写真日記

2025年03月22日

真っ先に手をつけるべき医療費削減はここだ!〜末期がん患者の自己負担を増やす前に〜

・長妻委員 質問でありますけれども、抗菌薬の問題ですね。伊勢志摩サミットでも大きな議題になりましたし、今、国連総会でも大きな議題になっております。抗菌薬を使い過ぎてはならない。特に日本が大丈夫なのかと言われておりますが、まず大臣の見解をお伺いしますが、抗菌薬を風邪の患者さんに出すということは適正なんでしようか。
•福岡国務大臣 風邪、一般的に上気道炎のものの多くはウイルス由来のものでありまして、当然、中には細菌由来のものもあります。ウイルスにはいわゆる抗菌薬というのは余り適しないと言われていることから、そういったことも踏まえた対応が必要だというふうに認識しています。
•長妻委員 九ページ、厚労省の資料ですけれども、

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感冒に抗菌薬投与を行わないことを推奨

感冒に対しては抗菌薬投与を行わないことを推奨するということなんですね。
にもかかわらず、十ーページを見ていただきますと、

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抗菌薬使用を2020年から一五%減らす目標

政府が、抗菌薬の使用を、国連の議論も受けて、二〇二〇年から一五%減らす、こういう目標を立てたんですが、現実は、十二ページ目の資料ですが、

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抗菌薬使用が政府目標に反して増加した

約二割増えちゃっているんですよ、約二割増えちゃっている。これは深刻なんですね。医療費の無駄遣いにもつながりますし、抗菌薬をウイルスに効かないのにどんどん投与すると、耐性菌ができて、むしろ体に害がある。
こういうようなことが、厚労省が立てた計画、一五%減が、逆に約二割増になっているんですよ、今。これは本当にゆゆしき問題。高額療養を削るんだったら、こっちの方を削ってくださいよ。体に害ですから。無駄以上に、体に害ですから。
十六ページを見ていただきますと、実際に、これはちょっと私もびっくりしましたが、具体的にどれだけ害があるのか、

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耐性菌の弊害

耐性菌ができたらば、それが厚労省の資料に出ておりますが、三・四倍とか、死亡率三・七倍とか、入院日数とか、ここら辺をちょっと簡単に説明いただけますか。
•福岡国務大臣済みません。手元に資料がございませんで、委員がお配りいただいたこの資料、厚労省の研究班で行った診断群分類データを用いた試算によりますと、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症症例の入院費用は、非メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症症例に対して約三・四倍、在院日数は約三・〇倍、死亡率は約三・七倍であったというようなことが記載してございます。
〇長妻委員 時と場合によってはこういう、だから国連でも問題になっているんですね。サミットでですよ、サミットで主要議題になっているんですから。これは日本が非常に遅れているということでございまして。
興味深い研究が十五ページにございました。

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抗菌薬投与の実態調査

これが東京大学の大学院の医学系研究科の青山先生らが研究したんですが、どういうところが抗菌薬が必要がないのに風邪の患者さんに出しているのかというと、ちょっと三つのファクターが出てまいりまして、高齢の院長の診療所、つまり、昔の知識だと、何か念のため出した方がいいみたいな話もあったやに聞いております、それ以外の原因もあるかもしれませんし。患者数が多い診療所。
そして単独診療の診療所とか。
あと、働く現役世代の患者の方に多いんですね、投与が。つまり、現役の方は、早く、もうあしたから仕事をしたいので、早く治してくれ、抗菌薬をくれ、抗生物質をくれと患者さんからも言われるらしいんです。これは、ちゃんとお医者さんが言わなきゃ駄目なんですよ。いや、それは余り意味がないですよというようなことを言わなきゃいけない。
+ページ目を見ていただきますと、これは厚生労働省の回答でありますが、

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感冒の約九割はウイルスと報告

感冒の約九割はウイルスであるというふうにここに書いてありまして、ですから、九割、ほとんどが抗菌薬が余り意味がないということだと思います。
これは、最後に、厚労大臣に是非御決断をいただきたいんですが、私は、恐らく四つぐらい対策があるんじゃないかと。今のままだと駄目です。

一つは、使用量が多い医療機関に警告を発する。
使用量が多い医療機関、診療所があるんですよ。
そこに警告を発するということ。

二つ目には、ビラを患者さんに渡す。風邪を引いた方で、薬が欲しいと言われる方などに。ビラを渡したら、お医者さんに少し報酬をつけて。デメリットをそこに書く、耐性菌ができたら死亡率が上がりますよ、大変なことになるんですよ、可能性もあるんです、不用意に飲むと。

そして三番目は、使用のガイドラインをかなり厳密に、こういうこと以外は使わないでくださいというのを周知して、きちっと厚労省が公表する。

そして、最後の手段としては、これは検討事項ですけれども、保険適用を見直していく。そういう普通の風邪でばんばん抗生物質、抗菌剤を出す場合の保険適用を見直す等々で医療費も削減をすると同時に、国民の健康を守るということが必要だと思います。

いろいろな先生が削減効果を数百億円というような試算も出しておりますが、政府に聞いても、ちょっと削減効果の金額は出てまいりませんけれども、まずこういうようなところから、高額療養制度に真っ先に手をつけるのではなくて、体に害があって医療の無駄遣いのところをどんどん潰していく。
これは、私は、背後に大きな利権があるんじゃないかと疑っているんです。もうずっと前から言われているのに、なかなかこれが改善できない。
医療費は、言うまでもなく、五十兆円近いお金が毎年毎年右から左に動く日本最大の利権の分野に今やなっているんですね。ですから、本当に一つ一つ見ると、すさまじいいろいろな既得権益がありますので、こういうところにきちっと切り込んでいただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問といたします。よろしくお願いします。(2025年03月12日衆議院厚生労働委員会質疑)