日々の活動(旧)

2015年03月07日

2015年3月7日(土) 徳島県で生活困窮者自立支援法施行を前に現場の声を聴く

ながつま昭は7日、徳島県を訪れ、阿南市では松崎清治徳島県議会議員(阿南選挙区)主催の「阿南げんき塾」に出席、徳島市では県連大会に出席したほか、党共生社会創造本部の活動の一環として同県労働者福祉協議会の小松善明会長と意見交換をしました。
徳島県労働者福祉協議会の小松会長との意見交換では、生活困窮者自立支援法が4月から施行されることから、そのモデル事業として進めている就労支援や困窮者対策などの取り組みと、活動を通じて見えてきた課題について話をお聞きしました。(意見交換には庄野昌彦徳島県議も参加)
小松会長は、(1)借金や仕事、精神疾患、子どもの不登校や引きこもりなど生活上の困りごとを支援する「パーソナル・サポート・センターとくしま」(2)厚生労働省認定事業で、働くことに悩みを抱えている15〜39歳の若者を対象に就労支援を行う「とくしま地域若者サポートステーション(サポステ)」と「あわサポステ」(3)消費期限が近づき販売できない食品・食材を企業や小売店、個人から寄贈してもらい、必要とされている団体や福祉施設などへ無償で届けるボランティ活動をする「フードバンクとくしま」――の取り組みについて説明。
パーソナル・サポート・センターとくしまは、サポステと連携し子どもの不登校やひきこもりに取り組んでいるのが特徴だという。民主党政権では2012年6月に「若者雇用戦略」を発表、「引きこもり」や高校中退者に対する支援としてアウトリーチ(訪問支援)活動の強化を目指し、2013年度予算の概算要求に、サポステが学校との連携体制を構築し中退者情報の共有を図り、訪問支援等により若者の無業化を未然に防止することや、若年無業者の職業的自立支援促進を行う学校連携推進事業を盛り込んだ。とくしまのサポステでは2013年、委託費が前年度と比べ約3倍となるなか、高校に相談室を設置するなど県内の定時制高校と連携強化し、不登校・中退の予防に寄与していると高い評価を受けたが、自民党政権に交代後の2013年の「秋のレビュー」(外部有識者と各府省が実施する事業の点検)等により地方自治体の事業と重複している部分があるとの理由で7200万円の委託費は半分以下に、また学校連携推進事業の対象者が中退者のみとなったため在校生支援ができなくなったことなどの問題点を指摘しました。加えて、15〜39歳という年齢についても、子どもの貧困や貧困の連鎖が指摘されるなか、対象年齢を拡大する必要性も訴えました。
この懇談について、ながつま昭は記者団に、「非常に参考になった。生活困窮者自立支援法が4月から施行されるが、民主党政権下で立案したものから法律や実態が骨抜きになっている。例えば学習支援困窮者への国からの支援が100%から50%になったり、学校連携推進事業の対象者が中退者のみになるなど、政策の後退により現場が影響を受けているという深刻な話も聞いた。格差是正、若者の能力を発揮させることが日本にとって最も重要な問題の1つであるにもかかわらず、どんどん政策や予算が後退している。とても重要な活動をされているにもかかわらずヒト・モノ・カネの手当てが薄いことを再認識した」などと述べ、今後の国会審議でもこうした問題を取り上げていく考えを示しました。