日々の活動(旧)

2015年01月12日

2015年1月12日(月) 原中勝征全日本医師会会長をはじめとする皆様と社会保障について意見交換

座談会の模様です。

司会者:施設を拝見させていただきまして、ありがとうございました。昨日、介護報酬がダウンということになりましたが現場では何が困っているかお話ください。

細田洋一郎(埼玉メディカルセンター施設長):利益が上がりにくく一番経営が難しい老健の経営がかなり厳しくなる。介護報酬が下がるのに、職員の処遇を上げよという安倍政権は矛盾している。職員の確保が難しくなる。

司会者:民主党政権では、二度、診療報酬と介護報酬を上げました。逆に、安倍政権では診療報酬と介護報酬を下げました。

原中勝征(前日本医師会長):民主党政権樹立の直前には救急車のたらい回しが社会問題でした。しかし、長妻大臣の下、医療報酬を2200億上げ、救急車のたらい回しがなくなった。また、政権交代の大きな理由となった高齢者医療制度について、差別は許さないという長妻大臣の意思により、従来の診療内容が維持できました。

設楽詠美子(茨城県議会議員、歯医者):安倍政権の診療報酬と介護報酬のダウンにより、経営が成り立たなくなるという歯科医院の現場の声がある。

金田:安倍政権のような社会保障を削って財政再建というのは間違いだと思う。社会保障をきちんとしながら財政再建するのが筋である。長妻さんには社会保障をがんばっていただきたい。

長妻:介護報酬が3番目の下げ幅というが、今は物価が上がっているため、過去最大の実質的下げ幅だ。診療報酬を下げると、親の介護で仕事を辞めざるを得ない人が増加する。厚労省の試算ではGDPが1%減る。一時的な税収確保のために目先を削ると、経済にも悪影響になり、社会全体でみると、かえって悪化し、社会保障費が増加する。社会全体で考え、明確に旗を掲げるのが民主党。

原中:欧州がどのようにやっているのかが、モデルとなる。日本と同じように国債発行によって国の財政をまかなってきたドイツでは、財政再建のために国債をゼロとするときに、社会保障ではなく、公共事業を削った。道路が少し悪くなり不満も少し出ているが、ドイツでは、「人が生きる」ための正しい政治として国民が納得した。日本では消費税を上げても10%しか入らない。政治の目的は「人が生きる」ということ。安倍政権は逆のことをやっている。長妻さんが大臣だったときには、「人が生きる」ことを大切にしていたのが印象的だった。

司会者:民主党が信頼される政党となるためにどのような舵とりをしていくつもりですか?

長妻:民主党がまだバラバラのイメージがある。熟議の後にはまとまることが大切。また、バラバラなのは、民主党に明確な旗がないことも原因。格差が限界までに来ている。また、人の能力を潰している。親の介護で会社を辞めざるを得ない。出産で辞める人。非正規雇用で能力が発揮できない。過労死で若者を潰している。こんなことで何が経済成長か。格差を是正して、人への投資をきちんとして、人の能力をきちんと発揮できる環境を創ることが、成長の基盤を創るし、社会の基盤を創る。私はこの旗を掲げたい。原中さんが仰る欧州型資本主義の対極に、米国型資本主義がある。安倍政権は、本場の米国ですら方向転換を余儀なくされている米国型資本主義をやっている。米国型資本主義ではバブルがあり格差が広がり非常に社会保障が薄い。しかし、欧州型資本主義を日本型に転換しすること、つまり、地方分権、格差是正、人への投資という姿を明確に打出し転換をするのが重要だと思う。1周遅れ・2周遅れをやっている安倍政権の「この道しかない」のではなく、私たちの道もあるよ、と提示していきたい。

原中:格差のない、貧乏人の少ない国を創るのが政治の最大の目的。

長妻:原中さんの仰った社会が実現すると社会基盤も安定化し、社会も安定化し、結果として経済成長も可能となる。これはバブルでなく超金融緩和などの一時的な景気対策ではない。「もっと日本がよくなる」のに、なんでやらないのかというもどかしさがある。

司会者:長妻さんの原点である社会保障をしっかり立て直すことが日本の最重要課題ですね。