写真日記

2022年12月08日

救済新法「不十分だが一歩前進。賛成をして当事者としていいものに変える」と長妻政調会長

※立憲民主党ホームページからの転載です。

長妻昭政務調査会長は12月8日、国会内で定例記者会見を開き、(1)旧統一教会被害者救済新法(2)安全保障三文書(3)保育士の配置基準の見直し――等について発言しました。

長妻政調会長は、同日の衆院本会議で採決される旧統一教会問題をめぐる被害者救済法案(「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案」と「消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案」)について、賛成することになったと報告。7月の安倍元総理銃撃事件直後に「旧統一教会問題対策本部」(本部長・西村智奈美衆院議員)を立ち上げ、あわせて国対ヒアリングでも被害者と直接、間接的にコミュニケーションを取り、与野党協議会の設置、当初政府は頑なだった新法の提出にまでつなげてきたとこの間を振り返り、「われわれがプレッシャーをかけなければ新法すらできなかったのではないか。(新法は)まだまだ不十分だが、何もないところからできたということで一歩前進ではある。私たちも賛成をし、当事者としてコミットしてより良い法案を作るために与党の背中をさらに押していく。被害者、被害者弁護団と政府とのパイプとしても私たちの役割を果たしていきたい」と述べました。2年以内の見直し規定にも触れ、「法改正も含めて実効性のあるものにしていきたい。この法律が成立して終わりではない。特に配慮義務のところは成立後20日で施行される。配慮義務のさらに具体的な類型化、定義を詳細に出すことが付帯決議にも入った。そうした疑いのある行為があれば、強い抑止になるように運用面でも協力していきたい」と力を込めました。

安全保障三文書の考え方については、立憲民主党として取りまとめるべく外交・安全保障戦略プロジェクトチームを設置し、ネクスト外務・安全保障大臣の玄葉光一郎衆院議員を中心に精力的に動いていると説明。「日米同盟を基軸にするという考え方は政府と同じだが、いけいけどんどんで進んでいって本当に大丈夫なのか、国際情勢を見極めて慎重に、かつ日本国民の命を守ることを両立させるための慎重な議論をして、的確に安全保障体制を整備するというのが私たちの基本姿勢だと思う。安全保障と社会保障が国家の礎であり、この2つがきちんと両立できてこそ政権を担えると申し上げている。社会保障については相当評価いただいていると思うので、今回の防衛政策についても国民の皆さんにアピールし、それに基づいて来年の通常国会で政府と防衛論議をしていきたい」と述べました。

また、保育園での暴行事件や、それ以前にあった通園バス置き去り事件に触れ、「私も実務者として携わったが、社会保障と税の一体改革では保育園の人員配置基準をヨーロッパ並みにすることを盛り込んでいた。にもかかわらず、自民党政権になってその歩みを止めてしまった。驚くことに、例えば4歳から5歳の子どもについて、保育士1人あたり30人みるという配置基準になっていて、これはヨーロッパの倍以上の基準。政府は小手先の対応ではなく、抜本的に緊急にヨーロッパ並みの配置基準にするよう強く求めていきたい」と述べました。

救済法案については、与野党協議に臨んだ立場から「与党の中の調整という大きな壁が立ちはだかって微動だにしない感触を当初受けた。時間軸で与党の限界だと思ったので、来年の通常国会あるいは来るべき総選挙で政権を代えていかないと日本の問題は解決できないと思いを強くした」と発言。被害者救済に向けた今後の取り組みついては、「被害者や被害者弁護団とのネットワークができたのはありがたいことで、今回の新法は被害者と被害者弁護団のご支援の賜物だと思っている。法律的には、原則的には過去の被害には遡及できないことになっているので、政府として生活支援をトータルで考える必要がある。総理も今日の質疑で一定程度考える趣旨の答弁があったので、法律では対応できないことにも幅広くやっていく。質問権の行使による回答も来ると思うので、いろいろなチャンネル、ツールを利用して救済防止に取り組んでいく。そして何よりも新法、不十分ではあるものの3条1-3項は汎用的な規定なので、抑止できる周知徹底を政党としても協力していきたい」と述べました。

今回、救済新法に賛成としたことに対し、「被害者に寄り添っていないのではないか」「維新との連携を重視して政策が歪められたのではないか」との質問を受け、長妻政調会長は「不十分な法律であり、反対するという選択肢ももちろんある。どちらが100%正しいということではないと思うが、被害者に寄り添う、そして被害者弁護団にとってプラスになるにはどちらが資するのかを考えた。2年の見直し規定があり、このパイプ、糸を切って追及一辺倒でいいのか。さらに前に進める改正や、実効性を高めるための運用面の強化などを政府に提言し、自民党、公明党ともまた協議会を開き、提言をしていく。消費者庁とのパイプも途切れさせず、被害者、弁護団とつないでいく。こうしてトータルで考えた時にどういう結論が資するかを考えた上でのもの。批判も評価も受けるかもしれないが、賛成をして当事者としてコミットしてこの法律を自分事としていいものに変える。運用面も役に立つよう変えていくことが私たちの1つの対応ではないかと考えて賛成した」と述べました。

加えて、「誤解があるようだが、条文だけを見て、『十分に』というこの3文字が入ったから合意したのではなく、トータルで考えた上での昨日の判断、そして今日のNC持ち回り閣議で正式に判断した」と強調。「行政を動かし救済に結び付ける、行政の持っている力を駆使して運用面を強化するときに、われわれ政治家としてどういう判断をすることが一番いいのか。今まで全くないところから法律ができて、不十分だが一歩前進であることは間違いない。私たちも共同責任だと思っているので、その責任を重く引き受けていい法律に引き上げていく。まずは運用面で救済に結び付くよう引っ張り上げていく。賛成する方が大きな力を得ることにつながると考えている」と述べました。