法をできるだけ多くの患者さんに届けるとか、経済的支援を実施する等、言っているだけでなく実現してほしいと話しました。

 次に岡本議員が、緊急提言のポイントは(1)暮らしを守るためにきちんとした補償をする(2)病院の医療体制をきちんと作っていく(3)出入国管理(4)学校や子どもへの配慮──だと話し、内容を解説しました。

 出入国管理の厳格化について「日本人であれ、外国人であれ日本に入国しようとする方は、宿泊施設で国の管理のもとで隔離する。私たちの調査では、宿泊施設は羽田、成田、関西空港で2万室のビジネスホテルがある。この2万室を10日間で割り戻すと、1日に2000人入国することができる。この方たちをビジネスホテルで隔離し、その間3回のPCR検査をし、9日目の検査でその結果が出る10日目に陰性であるということを確認して入国していただくことを徹底する」「とくに第3国経由の入国者が分からないというのが実態だ。たとえば感染爆発が起きたり、変異株が出ている国から直行便で来る方はそこから来たと分かるが、経由便に搭乗し、航空会社が変わると日本ではどこから来た方のからは分からないというシステム上の問題もある。どこから来た航空機に乗ってきた方と限定するのではなく、全ての方を隔離する」と説明しました。

 長妻議員は、「一番重要なのは、助かる命が助からないという現実が起こってしまったこと。これが戦後最悪の医療行政の大失態だという強い危機感と反省を私たちも、政府も持たなければいけない」と語り、「今、これを食い止めると同時に、さらに冬に同じことが起こりかねないという想定をもってこの対策を強力にやっていく」と話しました。営業自粛をする事業者に対する協力金の支払いが遅いなどの課題に対し、協力金を前払いにすること、規模に応じた金額を支払った上で、それでも要請に協力しない事業者を見回り、チェックしていくべきだと述べました。

 逢坂議員は、「今回の緊急提言は、特別なことではなく、この1年半一貫して言ってきたことの繰り返し。たとえば、自粛要請と補償はセットということは昨年の春からずっと言い続けているので確実にやってもらいたい。医療体制についても、緊急包括支援交付金は当初1800億円しかなかったが、われわれが繰り返し要請して今、3兆円以上になった。ところが使われていない。あまりにも事前の規制が多すぎて医療機関が申請しにくい。だから、事前規制ではなく包括的に、事前にお金を渡すことによって医療機関の体制を整えてもらいたい。これもずっと言い続けている」と話しました。

 長妻議員は「GoToトラベルキャンペーンにはバーンと予算がついて、結局大量に余らせた」と例を挙げ、自民党の利権を背景に、政府のコロナ対策の予算配分が適正でないと指摘しました。予算は命を守ることを最優先して使うべきだとし、(1)民間のPCR検査を買い上げて無料で検査を受けられるようにする(2)宿泊療養施設等での人材を確保するために十分使う――ことを強調しました。看護師が宿泊療養施設に集まらないのは、ワクチン接種に従事している看護師の方が報酬が高いことを紹介し、「宿泊療養施設で働いている人の方が感染リスクが高いのだから、縦割りのお役所任せで非常に目詰まりがある」と述べ、「政治がきちんと細かいところを見ないといけない。この政治空白でおかしなことにならないようにするために、野党の役割が大きくなっている」と意気込みを語りました。