2012年09月27日
新しいマニフェスト作成に当たって 〜野田首相に提言書を提出〜
現在、民主党は、新しいマニフェスト作りをスタートしました。特に重要なのは、前回のマニフェストの徹底した検証です。実現できなかった政策については、その理由を明らかにした上でお詫びをしなければなりません。
実現途中や実現済の政策については、それを具体的に報告して参ります。そこに、誇張や自己満足は、一切あってはなりません。
特に前回のマニフェストの財源についての甘い見積もりは大きな反省点です。
そこには、平成22年度〜25年度の4年間の新規財源ねん出目標が明記されています。平成22年度〜24年度の3年間では、事業仕分け、埋蔵金発掘などマニフェストに規定されている財源ねん出目標は、合計33兆円でした。
厳しく前回のマニフェスト検証を
しかし、平成24年度予算編成を終わって、実際に3年間でねん出できた財源は20兆円でした。まだ6割しか、達成できていません。これらの点も含めて、衆議院解散までにマニフェスト検証をきちんとして皆様にお詫びと報告をしなければなりません。
一部マスコミ報道では、何も無駄使いを削減していない、新規財源を出していない、という印象を与える報道もありますが、20兆円の新規財源をねん出したことは、明細も含めて報告して参ります。
次のマニフェスト作りで特に重要なのは、これから民主党はどのような社会を目指していくのか、という方向性の旗印です。その前提として、現在の日本や国際社会に対する問題点を明確にしなければなりません。
格差社会の現場を訪問
先日、私は、二か所の施設を訪問しました。
一か所は、生活保護受給者をサポートするNPO団体です。そこで10人ほどの受給者・受給経験者の話を一人づつお聞きしました。
大手企業に勤め、40代で年収1100万円のエリート社員が、親の介護をきっかけに退職して紆余曲折あり、ホームレスになり、受給者になったケース。自分も含めて、誰もが生活保護になる可能性があるという前提で制度改革の議論をしなければならないと感じました。生活保護は8割が、高齢者、障害者、傷病者で占められています。
もう一か所は、ホームレス自立支援施設です。そこで20人近くの入所者から話を聞きました。3か月のホームレス経験の29歳男性、1か月のホームレス経験の同じく29歳男性はじめ、多くの貴重な話を聞きました。
日本社会の大きな課題は格差是正です。所得格差を示す相対的貧困率は米国についで先進国で二番目に高い数値を示しています。格差を是正するための、所得再配分政策である社会保障、税制改革を強く進めなければなりません。格差是正は、労働者の生活の質や教育環境の向上などにもつながり、結果として経済成長の基盤を作るものです。
野田首相に提言書を提出
そして、従来のGDP(国内総生産)数値目標一辺倒でなく、「雇用のパイを拡大する」「賃金を上昇させる」「格差を是正する」ための目標数値を掲げ、達成を目指すことが重要です。結果として、GDPで示される経済成長率が上昇するのです。
これらの目指すべき社会や政策について、新しいマニフェストに明記するべく取り組んで参ります。
9月中旬、代表選挙の前に、民主党が目指すべき社会や政策について、現状に強い危機感を持つ仲間の国会議員25人の賛同を得て、野田総理に面談し、提言しました。野田総理の発信が弱いと感じる部分に絞った提言「すべての人が活きる社会〜格差の小さい生活者主権の国」です。
『ながつま昭を応援する会通信 2012年9月27日号』記事