日々の活動(旧)

2015年10月01日

2015年10月1日(木)代表代行の定例記者会見

10月1日木曜日の記者会見の模様です。
※ながつま昭は基本的に隔週(蓮舫代行と交互)で記者会見を開いています。

■冒頭発言
【代表代行】
 正式にはこの前の日曜日に国会が終わりまして、国会が閉じた後の私の初めての会見ということで、よろしくお願いをいたします。

○日本歯科医師連盟前会長らの逮捕について

【代表代行】
 まず冒頭、日歯連(前会長ら)の逮捕という報道がありまして、これについては「政治とカネ」、かねがね言われている問題の再燃という感じがいたします。もう捜査が入っていますので、我々としては捜査の推移を見守って、それが着地した時にいろいろな対策・対応、あるいは法的な措置などを考えていくと。「法的な措置」という意味は、「政治とカネ」の問題の規制を強めるというようなことでありますが、そんなようなことを考えております。

○共生社会創造本部のドイツ視察予定について

【代表代行】
 ご報告するのは、共生社会創造本部が来週ドイツに行きまして調査をしていく。私と大塚耕平政調会長代理と山井和則ネクスト厚労大臣とが一緒に行きまして、それの研究をしてきます。非常に大きなミッションを背負って行ってまいりますので、詳細に実態を見て、言われているようなことが本当に事実なのかどうかを確認していきたいと思います。
 日本の労使での議論で私は一部不毛だと思うのは、労働側は労働者の保護を訴える、経営側は労働者を保護すると競争力が落ちるから、それはほどほどにしたほうがいいと。こういう議論が続いているように思うのですが、ドイツなどでは経済界も含めて、労働者を一定程度安定雇用やワーク・ライフ・バランスを確保することで、むしろ競争力を強くする。高付加価値の労働者を生んで、経済にプラスに働く、企業にもプラスになると、こういう相反しない考え方というのが結構あります。
 実際にそういう企業運営もありますし、休息規制という、会社を退社してから出社するまで11時間必ず空けなければいけないとか、1日の労働は10時間以上は禁止と。これはマスコミの方も、ちょっと詳細に聞きましたが、本当に新聞記者とかテレビの人もそうなのと聞いたら、本当に1日10時間以上の労働は禁止されているということでありますので、(記者の)皆さんから見たら夢のようなことではないかと思うのですが、本当に実態がそうなのか。そして、それが経済成長にプラスに働いて競争力をむしろ高くしている、労働生産性も上げている理由ということなのかを見て、日本の今後の政策に役立てるような視察にしていきたいと思っております。

○維新の党との政策協議について

【代表代行】
 私と細野豪志政調会長が責任者になりまして、昨日、政策協議を維新の党といたしました。6項目(外交・安保、経済、行財政改革、共生社会、地方分権、エネルギー)、それに加えて「憲法」を項目に追加するかどうかもお互いに持ち帰って議論するということになりましたが、それについて大きな方向性をまず共有しましょうと、こういう話をして、若干の意見交換をいたしました。
 予想以上に、隔たりはそう大きくないのではないか、乗り越えられるのではないかと考えておりますので、そう長く時間をかけずに、まずは方向性を合意して、あらあらそれをした後、今度は当然お互いに党内に持ち帰って党内のきちっとした調整・合意を得て正式ということになりましょうから、そういう手続などをきちっと踏みながら、自民党に代わる価値、自民党に代わる価値観を持つ大きな固まりを作っていくことが主眼ですから、基本政策というのは非常に重要でありますので、そういうことで取り組んでいきます。

■質疑

○野党協力について

【記者】
 維新との協議ではそう隔たりは大きくなかったということだが、党内外で野党再編、維新との合流などについては期待の声、あるいは慎重になるべきだと、いろいろな声があると思うが、長妻さんご自身はどのぐらいのスケジュール感で、どういうふうになるのが望ましいとお考えか。

【代表代行】
 やはり自民党「一強多弱」と言われていますので、今の与党に対抗できる大きな野党、この必要性は多くの方がおっしゃっていると思うのですね。
 ただ、注意しなければいけないのは、我々はもう10年以上前から経験しているのは、政策の詰めを甘くして大きな固まりができても、途中で瓦解してしまう。こういうことが絶対にないようにしないといけないわけで、そういう意味では自民党・与党に代わるもう一つの価値を示していくということですから、やはりその価値を共有する人たちと一緒に大きな政党をつくる。
 ただ、あまり細かいところまで分け入っていくと、本当に狭い中での合意で、今より数が少なってしまうということは、これはあってはならないことでありますから、今よりも数を増やして仲間を増やすという前提で、理念を同じにする仲間ということが最も重要だと思います。

【記者】
 自民党は、安倍総理が先ほどの会見で、「一億総活躍社会」というキャッチコピーを打ち出しているが、代行が先日来おっしゃっている「自民党に代わる価値観」という部分で何かキャッチコピーというか、目指す具体的なものはどういったところになるか。

【代表代行】
 我々、6項目の中にもありますが、共に生きる社会、「共生社会」という、人々の能力の発揮を阻んでいる格差の壁を取り除いていって、皆さんの能力が発揮できる社会。あるいは日本を一つの色に染めるような単一の価値観ではなくて、多様な価値観を認めていく社会。我々は「居場所と出番のある社会」と言っていますが、やはり頑張る人が報われるというのは当たり前ですが、頑張りたくても頑張れない人はたくさんいらっしゃるわけで、そういうところにも配慮していく社会。ですから「共生社会」という今申し上げたようなものが、一つ大きな、自民党と違う価値。
 それと、これは言うまでもないことですが、憲法、立憲主義をきちっと守っていくこともその範疇に含まれると思います。

【記者】
 きょう夕方、橋下大阪市長が新党立ち上げについて表明することになっているが、維新の党との政策協議への影響とか野党連携についての影響は、代表代行はどのようにお考えか。

【代表代行】
 おそらく今の維新の党の中にいらっしゃる方も、大阪の新しいところに行かれる方がいらっしゃるのではないかと思いますので、これは他党のことでありますが、やはりその中で政策協議をした後、党内で着地しないといけないですね、党内で合意を取るということですから。その手続がきちっとスムースに進むような工夫などもしていただければ、そう時間をかけずに合意できるのではないかと思っております。
 ただ、あくまでこれは他党の中の話ですので、我々としてはいろいろ口出しする立場ではありません。何しろ政策合意、これを見出せるように一生懸命頑張っていくということです。

○次の臨時国会について

【記者】
 次の臨時国会までにTPP交渉の合意が間に合わない可能性もある中で、一部与党からは臨時国会を開かなくてもいいのではないかという声が上がってきている。その与党の姿勢についてはどのように思われるか。

【代表代行】
 与党がもしそういう考えをしているとすると、非常に問題だと思います。あれだけ数の力で憲法違反の疑いの濃厚な法律を押し切っておいて、用がなくなったらもう国会を開かないみたいな。国会は別に与党や官邸の便利な道具ではないわけですから。確かに開けば、TPP(の合意)がなければいろいろ追及されたり。ただ、それを好機と捉えてそれを説明していく、その絶好の場が国会であると考えていただかないと、と思います。もしそういうことがあれば、我々としてはそれはちゃんと開くように求めていくということだと思います。
 私も大臣を過去やらせていただきましたが、確かに、野党の質問というのは厳しいからちょっと憂鬱だなと思う時も初めはありました。ただ、やはり質問を受けていく過程で、いい質問が多いというか、こちらも非常に勉強になることを聞かれて、それに対してこちらも勉強して答弁することで、国民の皆さんの理解も深まるし、政府の中の理解も深まっていく。非常にありがたい存在だと政府に入っている人は心の底から思ってもらわないと。国権の最高機関ですので。
 そこの考え方というのが、何か官邸の下請機関みたいな位置づけで国会を見ているのではないかということを感じますので、そういうことがあれば、それはだめだという声を上げるということです。

○野党協力について

【記者】
 橋下市長が表明する新党は官邸との連携を大事にしていく方針のようだ。臨時国会以降、野党とはいえ官邸との連携を大事にしていくというところと、関係をどうつくっていくのか、どういうふうにやっていくのか伺いたい。

【代表代行】
 野党と与党は何か厳密な定義というのがあるのかどうかわかりませんが、やはり野党というカテゴリーは、私の理解では、政府の問題点をきちっと追及して是正して、最終的な目標は、政策を磨いて内閣を倒して内閣をつくっていくのが役割だと思いますので、やはりそういう仲間にできるだけ入っていただくように働きかけをすることは必要だと思います。初めからなにか、「向こうだ」とか決めつけるのではなくて。
 国会が始まりますと、すべて政府と同じということではどの政党もないと思いますので、やはりそういう問題点を追及する中で、あらゆるところと国会の場で共闘できるところがあれば、それは共闘するということだと思います。

○共生社会創造本部のドイツ視察について

【記者】
 ドイツで特にポイントとしてここを見てくるというところがあれば教えていただきたいのと、今回の視察を踏まえた上で、最終的な提言を考えておられると思うが、いつぐらいをめどにというものがあれば伺いたい。

【代表代行】
 最終的なものというのは先だと思いますが、中間取りまとめを、秋の臨時国会があればそのところで合意を取っていくことになると思います。
 ドイツで、一つはやはり具体的な工場とか会社に行って、例えばそこの経営者と組合の方の双方と意見交換をするとか、あるいは経済界の意見と労働側の意見をお伺いするとか。つまり先ほど申し上げましたように、労働規制が日本に比べると相当強い。ヨーロッパでは常識的なものなのですが、労働者保護の観点から深夜営業・24時間営業のコンビニなんていうものはないわけで、日曜日もお店はやっていないわけです。普通はそういうことを聞くと、経済がそんなのでもつのかということになると思うのですが、きちっと持続可能で回っているわけですから、その秘密というか、その実態を見て、日本でも取り入れられるところがあればという視点でいろいろな方と意見交換をしていく。
 ただ、全く同じではないのは、ユーロという単一通貨の中で競争力が強いドイツですから、ユーロがあるからひとり勝ちしているという見方もあるわけです。どこまでが働きやすさ、あるいは労働者が働きやすい環境が経済にプラスになっていくのか、そこについても見きわめをしていきたいと思っています。

○日歯連の迂回献金問題について

【記者】
 日歯連の件で、自民党の議員だけでなく民主党の西村正美議員(の後援団体)も関わっているという形になっているが、今回の逮捕の件を受けて、改めて本人から説明を受けたりしているか。

【代表代行】
 これは幹事長がどうお考えになっているかわかりませんが、幹事長も昨日ぶら下がりをしたと思いますが、捜査中の話で、それぞれどういう状況なのかが見えにくいので、なかなか今、確定的にコメントできる状況ではないということです。
 ただ、この件がすべて終わってその全容がわかった時点で、国会として政治資金規正法とか、法律の不備や抜け穴、あるいはもっと規制を強める必要があるというようなことについては、純粋政策的に必要性があれば、法改正などを考えていくことは必要だと思います。