日々の活動(旧)

2015年11月13日

2015年11月13日(金)代表代行記者会見

※13日の代表代行記者会見の模様をお伝えいたします。

■冒頭発言

○臨時国会召集見送りについて

【代表代行(ながつま昭)】
 まず私からは、12日、安倍総理と谷垣幹事長が会談して、臨時国会の召集を見送ることを確認したという報道がありました。事実だとすると、とんでもない話です。憲法53条に基づいて我々は手続を踏んで要請している。安保法制に続いて2度目の、憲法をないがしろにする、明確にないがしろにする動きがある。厳しく断ぜざるを得ない。強い怒りを持っております。
 我々も、臨時国会を開いても、総理の外交日程について柔軟に対応すると申し上げていますので、外交日程を理由に開かないというのは、これは道理としても通らない。

○ちぐはぐな「新3本の矢」について

【代表代行(ながつま昭)】
 もう1点は、「新3本の矢」というのが出ましたが、予算委員会の質疑でも明らかになったように、財源の裏づけがないどころか、財源を削っている。
 介護離職については、今年4月に介護報酬を戦後2番目、消費増税も入れれば戦後最大級と言ってもいいかもしれませんが、それだけ削減しておいて、スローガンとしては「介護離職ゼロ」というのはどう考えてもちぐはぐである。あるいは(与党の検討している)軽減税率という政策で、せっかく社会保障の充実とお約束したものを削って(軽減税率の)財源に充ててしまう。何のための消費増税なのかわからない。相当問題があると思います。

○「非正規雇用が4割超」、厚労省調査について

【代表代行(ながつま昭)】
 そして最後に、非常に気になる数字が出ました。非正規雇用の方々が4割を超えるということです。
 これからわが国は「インダストリー4.0(第4次産業革命)」という新しい産業革命の波に洗われるわけで、既にドイツに後れをとっており、メーカーが全部IT企業の下請になってしまうということも言われている大きな変革です。そういう産業の大きな変革に対応するためにも、やはり人材に投資をしなければ、4割の方が非正規雇用で、賃金も上がらずスキルも熟練度も上がらない。そして労働生産性は日本は先進国(の中)で20位と、一部のエリートの人達だけが頑張って新たな産業革命の波に乗れるのかというと、そうではない。やはり日本経済の基盤を固めるためにも、労働、働く形態による大きな格差、先進国最大級の格差を是正していくことが、その意味からも重要であると考えます。
 いずれにしても、今の安倍内閣とは違う社会の姿、価値を選択いただけるように頑張っていきたい。
 昨日は、福島県の県議選、丸一日各所をまわり、今のような話を訴え、手応えは感じておりますものの、さらに浸透させていくことを心がけなければ、相当厳しい選挙です。しっかりとこれからも政策提言、発信、追及、重ねていきたいと思います。

■質疑

○予算委員会・閉会中審査の議論を受けて

【記者】
 臨時国会の開会要求について伺いたいが、先般、閉会中審査で2日間予算委員会の審議をやったが、民主党の追及が一部緩い部分もあったのではないかという指摘があった。長妻代表代行はどのようにご覧になったのかが1点と、今後、臨時国会の開会を要求し続けるのか。閉会中審査を要求するとなると少し求めるものが違ってくると思うが、どのような対応をしていくか。

【代表代行(ながつま昭)】
 追及が緩いかどうかということですが、私の見た感想ですが、決して緩くなく、相当いい質問ができたと。これまでも予算委員会が開かれて、確かに追及が甘いという日も多々ありましたが、比較しても相当的確な追及をしていた。声を荒げて追及すると「追及した」というイメージがありますが、非常に冷静に質問をして、総理は明確に答えられない、ごまかす。特に軽減税率などについては論理破綻が明確になったのではないかと思います。私は相当、論点が明らかになったと思います。
 ただ、今回は頭出しということです。やはり衆議院・参議院1日しか与えられず、そこから2の矢、3の矢を同じテーマで放つということが、本当は臨時国会が開かれればできるが、テーマを一つだけに絞って、それだけで2の矢、3の矢を放つより、大きいテーマが幾つもありますので、ああいう質問をせざるを得なかったと思いますので、ぜひご理解をいただきたい。
 それから閉会中審査、各委員会で求めております。もちろん王道は臨時国会を開くということですが、閉会中審査も各委員会で求めています。つまり本来は11月の上旬ぐらいから臨時国会を開いてほしかったが、もう遅れていますので、その間の穴埋めは閉会中審査をする。そして11月の末とか、そのぐらいになるかもしれませんが、臨時国会を開くことを同時に求めていく。

○福島県会議員選挙について

【記者】
 東北での選挙、先日の宮城県議選に続いてとなるが、宮城県議選では1議席減という結果になった。今回の福島県議選、長妻代表代行以下、党幹部の方たちが入って応援に回っていると思うが、現場を回ってみての感想を含めて、危機感というか、今の民主党に対する支持がどういう結果になるとお考えか。

【代表代行(ながつま昭)】
 実際に福島、宮城に参りまして、あるいは私の地元でもいろいろな有権者の方と接していると、特に女性の方々の民主党に対する期待というのは相当高いということは実感しております。「戦前回帰なのではないか」「きな臭い動きを止めてほしい」と、これが非常に大きい。もう1点は、「社会保障を何とかしてほしい」と。「社会保障は、やはり民主党なのではないか」、こういう期待は感じます。それは福島でも同じでした。
 ただ、それが浸透していくように、野党は一定程度規模が大きくなければ政策が実現しにくいということも、国民の皆さんお考えになっておられると思いますので、来年の参議院選挙で一定の数を確保するということを経過した後には、さらに期待は大きくなってくると思います。民主党の勢力の拡大、あるいは野党の結集に、さらに取り組んでいくということです。

【記者】
 女性中心に理解が深まっているというお話があったが、県議選を戦っていく上での課題というか、最終日まで間もないが、訴えていく必要があること、特に力を入れて民主党として主張していくべきポイントはどういう点にあるとお考えか。

【代表代行(ながつま昭)】
 幾つかあると思うが、一つは立憲主義をないがしろにする動き、戦前回帰に似た動き、きな臭い動き、こういうものにきちっと歯止めをかけていくことが大きいテーマです。
 もう一つは、やはり我々、「共生社会」「居場所と出番のある社会」と言っております。それを阻んでいる格差の壁とか長時間労働、こういうものが人々の能力の発揮を阻んでいるので、そういう格差の壁、長時間労働をはじめとする劣悪な労働環境などなどについて、それを是正することが、結果として経済成長にもプラスになると。先ほど申し上げた「インダストリー4.0」というような、産業革命が起こってくる。そこで全員野球で乗り切っていかなければいけない時に、一部のエリート、あとは非正規雇用の方、そういう非常に格差が大きい働く人たちの問題をそのまま放置して、こういう状況を乗り切れるとは思えない。
 離婚してシングルマザーになった途端に、2世帯に1世帯が貧困状態になる、相対的貧困率50%、先進国中で最悪です。そういう人がつぶれていく、格差拡大で若者・子どもがつぶれていく状況を放置して、本当に中長期に経済成長できるのですか、民主主義の基盤は固まるのですかということを、やはり問いかけていく。そういうことを徹底的に示して、国民の皆さんにもう一つの価値を選択いただく。こういうことに尽きると思います。

○野党協力・野党結集をめぐる議論について

【記者】
 昨日、一昨日と、細野豪志政調会長と前原誠司さん、あと維新の党の江田さんが会合を開き、解党した上で新たに再編するという動きが党内からも声として発せられているが、福島県議選含めて、民主党に対する印象を含めて、影響をどのように代表代行はお考えか。

【代表代行(ながつま昭)】
 民主党だけでなく、他の野党も含めて、基本的な考え方は、やはり野党の力を結集しないといけないと、この1点についてはどなたも異論がないわけで、その結集する時の方法論、あるいは時間軸。一つの政党になるのか、統一会派になるのか。国会で今も共闘して、憲法53条で臨時国会を開く要請を野党が共闘してやっているわけですから、そういうやり方か。いろいろ濃淡がある中でそれぞれご意見がある。ただ、最後は民主党で集約して決めていく、進めていくということになるわけで、いずれにしても皆さんに納得いただけるような形で決着しないといけない。
 現に、私と細野さんが責任者になって維新の党と、維新の党と言っても松野さんのところと、政策協議を進めてきて、ほとんどベクトルは合っている。あとは大阪の市長選挙もあり、それが終了すれば速やかに着地をできるのではないかとも考えております。
 それと来年の参議院選挙で、1人区で野党がバッティングしないようにする。これも連動している話ですので、何とか着地していきたい。知恵を出せば答えは出ると思います。
 ただ、今、るる申し上げましたのは、基本的に全部テクニカルな話で、じゃあ来年の1人区、一本化したら必ず勝てるのか、そういう状況ではないと思います。やはりわが党が野党第1党ですから、中身です。先ほど申し上げたような、格差とか、社会保障とか、多様性とか、安倍内閣・自民党とは違う社会の方向性、あるべき方向性の価値をきちっと打ち出して、そして国民に選択いただけるような力強いメッセージとして出せるかどうか。そして政府を徹底的に追及して、税金の無駄遣いをなくす。この取り組みをどこまで政府ののど元まで迫っていけるかという迫力がまず大前提であって、その後にそういういろいろなテクニカルな話があって初めて生きてくることだと思います。まずは中身を充実していくことだと思います。

【記者】
 今、再編に当たっての方法論・時間軸という話があったが、前原さんや細野さんが唱えている年内の解党・新党結成というこの時間軸は、代表代行はどのように見られるか。岡田克也代表は「看板の掛け替えでは意味がない」と、割と否定的な見方を示しているが、代行の考えを伺いたい。

【代表代行(ながつま昭)】
 そういう話が相当クローズアップされていますが、要は、一番重要なのは民主党が何を、どういう社会を作るのか。これは我々、持っていますが、それを国民の皆さんにきちっと理解いただくというのがまず先決で、その後にいろいろな態勢をどうつくっていくのか、これはいろいろな意見があるでしょうから、意見をぶつけ合って、最後は党として集約していく。その過程にありますので、それがどういうことに着地をするかというのは、我々もいろいろな方のご意見を聞いて、うまくまとめていきたいと思います。
 ただ、やはり政策が重要だと思う。本当に政策を一致して大きな勢力をつくるということをその次には考えないといけない。その時には、どういうような時間軸や中身、あるいは準備段階が必要なのか、こういう順番だと思いますので、そういう筋に従って意見を整理していくということだと思います。

【記者】
 年内に民主党を解党して新党をつくるということについて会合で一致したわけだが、そのことについての代表代行自身の受け止めを伺いたい。

【代表代行(ながつま昭)】
 先ほどの答えと同じなのですが、要はテクニカルな話だと思う。何か、それがあるとすべてバラ色になる、あるいは1人区バッティングしないようにする、これはもちろん重要でありますが、要は中身をきちっと充実していくというのがあって、その後に野党と結集をする時には、やはり政策が一致するというのが前提ですので、そういう物差しを念頭に置いて、いろいろな意見がありますので、それをまとめていく。
 現に今、維新との政策協議は進行中です。これが着地をまだしていないので、22日の(大阪府知事選挙・市長選挙の)投票日が終われば速やかに着地させて、野党結集の方法を決めていくことになると思います。先ほどの物差しです。

【記者】
 その政策に関して、前原さんも、旗をしっかりと掲げてそのもとに集まる、もう一回裸になって出直して集まるべきだと言っているが、そこら辺と、代表代行が言っていることとの違いはあるのか。

【代表代行(ながつま昭)】
 野党が結集するにも、例えば今、松野さんの維新と政策協議をしている。これは選挙の協議よりも先に政策協議したという意図は、まさに政策が同じでなければ国民の皆様から「野合」と、その固まりは瓦解すると、こういう歴史は、この10年、10数年、何度も、嫌というほど経験しております。
 ですから、繰り返しですが、そういう物差しをきちっと確立した上で、あとはいろいろなテクニカルなやり方はあると思いますので、それを皆さんが納得するような形で進めていく。要は、やはりその中身だと思います。外形を変えていっても、ただそれだけであれば、国民の皆様から「なんだ、同じではないか」と見透かされるというのは火を見るより明らかだと思います。

【記者】
 昨日、前原さんは記者団に、解党・新党出直しについては岡田さんに申し入れて話す、最後は岡田執行部の判断になると話された。一方で昨日岡田代表は会見で、執行部というのは代表・代表代行・幹事長・参議院議員会長だ、党の基本的な運営はここで決めるという考えを述べられた。長妻代表代行は、細野政調会長はこういった解党・出直しの党の運営の中には、議論には絡まないという認識か。

【代表代行(ながつま昭)】
 一般的に言えば全議員の議論を妨げるわけではない、あるいは正式に言えば両院議員総会、常任幹事会、役員会とある。そこに出席しているメンバーは当然、そういう問題意識をその正式な会で提起することになると思います。
 私も12日の代表会見の詳細はわかりませんが、「執行部」の定義が、党内に規約があるわけではありませんが、ただ、決まっているのは、役員会、常任幹事会、両院議員総会と、決する手続き・機関は決まっていますので、そういう枠の中で正式な意思決定がなされていくということだと思います。

【記者】
 岡田代表は会見で細野政調会長に若干苦言を呈されたと思うが、前回、共産党との協力をめぐっても、細野政調会長と枝野幸男幹事長と意見が食い違った。こういった党内の路線の違いが顕在化することについて代表代行はどのようにお考えか。

【代表代行(ながつま昭)】
 8者打ち合わせというのをやっている。細野政調会長も私も枝野さんも入り、いろいろな議論はあります。初めからみんな一緒だったら、一言も言葉を交わさないでいいわけで、その中で腹合わせをして意識を合わせていく、その過程ではいろいろ意見はあっても、最終的には着地をしていく。
 共産党にしても、初め連合政府というのですか、それに参加を是とするような雰囲気が外部に報道等で感じられたので、それは「そうではない」と、初めからそうではないと申し上げていると岡田代表も繰り返し言って、意思疎通を図っている。

【記者】
 先ほど、野党の結集には政策の一致が前提だというご指摘があり、加えて維新とも22日のダブル選が終わった後に速やかに協議するということだが、そことの協議が整いましたというのと、先ほどおっしゃった政策の一致が前提だという「政策」のレベルというのは違うものだとお考えか。

【代表代行(ながつま昭)】
 (松野さんの維新の党とは)まずは政策を協議していこうということなので、その政策協議が整った後、選挙協力をするという段階の政策の一致ということだと思っていますので、それ以上に進むということであれば、さらに深い議論が必要になってくるのではないかと思います。

【記者】
 さらに議論が必要となると、年内に話を進めるのはかなりタイトになってくると思うが、その辺のスケジュール感は、可能な話だとお考えか。

【代表代行(ながつま昭)】
 ですから今決めていることは、まず正式に私と細野さんが(政策協議において)実務者になり、そして連携協議会というのが岡田代表と松野代表とか、枝野幹事長とか(維新の党の)今井幹事長であり、政策が決着をすれば選挙の協力を進める、ここまで決まっていますので、それが着地してから、党内でも維新とも話し合って、じゃあその次、どういう段階に進むのかというのはこれからの話だと思います。

【記者】
 政策協議が決着すれば選挙協力を考えて、その先はこれからということだが、その先に解党とか新党結成といったことも可能性としてはあり得るのか。

【代表代行(ながつま昭)】
 それはわかりません。野党結集ということを我々申し上げておりますので、どういう形がいいのか、まず今、与えられているミッションをこなしていくのが先決だと思います。

【記者】
 11日に行われた3者会談は、連携協議会のメンバーである人もいれば、全然絡んでいない人もいる。維新側は江田さんで、民主党は政策協議のほうの細野さんが入っている。松野さんは入っていない。そこら辺のメンツの違いをどのように受け止めているか。

【代表代行(ながつま昭)】
 3者会談という、私もその中身は全く知りませんし、公式なものでもない。我々も非公式に、日々と言ったら極端かもしれませんが、維新の党の方ともお会いをして、広範に議論をしている。一つ一ついろいろな会合が連日ある中で、確かに報道はあるのでしょうが、公式に機関決定する会の延長線上でもない。そこら辺はまた(民主党内の)5者、8者の打ち合わせ、いろいろな会がありますので、知恵を出し合うということだと思います。

○北沢議員に関する報道について

【記者】
 北沢俊美参議院議員の香典の支出問題だが、民主党からもこういった問題が出てしまったことへの受け止めと、政府・与党に対する「政治とカネ」問題の追及にどのような影響があるか伺いたい。

【代表代行(ながつま昭)】
 「こういった問題」と言っても、詳細をまだ承知しておりません。私が聞いておりますのは、産経新聞の政治部から問い合わせがあったので、民主党長野県参議院選挙区第1総支部として真摯にご回答したということを聞いておりますので、その中で、基本的にはまずは総支部で説明をしていただくということになろうかと思います。