2014年10月16日
2014年10月16日(木) 独裁政権に後戻りさせない歯止めとしての憲法 南欧3か国視察報告
本日、ながつま昭は衆議院憲法審査会に出席しました。
各国の憲法改正手続きなどを調査するための視察団からの報告がありました。
各国の憲法の例を参考にするときは、その生い立ち、歴史的経緯を踏まえる必要がある、ということを改めて痛感しました。
以下、武正公一視察団副団長(民主・衆議院議員)からの報告のうち、特に印象に残ったものを記述します。
□ギリシャ:憲法改正は総選挙を間にはさんで、2つの会期にわたる手続きが必要とされ、さらに1度改正されると5年間は改正できない。憲法には解釈規定があり、これを変更する際にも憲法の条文改正と同じ難しい手続きが必要となる。「緊急事態」でもないのに、憲法の緊急事態条項が何十回も使われている。
□ポルトガル:憲法改正は原則として直近の改正から5年を経過しないと改正できない。例外的に5年未満で改正する時は、議会の5分の4の改正が必要。憲法66条に環境権があるが、これだけでは不十分。民衆訴訟を認める52条が追加されてはじめて実効性のあるものになった。18歳から選挙権があるので、学校のクラス内には選挙権がある人と無い人が混在するが特段問題は起きていない。
□スペイン:現行憲法は内戦終結後、1978年に制定。内戦の記憶が残り、合意できなければ内戦に逆戻りするとの危機感があり、様々な価値観を内包する憲法となった。国民投票は可能だが、過去の独裁政権の反省に立って厳しく制限されている。
以上、上記3か国いずれも1970年代まで続いた独裁政権が終わった後、苦労して作られた憲法だけに改正することに慎重であった。