日々の活動(旧)

2015年06月04日

2015年6月4日(木)安保法制「野党の責任で後世に恥じない踏み込んだ議論展開する」長妻代表代行

※民主党HPより転記

長妻昭代表代行は4日午後、国会内で定例記者会見を開き、(1)衆院安保特別委員会質疑をめぐる総理らの問題発言(2)衆院憲法審査会参考人による「安保関連法案は違憲」とする発言(3)漏れた年金問題――等について見解を語った。

衆院安保特別委員会理事を務める長妻代表代行は、「いろいろな交渉もしているが、看過できないのは自民党の高村副総裁。副総裁という立派な立場にもかかわらず、非常に間違った認識を持っている」と批判。前日3日の衆院安保特別委員会は、政府の統一見解の提示を前提に審議を行うとの与野党間の合意があったが、統一見解の内容が不十分であったのにこれを無視して委員長が職権で委員会を強引に開催。この運びについて同日昼になって与党理事が野党側に謝罪し、委員会の開会が見送られたというのが実態であったのに、高村自民党副総裁は野党が審議に応じようとしない
などとしたうえで「野党は本当は国民に(法案を)説明されたら困る、理解されたら困ると思っていると断じざるを得ない」などと発言していた。また安倍総理が4日、谷垣自民党幹事長に同委員会の審議を「議論がぐるぐる回ってきている」と語ったことについても長妻代表代行は取り上げ、「ぐるぐる回しているのはご自身ということがお分かりになっていないのではないか」と述べ、安保法制が明確になるようなきちんとした答弁を求めたいと注文をつけた。

同日付で自民党の江渡理事に対し、高村自民党副総裁に厳重注意してほしいと求めたことも長妻代表代行は明らかにした。「1回目もわが党に対して誤解を招く批判があった。そして今回はこれであるので3度目はないと申し上げ、注意するように江渡理事に申し上げた。その後確認したところ注意したということ。国会であるので批判は与野党お互いにあるが、度が過ぎているものについてはわれわれも(苦言を)申し上げなければならない」と語った。

同日の衆院憲法審査会に参考人として出席した憲法学者3人がいずれも安保関連法案の集団的自衛権の行使容認について違憲と表明したことにもふれ、「それぞれの政党が有識者を招くもので、与党自民党が推薦した参考人ですら憲法違反と発言した」と指摘。「これは自民党自身が反省してそういう有識者に発言の機会を与えたのかどうかわからないが、非常にはっきりした発言だった」と参考人の発言をふり返った。そのうえで、委員会質疑で突っ込んだ質問をしない与党に対し、民主党は野党の責任で踏み込んだ議論を展開していく考えを表明。「武力行使をする要件が広がるということなので、その要件があいまいなまま法案が前に進むのは(審議で追及する)野党の職責を果たしていないと後世の歴史家に断じてしまわれないという思いを持ちながら」審議に臨んでいくと述べた。「いろいろな『事態』があるなかでその要件があまりにも漠としている。一つひとつの事態についての活動の要件をある程度確定をして次に進めなければ野党の職責を果たせない」と語った。

「総理大臣の歴史認識についても今後国会審議で聞いてみたい」とも述べ、「法律を運用するのは総理大臣であるので間違った武力紛争の行使をするか否かは本人の資質に係る部分も大きいので、そういうことにも取り組んでいく」とした。

長妻代表代行はさらに、1938年に国家総動員法を審議した際の国会の会議録を示した。「このときは5.15事件もあり総理も殺害されるという状況で今とずいぶん違う」と断ったうえで、佐藤陸軍航空兵中佐が質疑の中で「だまれ」と発言し「だまれとは何だ」「静かに聞けという意味である」などとするやりとりが展開され紛糾したことに言及。「相当高飛車な答弁のなかで政治が軽視されていることが分かる」と長妻代表代行は述べ、民主党としては後世の歴史の評価にも耐えられるよう、「間違った運用があったときにあそこで国会答弁を取っていたことによって、間違った運用が是正された」という状況をつくりだせよう、今後の国会審議にしっかりと取り組む考えを表明した。

「漏れた年金問題」では、1億人近い被保険者と受給者のデータが入っている基幹システムのコンピュータについて「そちらは基本的にインターネットには接続していないというが、そのデータは果たしてどうなのかということも検証しなければならない」と述べるとともに、流出した年金情報について基礎年金番号の付け替えの際につけ間違いで記録が宙に浮いて消えてしまう恐れがないかを確認していくと表明。また、「年金機構の人材が民主党の政権時代よりも幹部の層が非常に薄くなっていると思うので、部下をきちんと指導できる幹部を配備することが重要だ」も述べ、問題を多角的にとらえ党を挙げて取り組んでいくとした。