日々の活動(旧)

2015年03月18日

2015年3月18日(水) 障害者自立支援などを行うNPOを訪問

本日、ながつま昭、山口県を訪れ、共生社会創造本部の取り組みの一環として、障害者の自立支援や介護、療育支援などを行っているNPO法人を視察し、スタッフと意見交換した。視察には、平岡秀夫元衆院議員が同行しました。柳井市のNPO法人「一粒の麦」は、1992年に「精神障害者生活訓練施設」として福祉センターやボランティアの協力を得て開設。精神障害者・知的障害者を対象として、利用者が自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう、就労の機会を提供するとともに知識能力の向上のために必要な訓練の場所として活動を開始。2004年12月からNPO法人を設立、06年12月には「指定就労継続支援(B型)事業所」として指定されました。同事業所では、ケーキの製造販売や給食作り、資源物リサイクル、野菜作り、お墓の掃除代行サービスなどのサービスを行い、現在19人の利用者が通所し、サービスを受けているそうです。
ながつま昭らは、スタッフから事業所の概要等について説明を受けるとともに、さまざまな状況にある利用者への接し方、高齢化する利用者の将来的な孤立、遠方からの通所に当たって地域ごとにサポート体制が異なるといった課題について話をお聞きしました。
山口市のNPO法人「山口ウッドムーンネットワーク」(事務局長・堅田雅子)は、2001年に設立(前身の親の会「ウッド・ムーン」は1996年に発足)、障害児・者の福祉サービス事業、障害児・者の家庭支援に関する事業、障害児・者に携わるボランティアの育成に関する事業、啓発・広報事業、共生のできるまちづくり事業、男女共同参画を図る事業など幅広く活動。01年、山口市吉敷の旧県消防学校の遊休校舎を利用して始めた、市委託の心身障害児・者デイケア推進事業「わいわいくらぶ」では、身体・知的・精神の3障害を一元化し、放課後や夏休みなど長期休暇の際に外で遊びたくてもなかなか遊べない、心身に障害を持つ子どもたちに居場所を提供し、ともに遊んだり療育をされています。
ながつま昭らは、堅田事務局長から同事業所の取り組みなどについて話を聞くとともに、聴覚や視覚を刺激しそれぞれの好みにあった空間をつくることで心を落ち着かせ、集中力を高めることにもつながるという、「スヌーズレン」を体験、子どもたちと一緒に体操も楽しみました。保育士や言語療法士などの資格を持つというスタッフらとの意見交換では、「人員配置基準や開設時間など毎年のように制度が変わり、県からの説明が年度末ぎりぎりになるために現場は大変だ。すでに作成した翌年度のスケジュールを組み換えなければいけなくなる」「地域ごとに事情は異なるのに、国が一律に基準を定め県の裁量権がないのはおかしいのではないか」「同じ事業内容であるはずなのに社会福祉法人には予算がつく。同等とみなして配分してもらえないものか」など、さまざまな意見が上がった。重症心身障害児の受け入れをめぐっては、今回国から「看護士と訓練士(作業療法士、医学療法士、言語聴覚士のいずれか)、支援員が常時いなければならない」との方針が示されたため、そうした子が来所するときのみ配置していたこれまでの体制が認められなくなるという弊害が生じるそうです。堅田事務局長は「NPOは無駄なくいろいろなところに人員配置するという考え方。(重症心身障害児が来ないときには)家事や好きなことをやってもらいながら仕事を楽しくやってもらえればいいと思うのだが」と嘆かれていました。ながつま昭らは熱心に耳を傾け、政府に対し現場の声を踏まえた政策を求めていくことをお伝えしました。