日々の活動(旧)

2016年03月10日

2016年3月10日(木)代表代行定例記者会見の模様です

■冒頭発言

○東日本大震災から5年に当たって

【代表代行】
 明日3月11日ということで、東日本大震災からちょうど5年ということになります。民主党からも談話を出しますが、改めて被災者の皆様に心より哀悼の意を表するとともに、今なお避難生活を強いられている皆様はじめ全ての被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。
 我々としても、政治の立場で復興を続けていく。本当に皆様お一人お一人にご意見を丹念に聞きながら、復興を力強く続けていく。そして政府の足りない部分を国会等で指摘して後押しをしていくということを積み重ねていきたいと思っております。

○北朝鮮による短距離弾道ミサイルの発射について

【代表代行】
 本日朝5時過ぎ、北朝鮮が日本海に向けてミサイル2発を発射したということで、これはもう明確な安保理決議の違反でありますので、断固とした対応をとっていく必要があると考えております。

○高浜原発の運転差し止め仮処分決定について

【代表代行】
 高浜原発の運転差し止め仮処分決定ということがございました。
 この中で一つ触れられているのが、この避難計画。国が責任を持つ形で避難計画の策定がないということについても、大津地裁の仮処分決定の理由の一つとして述べられておりまして、我々も責任ある避難計画がなければ原発を再稼動すべきではないと考えておりますので、今後の推移を見守っていきたいと思っております。

○新党協議会・綱領(案)を取りまとめ

【代表代行】
 そして、わが党と維新の党との合流ということでありますが、私は「綱領・政策検討チーム」を担当しておりまして、維新と民主の「綱領・政策検討チーム」、そこの最終報告を親会議である新党協議会、両代表・両幹事長で構成される親会議に火曜日に最終報告をいたしまして、親会議からは、じゃあこれで両党党内手続、合意をとる手続に入ってくださいと。こういうことがありまして、わが党としては今日の17時半から両院議員懇談会という形でご意見を聞くと。ご存じのように両院議員懇談会は議決機関ではございませんので、今日何か決めるということではございませんが、皆様からいろいろな意見をお伺いしていくということであります。
 この綱領(案)は、ご覧いただければおわかりになるとおり、一つは「我が党は、『自由、共生、未来への責任』を結党の理念とする」ということで、「私たちの目指すもの」には、1番が「自由と民主主義に立脚した立憲主義を守る」、2が「共生社会をつくる」、3が「未来への責任 改革を先送りしない」ということで、「自由、共生、未来」と記述があるものであります。
 「(この理念の下、)国民に新しい選択肢を示す」と申し上げておりまして、新しく、大きな選択肢として、我々、堂々と理念を語っていきたいと思います。

■質疑

○新党協議会・綱領(案)について

【記者】
 綱領(案)の中で、憲法改正に対する新しい考え方としては、「地域主権改革」などの文言を用いた上で、「未来志向の憲法を構想する」と。「未来志向の憲法」というのは以前の綱領から同じだと思うが、改憲について民主党はどういう姿勢をここで示そうとしているのか、改めて伺いたい。

【代表代行】
 我々としては、両党の綱領チームで議論した思いは、憲法は「不磨の大典」で全くさわってはいけない、という考え方ではありません。両党も憲法については積み上げた議論があるわけでありまして、ある意味では時代の変化に対応した憲法、これについての議論や、当然その中身の、ここでは「構想」と書いてありますが、「構想」というのは全体を見て組み上げていくようなことだと思いますが、そういう議論は大いにやっていくと。
 ただ、その一方で、今回、「私たちの目指すもの」の1番にこの立憲主義が来ておりますのは、綱領は別に今の安倍内閣だけに対応するものではもちろんありませんが、やはりこの間議論してみて、やはり立憲主義の大切さ、これが揺らいだからこそ、我々、今まで当たり前だと思っておりましたが、相当揺らいできたからこそ、立憲主義というのはいついかなる時代でもこれは守らなければいけないということを考えて持ってきたと。つまり権力を抑制する、自制する、縛る、この立憲主義の範囲の中で時代の変化に対応した未来志向の憲法を文字どおり構想するということです。

【記者】
 「立憲」のところで伺いたいが、「自由、共生、未来」というのは、現与党・政権と対立軸がどこにあるのかなという感じもする。立憲ということで、1番目は「自由」とおっしゃるが、基本的に立憲だと。ということは、今の政府・与党は非立憲あるいは反立憲だという対立軸のような綱領になるという理解でよろしいか。

【代表代行】
 これは初めに対立軸を考えて綱領を作ったということではありませんで、我々が目指すべき社会、両党の積み上げもありますし、今の時代背景分析もあります。
 その中で、この「自由」というのは、ここにも書いてありますように、「多様な価値観や生き方、人権が尊重される自由な社会」と。その中には立憲主義――憲法の条文の中にも「自由」という文字が何箇所も出てまいります。「報道の自由」も今脅かされつつあると私は思いますし、憲法に、相当、立憲主義に反した法案が強行に成立されたとも感じておりますので、先ほど申し上げました今の立憲主義の揺らぎというのを強く感じたからこそ、これはもう非常に息の長いというか、永久というか、立憲主義は日本国はずっと守っていくということを書いてあるわけで、結果としては自民党の今の考え方・価値とは違うと私は思います。
 「共生」というのも、これも「誰もが排除されることなく共に支え、支えられる共生社会」ということで、本当に人への投資や所得再分配について、あるいは格差の拡大をどれだけ深刻に考えているのかということについては、真逆に近い開きがあるのではないかと思っております。
 「未来」への責任という意味でも、ある意味では財政の問題、軽減税率で1兆円穴があく、しかも財源を示さないとか、そういうような意味合いからしても、逆にこの三つが今危うくなっているとも感じるわけで、結果としては相当、対立軸になっているのではないかと思っております。

○待機児童問題について

【記者】
 匿名のブログをきっかけに保育制度の充実を求める署名が集まり、昨日、塩崎厚労大臣に手渡された。政府は当初、山尾志桜里議員に冷たい対応を予算委員会の中でしていたが、変化している。この政府の対応の変化について、お考えを伺いたい。

【代表代行】
 総理が「本当に起こっているのか確認しようがない」という趣旨の答弁もされたのではないかと思います。今回、「1億総活躍」ということで、私に言わせれば非常に選挙対策、民主党の論点を消す、(与党が)本来あまり得意でないと言ったら失礼ですが、そういうところを選挙対策的に打ち出されて、そして答弁につまずいている。というか、答弁につまずく以前に、「1億総活躍」が、本気でそれに取り組む覚悟を持った政策なのかと。どんどん底が割れて、底が見えてきているのではないのかということの、一つのものだと思います。
 そして大きな反響を呼んでいるということで、これは特に都市部、当然地方でもそういう問題は大きくある地域もあるのですが、待機児童が非常に多くいらっしゃって、待機児童というのは、待機していなくても、もう諦めている方はその数から除外されてしまうわけでありますので、本当に寄り添うような形でこういう問題に取り組んでいただきたいと思っております。
 山尾議員の仲介で厚労大臣も直接この署名を受け取ったということでありますが、相当な予算をかけて、これはもう待ったなしで取り組んでいく課題であると思っております。1兆円の軽減税率の穴がこういう分野に悪影響を及ばさないように、我々も政府を監視していきたいと思います。

【記者】
 2万7000筆を越す署名が集まったという事実への受け止めが1点。
 もう一つは、昨日の厚労委員会で塩崎厚労大臣は、「山尾議員も安倍総理も同じ方向を向いている」という趣旨のことを発言している。また、「保活の実態調査にも乗り出す」という考えを示された。政権の姿勢と民主党の姿勢がまるで同じ方向を向いているかのような言い方をしているが、代表代行として同じ方向を向いていると考えているか。こういった一連の姿勢についてどう思われるか伺いたい。

【代表代行】
 一言で言うと「苦し紛れ」という答弁だと思います。
 2.7万人。これは短期間で、もう数日でこれほどの署名が集まるというのは、本当にこの問題が深刻であるということでありますので、やはり相当な予算を、ヒト・モノ・カネをかけて取り組む必要がある。こういう声が出てきた背景は、もちろんなかなか入所できないということに加えて、やはり軽減税率などで本来使われるところにお金が使われていないのではないかと、こういうような背景もこれだけの反響を呼んでいる背景の一つにあるのではないかと思いますので、やはり再優先。
 少子化といえば、希望出生率というのも出しているにもかかわらず、こちらがあまり大玉ではないということに対する非常に疑問というのも背景にあるのではないかと思いますので、こういう大きな世論の動きがありますから、一気呵成に物事を進めていくということで我々も後押しというか、方向が逆にならないように厳しく、きちっとした方向に進むようにしていきたいと思います。

【記者】
 待機児童の問題は今始まった話ではなくて、ずっと以前から持ち越されてきた問題がここに来て急にクローズアップされた背景には、やはり安倍総理の答弁の仕方もあったと思う。いわゆる匿名のブログをきっかけに大きな反響を呼ぶという出来事自体が今まであまりなかったと思うが、この答弁を含めて、こういった動きについて長妻さんの意見があれば伺いたい。

【代表代行】
 やはり匿名であれ何であれ、こういう話は政治家であれば本当に身近な声として、身近な方からも含めて、聞こえてくるはずでありますから、匿名だから本当なのかどうか、みたいに受け取られかねないような答弁が相当反感を買ったのではないか。これは政治家であれば、もうそういう声は随所にあるということを把握した上で政治に臨まなければいけないものを、「そんなことも知らないのかな」というような見方をされて、相当反感が募ったというのも背景にあると思います。

【記者】
 「相当な予算をかけて取り組む必要がある」というのは、大体どのぐらいの規模をお考えか。

【代表代行】
 当初、社会保障と税の一体改革で年間7000億円、それにプラス3000億円、ですから足して1兆円を年間増額してきちっと子育て支援に取り組むという議論があったはずであります。やはりこれまで、そういう社会保障に、あの時の約束が次々ほごにされて、やる気が見えないということで相当遅れてしまっているのではないか。急に選挙の直前になって社会保障と言われても、じゃあ今までの遅れは何だったんだと我々も強く申し上げたいわけでありますので、しっかりと進めていただきたいということです。

○普天間基地移設問題について

【記者】
 先週末に普天間基地の辺野古移設をめぐって、代執行の訴訟で国と県の和解が成立したことの受け止めと、移設問題をめぐって民主党としては、今まで岡田代表も、今の政府の強引なやり方は極めて問題だ、そういうやり方は避けるべきと繰り返し表明されているが、この和解を受けてそういった党の立場に変化はあるか伺いたい。

【代表代行】
 これは総理自身もおっしゃっていましたね、「訴訟合戦」、国と沖縄県との。総理自身が当事者なのに、何か人ごとのような言い方でおっしゃっておられましたが。裁判所の和解提案に応じる形とはいえ、我々としてはこれが和解になったことは評価しますが、その後、3日後に沖縄に相談することなく承認取り消しの是正勧告を行うとか、チグハグさは拭えないわけであります。
 これは本当に地方自治体も、日本は地方自治という原則で動いているわけで、そのトップの知事がおっしゃっている、そして政府と方針が違う時に、訴訟をするということでない形で物事を解決していくということを、やはり知恵を絞ってやっていただきたいということで、我々もこれまでの姿勢は変わりません。

○年金積立金の運用について

【記者】
 GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)について伺いたいが、厚生労働省がGPIFの運用で株式の個別銘柄など投資先情報を一定期間後に公表する方針を示している。今回、直接投資については解禁しない方向になっているが、こういうふうに一定期間後に公表することについては歓迎されるかどうかが1点と、逆に長妻さんが大臣時代に、運用していた銘柄等を公表するようなことを検討されていたか。できなければ、なぜできなかったのか、理由をあわせて伺いたい。

【代表代行】
 我々の時は、銘柄を公表する・しないというのは議論の俎上には載っていなかったと記憶しております。
 おそらく、上位20社ですかね、全部ではないと思いますが、政府が公表するというのは、これはやはりいろいろな圧力というか、株を50%、そして「危ない」「大丈夫か」という国民世論に、苦し紛れというか応える――応えてはいないと思うのですが、そのような形で出された。ちゃんと一から積み上げた論理的な政策のもとでの公表ということではないような気がいたします。
 上位20社というのはなぜなのかとか、あるいはその20社に入る・入らないがどういう影響が、その会社の社長さんと政府の関係において――全部は公表しないわけですから、はたして一部だけ公表するということがどんな副作用をもたらすかというのは、我々もこれからきちっとチェックしていきたい。20社に入って、今度20社から抜けると、そこから消えるわけで、そこら辺の社長さん・経営者はどんな思いで政府と距離感を保っていくかとか、考え出せば相当論点があるにもかかわらず、今回、私もいろいろな情報を取っているつもりですが、相当、パッと決まったイメージを持っていますので、苦し紛れの弁解的政策であれば、副作用なども検討する必要があると考えています。

○新党協議会・綱領(案)について

【記者】
 かなり闘いを意識した綱領になるのだろうなと伺った。その上で、結局、綱領は党名と違ってなかなか「エイヤッ」ではできないし、今の政権与党に対する受け皿としての野党の姿も見えないわけで、やはり今回の綱領は、来週会議で決めるけれども、発展形態ではかなり見直すことも前提にするようなものなのか、それともかなりリジットなもので、その枠組みでなければ他のものは入れないという発想に立っているのか。議論の中でどれぐらい煮詰めた綱領ができるのか。細野さんの時は、たぶん半年ぐらいやっていたように私は記憶しているが、そのあたりの煮詰まり感みたいなものを長妻さんはどう理解しているか伺いたい。

【代表代行】
 これ、初めは維新と我々と、交渉みたいな感じで議論が始まりましたが、それからはその後、相当な議論を経て、やはり共同作業のような形になって、それぞれ尊重すべき理念や価値を持っているということをお互いに理解して、これはもう維新とかうちとかではなくて、一体となって相当濃密な議論をして、こういう形になったと考えております。
 確かに前回は、時間もありましたので、相当時間をかけたわけでありますが、時間だけでは綱領の質は計れないと思いますので、我々は一定の評価をいただけるようなものを案として出すことができたのではないかと思っています。

○参議院選挙について

【記者】
 今日午前中に自民党が、参院選で埼玉・神奈川・福岡・愛知・兵庫の5県の選挙区で、公明党の候補に対して月内に推薦を出すと明らかにした。そもそも自民党と公明党は違う考えの政党で、連立政権を組んでいるとはいえ考えは違う上に、当該選挙区では自民党も候補者を立てている中で、有権者に対してちゃんとした選択肢を示せていない感じがする。このことに対しての見解と、当該選挙区で民主党も候補者を立てているが、その全体の選挙区に対する影響はどんなふうにお考えか。

【代表代行】
 他党のいろいろな選挙戦略でありましょうから、最終的にはそれを国民の皆さんがどう評価するかに尽きると思います。我々も、理念を同じくすれば、他党の方を推薦することもないわけではありませんので、これはもう有権者が本当に腹に落ちて、整合性を取ってそういうことがなされたのかどうかというのは、これは投票の結果に反映されるべきものであると思っています。
 影響については、これは私もにわかにわかりません。与党が強くなるのか、与党の票がむしろ無党派というか他の党に流れるのか。両方の要素があると思いますので、トータルで与党にとってプラスか、逆に言うと野党にとってプラスかマイナスかというのは、ちょっとにわかにはわからないということです。