立憲民主党は8月30日、第6回立憲民主党「性被害・児童虐待」のヒアリングを国会内で開催しました。株式会社ジャニーズ事務所での性被害当事者でありジャニーズ性加害問題当事者の会副代表の石丸志門さんと同メンバーの大島幸広さんを招き、主にジャニーズ事務所が設置した外部専門家による再発防止特別チームが8月29日に公表した「調査報告書」について話を聞くとともに、こども家庭庁、法務省、内閣府、警察庁、外務省、経済産業省からヒアリングしました。
冒頭、長妻昭政務調査会長があいさつをし、再発防止特別チームの調査では1950年代以降2010年代半ばまでに、ジャニー喜多川氏による性被害者が少なく見積もっても数百人いるという複数の証言があることを取り上げ、「政府・与党は傍観することはありえない段階に来ていることを認識してほしい」と訴え、また岸田総理や小倉大臣(こども政策担当)が被害者に会って問題の深刻度を理解すべきと求めました。報告書において被害者救済措置制度を作るべきとあることについて、「これはまさに政府、国会に向けられたもの。政府・与党は、ぜひ私たちと一緒に国会で適切な対応をとってほしい」と述べました。
石丸さんは再発防止特別チームの報告書の内容について「当事者の会が求めていた3点セット、事実認定、謝罪、救済について言及されたと考えている」と話しました。しかし、国の関与については提言がされていないと指摘し、「国とジャニーズ事務所と当事者の会が三位一体となって被害者救済にあたらねば、真の被害者救済は達成できない。この未曽有の大事件を正当に解決することができなければ、将来第2、第3のジャニー氏を生むことになり性加害は繰り返される」と訴えました。
大島さんは、報告書に現ジャニーズ事務所社長の藤島ジュリー景子社長は退任するべきと書かれていることについて、「退陣せずにしっかりと責任を取って問題が片付いたら退陣してほしい。被害者の場に出てきて直接対話してほしい」などと求めました。
ヒアリングには、ビジネス人権に詳しい匿名の弁護士も出席し、「これだけ大規模な人権侵害の疑いがかなり濃い事案が発生している可能性がある場合には、政府が第一義的に法的な義務を履行するということは国連の指導原則も求めているところ」などと説明しました。また、テレビ局や新聞社などメディアに対して「本件を契機に人権方針策定と人権デューデリジェンスを今からでもやっていただくことが国連の指導原則上必要であり、ジャニーズ事務所だけを批判する立場ではないと弁護士として思う」と述べました。
山井和則衆院議員は、「これだけ大規模なことが起こったのに、日本政府が個別の事案だからと動かなかったことが歴史に残るのは、日本政府がいかに子どもへの性暴力に無関心かとレッテルを貼られかねない」と危機感を示しました。