日々の活動(旧)

2012年10月25日

新自由主義とリベラル 〜格差をどう考えるか〜

現在、先進国では、格差をどう考えるかについて、大きな政治課題となっています。米国では、大統領選挙を目前にして、ロムニー候補とオバマ大統領の論争、フランスでは、サルコジ氏とオランド氏の大統領選(オランド氏が勝利)、ドイツでも、メルケル首相に対して、格差是正を訴える首相候補との選挙が控えています。
日本でも、首相が信を問う際の大きなテーマは、格差をどう考え、日本の社会をどのような方向に進めてゆくのかということです。
日本社会の方向性を考える上で、1つは新自由主義という流れがあります。これは、現在のアメリカ大統領選挙でオバマ氏と戦っているロムニー陣営に近い考え方で、社会保障は最低限だけ整備をして、政府の関与は極力小さくする、国民負担も増やさない。格差は拡大する傾向にあるがやむを得ない、という発想です。
そして、もう1つの流れに、リベラル(リベラリズム)という考え方があります。自助・自立を前提としながらも、自立が出来ない人に対しては、様々な社会保障政策を駆使して自立できるところまで引き上げてゆく。
したがって、社会保障は一定の規模は必要であり、国民負担は増えるが、格差は是正してゆく、という発想であります。フランスでは、サルコジ前大統領が新自由主義の流れを汲み、オランド現大統領がこのリベラルの方向性だと思っております。
現在、世界にはこの2つの潮流がありますが、日本の民主党政権は、後者のリベラルの方向性を持つ政党です。政権交代後の3年間、私自身、厚生労働大臣や厚生労働部会長として、格差を是正し、自立を促す社会保障政策を数々の法律や予算を通して実行して参りました。
格差是正や社会保障の整備は、社会の安定や消費の拡大をもたらし、結果として経済成長の基盤をつくるという考え方です。
日本は相対的貧困率を見ると、格差が先進国で米国に次いで高くなってしまいました。消費税を上げさせて頂くにあたっては、1%を社会保障の充実と格差是正のために使わせて頂きます。
一方で、私は、自民党や維新の会は、新自由主義の流れにあると捉えています。
この新自由主義とリベラルという2つの流れがある中で、信を問う時期に、日本の社会の在り方、方向性について皆様に選択をして頂くということになります。現在、世界中がその選択をしつつありますが、さらにこの政策を深めて参ります。

『ながつま昭を応援する会通信 2012年10月25日号』記事