日々の活動(旧)

2016年04月09日

2016年4月9日(土)【北海道】「安倍政権下で進む戦前回帰のような流れを止める」

 長妻昭代表代行は9日、北海道を訪れ、石狩市や江別市内各所で街頭演説会を開くとともに、江別市にある介護老人保健施設「はるにれ」を視察。介護の現場が抱える問題等について介護職員から話を聞いた。北海道衆院5区補欠選挙で民進党が推薦するフリー・ソーシャルワーカーの池田まきさんも同行した。

 街頭演説会でマイクを握った長妻代表代行は、現在の政治の流れを何とかしなければならないという強い危機感をもって民進党を結党したと表明。12日に告示される衆院補欠選挙については「安倍政権下で進む戦前に戻すかのような政治の流れを変える大切な戦いになる」とその意義を強調した。

 日本の現状について長妻代行は、「言論の自由を脅かすような動きが強くなっている」として、テレビから政府批判をするキャスターが消える流れに懸念を示し、「批判を忘れた国は大きな過ちを犯す、歴史の教訓だ」と指摘。自民党の憲法草案には言論の自由が脅かされる文案が垣間見えることにも危機感を示した。安倍自公政権が大きく変えようとしている道徳教育にも着目。愛国心、道徳を成績評価の対象とする動きは、「国を批判するのは良くない」という認識を子どもたちに植え付けることにつながっていくと問題視した。

 「憲法を軽んじる安倍政権の動きにストップをかけなければならない。そうした動きに歯止めをかけるのは、福祉の現場で憲法に明示された個人の尊厳を重視し、生きにくさを感じている多くの人をサポートしてきた福祉のプロの池田まきさんのような人材だ」「このよどんだ風を新しい風に変え、社会の動きを反転させ、憲法を守り、格差を是正させる、今の政治の流れを変えていくうえで欠かせない、重要な人材だ」と評した。

 池田さんは日本の現状について「後戻りできない、大きな分岐点に差しかかっている」として、安倍自公政権の政策を「どれをとっても危うい方向へ突き進もうとするものだ」と批判。国民への十分な説明もないままに安倍自公政権の強行採決によって成立させた、集団的自衛権の行使を可能とした安全保障法制はその最たるものだとの認識を示し、廃止を求めていくことが不可欠だと語った。

 また、安倍自公政権が進める、中央が自治体の施策を判断するような地方創生では地域を元気にすることにはつながらないと指摘。地域それぞれが持つ独自の可能性を伸ばす、文字通り地方分権こそが地域の豊かさにつながるもので、安倍自公政権の地方創生はそれに逆行していると批判。「人が、地域が元気になる、地域の可能性をこそ政治は大事にすべき」だと訴えた。

 子どもたちの未来にも政治は責任を持たなければならないと表明し、「戦前に戻るかのような、個人を尊重しない安倍政権を止めなければいけない」「安倍政権にずたずたにされた、非正規雇用者が増え、賃金が上がらない、社会保障もないといった若者の雇用環境を改善していかなければならない」と力を込めた。暮らしへの不安、政治に対する絶望など、市民の声を受け止めて、分岐点に立つ日本で、平和の道に進むこと、安心の社会を築くことに尽力していきたいと池田さんは語った。

 介護老人保健施設「はるにれ」の荒屋事務局長は、視察に訪れた長妻代表代行や池田さんに、自公政権が進めた介護報酬の引き下げが経営に厳しい影響をもたらしているとし、10%への消費税増税を見送ったとき社会保障制度はどうなるか不安だと指摘した。社会保障費を拡充させるために民主党政権下で自公も合意して消費税増税を決定したはすが、安倍自公政権下ではその社会保障費を削って、参院選対策とも見て取れるばらまき予算に充てていることの影響が垣間見えた。

 介護人材不足の深刻化について同事務局長は、「高齢化が進むなか、人が確保できなければ施設を建てても運営できないところが出てくる」と懸念を示した。介護職員のリーダーをつとめる女性は、処遇改善によって「介護の現場で働こうという後輩が増えていってほしい」と話した。

 長妻代表代行は、民進党が介護職員の処遇改善法案を提出していることを報告するとともに、政府に対して処遇改善に取り組むようさらに積極的に働きかけていくと表明。池田さんは福祉の現場に寄り添ってきた経験も踏まえ、個人個人の思いや尊厳を尊重した対応には十分な人材がなければならないとして、効率優先ではなく丁寧な対応のためにも介護士の処遇改善が重要だと語った。