国会質疑

2015年01月30日

【衆院予算委】「格差拡大は経済成長の足を引っ張る」格差是正を訴える

 本日、衆院予算委員会において、平成26年度補正予算に関する基本的質疑が行わ
れ、民主党の1番手として、ながつま昭が質問に立ちました。
 ながつま昭は(1)格差・貧困問題(2)戦後70年談話(3)年金積立金の株式での運用を倍額にしたことによるリスク――について、安倍総理や関係大臣の見解をただしました。

 格差・貧困問題では特に、「格差の拡大は経済成長の足を引っ張っていく」として格差の是正が重要だとあらためて強調。2014年12月にOECD(経済協力開発機構)が出した所得格差と経済成長に関する報告書にある「富裕層と貧困層の格差は、いまOECD諸国の大半で過去30年間で最も大きくなっている」「こうした所得格差の拡大は経済成長を大幅に抑制している」「格差の経済成長に対するマイナスの影響は、最下位の貧困層だけでなく、下位の40%の所得層にも見られる」――といったポイントを確認したうえで、「日本は特に税の所得再分配機能が非常に弱くなっている。今後日本は税の所得・資産再分配機能をさらに強めていくべきだ」と主張しました。
 これに対し安倍晋三総理は「成長の果実がどのように分配されるかが大切であり、成長せずに分配だけを考えていけば、じり貧になっていく」と答弁。長妻代表代行は「成長がなければ始まらないということではない。成長か分配かどちらか一方の二者択一ではなく、適切な分配なければ持続的な成長ができない」と反論しました。

 また、ながつま昭は、子どもの相対的貧困率が16.3%とOECD諸国中4番目に悪いことや生活保護を受けている子どものうち4人に1人が大人になっても生活保護から抜けられない状況である「貧困の連鎖」、家庭の経済状況により生じている進学格差、家庭の年収と子どもの学力との比例、1人親世帯の貧困率がOECD諸国で最下位であることにも言及し、「貧困の連鎖を防ぐため低所得者層に対し所得再分配政策に目配りをする必要がある」と述べました。
 そして、政府が昨年取りまとめた子どの貧困対策に関する大綱には子どもの貧困率の数値目標が盛り込まれていなかったとして、「数値目標がないと不十分になる。ヨーロッパでは貧困率の削減目標を数字で出している。日本はあまりにも格差対策が弱い。GDPの比率で先進国を調べると公共事業は1位、子育て支援、教育予算は先進国最低レベルがいまも続いている。大学進学率も現在では5割、所得が400万円以下の世帯は3割と意欲と能力があってもお金がないといけないという傾向が強くなっている。若者の能力を活かさずに何が成長なのか」と訴え、給付型奨学金の創設をはじめとする格差対策を強力に推し進めるよう求めました。

 戦後70年談話については、「歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいく」とする安倍総理に対し、戦後50年の村山談話にある「国策を誤り」という記述を取り上げ、「国策を誤ったという認識はあるか」と質問。安倍総理は、「一つひとつの字句について論評するつもりはない」と答弁を避け、「全体として引き継いでいる」を繰り返すにとどまった。長妻代表代行は、「わが国のこれからを決める大切な談話。国民的な議論のなかで意見を聞いたうえでつくるべきだ」と主張しました。

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