日々の活動(旧)

2016年03月05日

2016年3月5日(土)【栃木】共生社会創造フォーラムを宇都宮市内で開催

 民主党は5日、党栃木県連と共催で「一人ひとりの『居場所と出番』を求めて・・」と題して「共生社会創造フォーラムin栃木」を宇都宮市内で開いた。およそ120人の参加者があった。党本部からは共生社会創造本部本部長代行の長妻昭代表代行が出席した。

 今夏の参院選に民主党推薦で立候補予定の田野辺隆男氏が司会を務め、「皆さんも感じるように、安倍政権の強権的な政治をこのまま見過ごしていては、日本の次世代に大きなツケを残すことになる。戦後70年続いた平和国家日本と、国民一人ひとりが尊重される社会を作りたい。生まれて良かった、住んでよかった栃木にしたい。そういう思いを強く持っている。今日のフォーラムを、皆さんとともに政策を作っていく有意義な会にしたい」などとあいさつした。

 党栃木県連代表の福田昭夫衆院議員は主催者あいさつで、「先進国で一番の格差社会はアメリカだ。市場原理主義、新自由主義者と言われる人たちの考えが格差を拡大している。日本もそれにならうように超格差社会が進行している。それには2つの原因がある。一つは消費税を導入して所得税の累進税率を下げ、高額所得者を優遇するように税制が変わったこと。もう一つは、働き方が変わったこと。特に年収200万円以下の非正規雇用者がどんどん増えていく。いくら頑張っても報われない。税制と働き方、日本が超格差社会になっていく原因が、この2つにあることを共通認識として持ってもらいたい。こういう社会を打破するために頑張っていく」と述べた。

 各パネリストが地域での活動を報告した。「NPO法人だいじょうぶ」理事長の畠山由美さんは、「子どもへの虐待をなくすことを目的に、全ての子どもたちが安心の中で幸せに成長できるようにと、傷ついている子どもや子育てに悩んでいる母親に寄り添う活動に取り組んでいる」と団体を紹介。「あるお母さんが、保育園の卒園式に着ていく服がないというので、かわいい子供服を用意して持って行った。しかし当日その母子は来ていない。急ぎ連絡を取ると、実はお母さんの着ていく服もないということが分かった。そういうところまで気が回らなかったと反省し、小学校の入学式には間に合うように大人物のスーツを用意した」と一例を上げて活動報告を行った。

 「宇都宮女性団体連絡協議会」の小川暢子副会長は、男女が互いに人権を尊重しつつ、喜びも責任も分かち合いながら、女性の地位向上と男女共同参画社会の実現を目指して活動している。「つい最近まで家事、育児、介護はみんな女の仕事とされてきた。2014年の栃木県内での意識調査では、仕事も家事も男女で責任を持って行うことが望ましいとした人は約50%。しかしこれはまだ2人に1人だ」と指摘。DV被害者支援にも取り組んでおり、「カップルの6人に1人が身体的、精神的、経済的、性的など何らかの暴力を受け、4日に1人が元パートナーに殺されている」と警察の統計を紹介し、「とても見逃すことは出来ない。これからも支援活動に取り組んで行く」と報告した。

 「一般社団法人栃木県若年者支援機構」の中野謙作代表理事は、「ニーズは子どもや若者の中に、答えは地域の中にある」という考えに立って、引きこもりや貧困、発達障害のある子どもの学習支援や悩み相談などの支援活動に取り組む。若者たちには学び直し支援や就労支援など、自立までを支える活動を行っている。「少子化の割には不登校は減らないどころか増えている。いじめで苦しんでいる子どもがいる現実を大人がもっと認識する必要がある。有効求人倍率が上がっているが、企業は経験者や有資格者を求めており、ブランクがあったり仕事経験がない若者の雇用環境はむしろ悪化している。これらの現実をしっかりと見なくてはならない」と訴えた。

 長妻代表代行は、党共生社会創造本部「中間取りまとめ」の説明で、「日本の大きな問題は、格差の壁が大きく厚くなり、個人の能力の発揮ができない状況となってきていること。『教育格差』『雇用格差』『男女格差』そして『長時間労働の壁』などが経済成長を拒むものとなっている。格差の壁を取り除かなくてはならない」「共生社会のポイントは、これまでの支える側と支えられる側という考え方を、支え支えられる関係、支え合いを支える仕組みにしたい」「一つの価値観に染め上げる国は折れやすい国になる。多様性でお互いを認め合う、健全な批判のある社会でないと日本は発展しない」などと述べ、これまで各地で開いてきたフォーラムで出された意見を集約し、3月末を目途に最終取りまとめを行う考えを表明した。

 会場の参加者からは、「いつもこの種の集会では景気回復、福祉、医療などの話が多いが、今日のように若い人に目を向けた話ははとてもよい」「民主党はアピールの姿勢が弱い。もっと前向きに強いメッセージを出して欲しい」などの意見や叱咤激励の声が出た。