日々の活動(旧)

2016年03月16日

2016年3月16日(水)【東京】「共生社会創造フォーラムin東京」を開催

 民主党は16日、「共生社会創造フォーラムin東京」を東京都内の会場で開いた。2月初旬から全国11ブロックを巡回し、地域別としては最後のフォーラムとなった。長妻昭代表代行は報告の中で、「来週には共生社会創造本部の最終取りまとめを行いたい」と明らかにした。

 パネルディスカッションでは、赤石千衣子さん(NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長)、小河光治さん(子どもの貧困対策センター「あすのば」代表理事)、阿部彩さん(首都大学東京教授)がパネリストとして登壇し、山井和則衆院議員がコーディネーターを務めた。

 「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」(東京都千代田区)は、シングルマザー(ファザー)が子どもと一緒に楽しく生きられるよう勇気づけ、社会で活躍できる支援を行っている。赤石理事長は、「シングルマザーは収入が少なく、また長時間働かざるを得ないので時間も足りない。働き過ぎで健康状態もよくない。社会的孤立に陥り、相談できる所もない」と現状を説明し、「私たちは、そういういう人たちの相談を受けている」と述べた。そして、「まず女性の賃金が低く、その上に非正規雇用が進んでしまった」と、性別の格差、正規・非正規の格差が二重になっている点を指摘した。さらに、労働面の改善がすぐできなくとも、児童扶養手当の充実や、最低賃金の増額、厚生年金の適用拡大などを実現したいと述べ、「シングルマザーの収入がなぜ少ないのか、そこには日本が今日まで放置して来た問題点が凝縮している」と訴えた。

 「あすのば」(東京都港区)は、子どもの貧困について(1)調査・研究と政策提言(2)支援団体への中間支援(3)子どもたちの自立のための直接支援――などを行っている。小河代表理事は「民主党政権になって子どもの貧困率が公開され、その貧困率の高さに驚き、子どもの貧困対策法ができた。当事者の子どもたちの声で、法律ができた」と明らかにした。また、子どもの進学について高校生を対象に調査をした結果、経済的理由で進学をあきらめる高校生が少なくないという。そして、「今、奨学金の多くが有利子であり、それをそのままにしておいて給付型の奨学金を創設しても意味がない。勉強のできる子は無利子の奨学金、勉強のできない子は有利子という現状の下で、給付型の奨学金が創設されれば、スーパーエリートが給付型の奨学金の対象となり、三重構造になるだけ」と指摘した。

 阿部教授は、民主党の提案について「格差の縮小を初めて一番前に出して来た、非常にたのもしい。格差は成長を鈍化させるという、明確な問題意識があることも高く評価したい。格差が、社会政策を前に進めることを阻んでいる。日本は、大きな格差社会であり、それをきちんと認識することが必要だ。その上で、格差を縮小させなければ行けない。まず勤労収入の格差の是正が必要。同一価値労働・同一賃金、最低賃金の増額、長時間動労の抑制、そして年金格差の縮小などの問題をも真正面から解決してほしい」と求めた。