2014年03月10日
2014年3月10日(月) 里山資本主義〜木質バイオマスによる熱・発電利用の視察〜
本日、高知県長岡郡大豊町の高知おおとよ製材株式会社と、高知県南国市の西島園芸団地に視察でお邪魔した。民主党エネルギー総合調査会として、田嶋要(衆議院議員)事務局長をはじめ衆参議員と、林業に詳しい富士通総研の梶山さん(民主党政権で内閣府審議官)も参加した。
まず県庁で、尾崎正直高知県知事から高知県の太陽光、風力、木質バイオマスをはじめとする新エネルギー導入の戦略をお伺いした。
昨年、高知県林業の立て直しに大きな期待を受けて設立された高知おおとよ製材は、岡山県に本社のある製材大手の出資を受けた。高知県の最大の資源の一つである森林を活かす中核センターの位置づけだ。最終的に板材を接着させたCLTパネル(直交集成板)の普及を狙う。欧州ではCLTパネルによって8,9階建マンションが建てられるなど建築材として一般的だが日本では全く普及していない。効率的で素早く建てられ環境に優しいCLTパネルに期待が集まる。
おおとよ製材が注目されるのは、CLTパネルに加え、製材の過程で出る、これまでは捨てられていたC材・D材といわれる低質材や、オガ・カンナ屑などを特別なボイラーで燃やし、発電し、工場の電力を賄っていることだ。この木質バイオマスエネルギーが注目されている。ベストセラーとなった里山資本主義でも触れられている。
火力発電のために原油代を海外に支払うよりも、“地産地燃“で、地元に金を落とす新しい里山エネルギーを育んでゆく発想だ。この発想を後押ししたのが、民主党政権で始めた固定価格買取制度である。
西島園芸団地では、木質チップボイラを設置し、間伐材や木質チップなどを燃やし、熱利用をしている現場を拝見した。その熱は、いちごやメロン、トマト、すいかなどを栽培している温室を温めるお湯を作り出している。重油を燃やしていた時よりもコストはダウンしたという。重油に比べて熱発生の調整の手間はかかるが、円安の影響で高騰を続ける重油よりはコスト面で安心できるという。
高知県の木質バイオマスエネルギーに賭ける熱い思いが成就するようにサポートして参りたい。地元を振興するための新エネルギー政策について、皆様からもご意見を賜れれば幸いです。