写真日記

2021年01月29日

衆議院本会議で党を代表して質問

 本日、ながつま昭は、衆議院本会議で、新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案について、党を代表し趣旨説明質疑をしました。
 内容は以下のとおりです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 立憲民主党の長妻昭です。私は、立憲民主党・無所属を代表し、議題となる本法案について質問いたします。

 感染でお亡くなりになった方に心よりお悔みを申し上げ、感染された方にはお見舞いをもうしあげます。

 今、日本は国家の危機にあります。今の大目標は「コロナ感染を抑え込み、医療崩壊、生活崩壊を食い止める」ことにあります。

 この間、私は、コロナ診療の最前線の病院、クラスターが発生した認知症グループホーム、保健所をはじめとする現場に参りました。涙ながらにお話しする職員もおられ、本当に現場は地獄です。
 この危機感が政治の場に届いていない、こんないらだちが現場に満ち溢れています。

 菅総理は、そっけない答弁が目立ちますが、今回は、思いのこもった、国民の皆様の胸に届く答弁をお願いします。国民の皆様の共感失くしては、コロナ危機を乗り切ることはできないからです。

 まず、命にかかわる質問を致します。
 コロナ感染で自宅療養をされている方が救急車を呼ぶ場合、いろいろな説明を受けており、混乱しています。命を落とされる方がいないように、この機会に、どのような場合は119番に連絡して救急車を呼ぶのか、明確に分かりやすく教えてください。

 そして、菅総理に厳重抗議をします。
 私たち野党は特措法改正案を昨年12月2日に国会に提出いたしました。その後、政府与党はこともあろうか、国会を延長せずに閉じ、今月18日までの長い冬休みに入ってしまいました。
 この空白の一か月半を生んでしまったことに対する真摯な反省と明確な謝罪を求めます

 この空白の一か月半の間には、3つの遅れ、すなわち、「特措法審議の遅れ」、「緊急事態宣言の遅れ」、「GOTOトラベル停止の遅れ」、が生じました。遅れてしまった、という真摯な反省は総理には全くないのでしょうか、お聞かせください。

 「菅よしひでの戦略的人生相談」という本の中で、菅総理は、「人生相談から人々の声を読み取っている 政治によって解決できる悩みや、政治がもう少し行き届けばやりやすくなるのに、といった声をいかに吸い上げられるかが政治家の力量です。」と言っています。しかし、今、総理が国民の声を吸い上げているか、はなはだ疑問です。
 それどころか、政府の後手後手によって、国民の皆様の悩みは深まっているのではないでしょうか。 
 総理はどうお答えになりますか。

 なによりこれまでの反省がなければ、今後の対策も的外れになってしまいます。
 これまでのコロナ対策において菅総理が反省点としていることは、いくつか、あると思いますが、具体的にお教えください。
 
 本法案で国民に義務を強いるのであれば菅内閣もやるべきことをやってほしい、という思いを持つのは私だけではないはずです。

 まず、的確な対策のためには的確な実態把握です。
 入院していれば助かった命が、入院できなかったことで命が失われた、このような事例は政府は何件把握していますか。
 全数を把握していなければ、数十人単位なのか、数百人単位なのか、数千人単位なのか、どの程度の規模の人数なのか教えてください。

 また、助かる命が失われている現実に対して、国のトップとしてどのような感想や責任をお感じになっていますか、また、この現状を打開するための対策はありますか、お教え願います。

 感染症法には歴史的経緯があります。本法案の運用にあたっては、感染症法の前文「過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対する、いわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。」との規定を今一度、重く受け止めるよう強く求めます。総理の見解をわかりやすくおしえてください。

 本法案にある入院措置に応じない場合の刑事罰は、与野党合意で削除されることとなりました。しかし、そもそも、現行の感染症法19条で、コロナ患者さんにも入院措置ができるとの即時強制の規定があり、刑事罰は必要ないのです。刑事罰を持ち出したこと自体に政府与党の見識を疑います。

 もともと政府は入院措置に応じないケースに刑事罰で対応するとしていましたが、コロナ患者さんで応じなかったケースは1例でも把握しているのですか?
 また、今回のコロナ感染の中で、入院措置を発動したケースがあればお教えください。また、発動していない理由についてもお教えください。

 一昨日、我々が求めていた1月15日開催の本感染症法改正を議論する「厚生科学審議会感染症部会」議事録がこっそりと厚労省HPにアップされました。政府はこれまで   「刑事罰には概ね賛成だった」と説明していましたが、驚く事に実際にはほとんどの専門家委員が刑事罰導入に反対ないしは慎重意見だったのです。総理はこの事実をご存じでしたか。 

 昨日、私は、出席した中心メンバーからお話をききましたが、当日の議論は、実効性を高めることの必要性は共有したが刑事罰までを是認するということではなかった、ということです。

 また、会議最終盤、厚労省担当課長が「罰則を設けるかどうかということについては、国会に先生方からいただいたご意見をしっかり伝える」との主旨の発言がありましたが、国会には全く伝えられておりません。立法府に対する情報の隠ぺいとも言える行為に関し、何故この様な事が起きたのか、解明して頂けないでしょうか。答弁を求めます。 

 次に、感染症法改正案では医療関係者に必要な協力を求め、正当な理由なく応じなかった時は、勧告・公表ができる、とあります。
 しかし、医療機関への支援が不十分なままでは、必要な協力などできるはずがありません。

 私たちは政府に、医療崩壊の拡大を防ぐための提案を具体的にしています。
財政全面保障とともに国が関与を強めるべき3つの調整、
 「医療資源偏在調整」、「役割分担調整」、「広域入院調整」を国会で具体的に提案しました。
 例えば、万が一、医療機関でクラスターが起こった時に、経営危機に直面しないように、減収分全額を保証する、つまりクラスター減収保証に関して、菅総理は先の1月25日の衆議院予算委員会で「政府が保証したい」と答弁しました。この答弁は嘘ではありませんね。念のために再度確認します。

 立憲民主党は、「コロナ診療を受け入れるためのコストと、受け入れに伴う減収に関して、全額補填を明確にし、事前に包括払い」を掲げています。政府は受け入れていただけますか?

 これ以外、医療機関に必要な協力をしてもらうため、勧告を出す前に国が実行する支援策について全体像を教えてください。
また、立憲民主党は、医療・介護・福祉・保育に従事する方や教員など、エッセンシャルワーカーで希望する方を対象に月2回の定期検査を公費で行う、ことを政策として掲げています。政府は受け入れていただけますか、お答えください。

 飲食店など事業者への時短要請などに応じない際の行政罰についてお尋ねします。やはり、経済的補償が十分でないと要請に応じることは困難です。
 事業者に一律の支援ではなく、最低限、事業規模に応じた補償が必要と考えますが、見解を問います。答弁の際は、緊急事態宣言下の補償、と蔓延防止措置下の補償に違いがあるのかどうか、についても明確に答弁願います。

 私は、コロナ感染で不安を抱えている自宅療養の方とも電話で意見交換して参りました。本法案でも自宅療養が位置づけられましたが、まず、必要なのは医療的、物的支援です。

 地域によって偏りがあるオンライン診療、パルスオキシメーターの貸し出し、食料の配達、看護師さんの巡回、などを国が強力に支援して地域格差を是正して、容体をモニタリングする体制を確立すべきと考えますが、見解を求めます。

 本法案にある「蔓延防止等重点措置」の公示については、国会の関与が必要と考えますが、見解を求めます。またこの措置が一定の期間内に何度も、繰り替えし発動されたり解除されたり、するなど恣意的な運用とならないための仕組みがあればお教えください。

 本法案に、与野党協議を受けて、差別の防止に係る国及び地方公共団体の責務規定が、入ったことは評価できますが、具体策が不明確です。具体的な考えうる対策としてどのようなものがあるが列挙してください。

 ワクチンについてお尋ねします。昨年7月に厚労省は、ファイザー社と今年6月末までに約6000万人分のワクチン供給に基本合意したと発表しました。しかし、今年1月20日、田村厚労大臣は、ファイザーから年内に約7200万人分のワクチン供給をうけると「正式に契約」したと発表しました。

 事実上、6月末6000万人のワクチン供給が反故にされた形となりました。原因はどこにあるのですか。また、その反省点があれば、教えてください。また、なぜ、昨年7月の時点で基本合意でとどめるのではなく、正式に契約をしなかったのでしょうか。
 いま、何月までに、何人分ワクチンの供給を確実に日本は受けるといえるのでしょうか。確実な期日と数量をお教えください。

 参議院予算委員会で、我が党の石橋議員が、コロナ感染拡大によって生活に苦しむ方々への対応を質問した際に、菅総理は「いろんな見方がある、対応策もある、政府には最終的には生活保護という仕組みも。しっかりセーフティーネットを作っていくことが大事だ」と答弁しました。この文脈で、しかも総理大臣という立場の人が、生活保護をこのように語ることの危うさを感じます。

 国のトップが最後は生活保護がある、としてしまっては、国の社会保障・雇用政策は不要となってしまいます。菅総理はコロナ危機にあっても公助を狭く小さくとらえすぎているのではないでしょうか。

 それでは逆に国民が疲弊し国の活力は失われてしまいます。菅総理が考える、コロナ危機下の公助とは具体的に何なのか、さらに充実させなければならない公助は具体的に何なのか、教えてください。

 多くの国民は十分すぎるほど自助努力をしています。もう限界に達しています。
いまこそ、「暖かい政治」が必要です。

 今、日本には総理大臣は菅よしひで、一人しかいません。菅総理、しっかりしてください。そしてがんばってください。終わります。