2012年10月12日
2012年10月11日(木) 「格差を是正すると消費が拡大する」―内閣府と議論
格差是正は消費拡大につながるか―。今、この命題について調査をしている。政権交代前には、政府には、格差対策や社会保障政策は、経済成長の足かせになる、という考え方もあった。
平成23年総務省「家計調査」に基づいて、日本の全世帯を所得の高い順に10分類した場合の可処分所得(実収入から税金・社会保険料などを差し引いた手取り収入)に占める消費支出の割合を調査した。それによると所得の最も高い世帯グループでは、65.5%だったのに対し、所得の最も低い世帯グループでは89.8%だった。
低所得世帯ほど、手取り収入に占める消費支出の比率が高いことが数値でも分かる。
仮に最も高い世帯グループの所得5%を、それ以外の世帯グループに均等配分し、そのお金を、それぞれの世帯が手取り収入に占める消費支出比率と同額を消費に使うとすれば、消費が2兆3440億円増加するとの結果が出た。内閣府の協力を得て計算した。いうまでもなく消費拡大は、雇用拡大、経済成長につながる。
これはあくまで、機械的計算であり、実態を反映した緻密な計算ではない。今後、実態に基づく緻密な検証を続け、「格差是正、所得再分配は消費拡大につながる」ということを証明できれば、政府や国民と共有し、政策に反映して参ります。