日々の活動(旧)

2012年12月01日

【政策道場】経済政策・景気対策 地域で「働く場」をつくる成長戦略

〜2020年までに、400万人以上の「働く場」を作る〜

民主党政権の経済政策の実績

 経済とは、「経世済民」の略称であることはよく知られています。「経世済民」とは、「世を治め民を救う」という意味です。
 民主党の経済政策は、正に「経世済民」を実現するための政策です。
 民主党政権の3年間に、失業率は5.4%から4.2%に下がりました。有効求人倍率も0.45倍から0.84倍に上がりました。
 また、中小企業の倒産件数も7736件から6051件に下がりました。
 民主党政権が発足した時は、リーマン・ショックの直後の非常に困難な時期でした。3年間の間には、東日本大震災や欧州の経済危機もありました。
 3年間で経済状況が劇的に改善したとは思っていませんが、民主党が、3年間、困難な課題から逃げず、現実的な政策を一歩ずつ進めてきたことの効果が出始めています。
例えば、民主党政権の3年間で、医療・介護の分野で働く人が約85万人増えました。
 ながつま昭が厚生労働大臣時代に手がけた、診療報酬プラス改定などを通じて、病院の経営が好転したことや、生活保護の手前の新しいセーフティネット「求職者支援制度」なども効果を発揮しはじめています。
 民主党は、経済政策においても、一歩一歩、責任ある改革を前に進めていきます。

「働く場」をつくる民主党の経済政策

 民主党の経済政策の中心は、「働く場」をつくる経済政策です。新産業の育成と雇用の想像が柱です。
下に経済政策の各項目を掲載しています。
 太陽光、風力などの再生可能エネルギー、医療・介護、農林水産業など、地域の仕事に結びつきやすい分野で新産業の発展を強力に後押しして、「働く場」をつくります。
 例えば、医療・介護の場で働く人を増やします。再生医療や介護ロボットの活用など医療・介護分野で280万人以上の「働く場」をつくっていきます。
 すべての政策を動員し、2020年までに400万人以上の「働く場」をつくります。

格差是正や自立を後押しする社会保障の整備は経済成長の基盤を作る

 機械的な計算で、今後、精緻化していく必要がありますが、内閣府の協力を得て実施した試算として、仮に、最も所得の高い世帯グループの所得5%を、それ以外の世帯グループに均等配分し、そのお金を、それぞれの世帯が手取り収入に占める消費支出比率と同額を消費に使うとすれば、消費が2兆3440億円増加するとの試算結果があります。

民主党は、格差是正策として、

○年金格差是正(国民年金と厚生年金)

低年金・低所得の年金受給者700万人の受給額を上乗せ決定(年間最大約6万円、消費税アップ時実施)

○親の年収による子どもの学歴格差是正

高校の授業料無償化実現 高校中退が半減

○中学生への手当 0円から1万円

これまで支給が無かった中学生にも手当月額1万円支給

○非正規格差是正
新たに200万人の非正規雇用者が失業保険に加入実現

○ひとり親家庭の格差是正

児童扶養手当を父子家庭にも適用
生活保護の母子加算復活

といった政策を実現してきました。

 最低賃金の撤廃といった新自由主義的な経済政策は、格差を拡大し、社会を壊してしまう懸念があります。
 また、日本の財政を考えると大規模な公共事業をする余裕はありません。
 インフレターゲットを導入するという意見もありますが、ハイパーインフレ下でのインフレ抑制策としてのインフレターゲットは世界でも例がありますが、デフレ化でのインフレターゲットの成功例については、疑問が多く、議論があるところです。
 経済政策についても、魔法の処方箋があるわけではありません。
着実に「働く場」を作りながら、中長期的な取り組みとして、格差是正が消費拡大・景気回復につながるとの考えのもと、分厚い中間層をつくる経済政策を進めてまいります。

民主党の経済政策(各論)

※マニフェスト(各論)より経済政策関連部分を抜粋

<「1.共に生きる社会」より抜粋>

3.働くことを軸とする安心社会を実現する

○経済政策の最大の目的が雇用の維持・拡大であることを明確にし、グリーン(環境・エネルギー分野)、ライフ(医療・介護分野)などの成長分野での産業育成をすすめ、2020年までに400万人以上の新規雇用を生み出す。
○公平・公正なワークルールのもと、雇用の安定を図り、世帯の可処分所得の向上をめざす。雇用のあるべき原則などを定める基本法の整備に取り組む。
○若者が夢と希望をもって働ける社会を実現するため、新卒世代を中心に、学校における職業教育やカウンセラーによる進路指導、ハローワークでの職業相談など就労支援をさらに拡充し、若年者雇用を促進する。
○やりがいのある仕事に就けるよう、能力開発の充実や均等・均衡処遇の確保など非正規雇用にかかわる問題に引き続き取り組む。
○障がい者雇用を広げる。高齢者が体力に応じて働ける環境を作る。
○結婚、出産後の女性の就業の継続・復帰を支援する。男性も女性も「ワークライフバランス」(仕事と生活の調和)が可能な環境を整備する。
○チャレンジする女性を応援する。女性の人生のさまざまな場面での選択を広げ、家庭で、社会で、女性の力が発揮され、社会進出がすすむよう後押しする。女性の活躍機会を拡大し、あらゆる分野でより一層の男女共同参画社会の実現を図る。
○政労使の合意を踏まえ、最低賃金について早期の引き上げを図る。引き上げに際して、中小企業への支援を行う。
○働く人が安全・健康に働ける職場環境を確保する。病気で休業、休職しても職場復帰し、生き生きと働き続けられるための支援策をすすめる。

10.税財政の規律を守る

○民主党政権が制定した「租特透明化法」による検証にもとづき、効果が不明なもの、役割を終えた租税特別措置などは廃止し、真に必要なものは恒久措置へ切り替える。
○2013年度の税制改正で税制の所得再分配機能などを高める方向で、所得税・相続税の改正を行う。
○共働き世帯の増加など社会の構造変化に対応し、男女共同参画社会に資する中立的な税制の実現に取り組む。
○将来世代に負担のツケを回さないよう、2015年度にプライマリーバランスの赤字を半減し(2010年度比)、2020年度までに黒字化する。

<「2.新しい競争力は、人と地域」より抜粋>

1.グリーンエネルギー革命をすすめ、新産業と雇用を生み出す

○大規模集中型のエネルギー提供体制から、地産地消の分散型エネルギー社会への転換をすすめ、電源供給の安全性、多様性を高めるとともに、これを新たな産業の創出、地域の活力再生へ繋げる。
○グリーン(環境・エネルギー分野)を我が国の主要な産業へと育成し、海外の巨大市場の需要を取り込む。これによって再エネ・省エネ産業における雇用を拡大する。
○住宅の省エネ化をすすめるため、新築住宅の省エネ化・省エネリフォームの推進、木材住宅の普及などを図る。

2.医療・介護分野の研究開発体制を強化し、成長産業に育成する

○世界に先駆けて本格的な再生医療を実現するため、iPS細胞などの研究に対して集中的な支援を行う。がん、難病、肝炎などの治療に関する優れた研究成果を実用化につなげるため「創薬支援ネットワーク」を構築する。
○研究開発型の独立行政法人について、世界の第一線で競う研究開発の特性に応じ、研究開発成果を最大化するための制度構築・運用改善を行う。
○医療機器の審査の迅速化・合理化を図るため、薬事法の改正を早期に行う。先端医療を推進するため、大学病院、企業、研究開発機関を新たな特区(機関特区)に指定し、規制の特例措置などの支援を行う。
○介護ロボット、生活支援ロボットの開発・普及を通じ、新しいヘルスケア産業、ものづくり産業を創出する。

3.農林漁業を6次産業へ転換し、2015年度までに3兆円産業に育成する

○農林水産物の付加価値を高め、農業者などの所得の向上を図るため、農林漁業成長産業化支援機構法にもとづく地域ファンドから、6次産業化に取り組む事業者への出資と経営支援を推進する。
○現在予算事業として行われている農家への戸別所得補償を法律にもとづく安定した制度とすることで、食料自給率50%をめざす。
○農地・農村・農業の今後の方向性を示す「人・農地プラン」を2013年度までに作成し、これにもとづく新規就農者への給付金の給付、地域の中心となる事業者への農地集積を行うことで、就農促進と生産性の向上を図る。
○安全・安心な農産物・食品の提供体制を確立するため、食品トレーサビリティの促進、原料原産地表示拡大、食品表示の一元化をすすめる。
○2020年度までに「木材自給率50%」「魚介類(食用)自給率70%」をめざし、路網整備、森林施業集約化、省エネ・省コストな漁船導入、漁業協業化を推進する。

4.我が国産業・雇用の基盤である中小企業をしっかりと支援する

〇中小企業、ものづくり産業、地場産業の試作開発・設備投資などの支援、質の高い経営支援の提供、海外展開支援を強力に行う。
○2013年3月の金融円滑化法終了後も、万全の体制で中小企業の資金繰りを支援する。
○中小企業支援税制(事業承継税制、雇用促進税制等)を強化・改善する。
○政府系金融機関の中小企業に対する融資について、個人保証を撤廃する。
○連帯保証人制度について、廃止を含め、あり方を検討する。

5.世界のトップレベルの研究開発の成果を社会に還元する

○大学等の理系カリキュラム改善やインターンシップを産学官連携で推進し、またテニュアトラック制(任期付き研究者が審査を経て専任となる制度)の普及等により優秀な若手研究者を支援する。
○研究の中核となる大学の研究力を強化し、世界で戦えるリサーチユニバーシティ(研究大学)を増強する。
○世界最先端の研究基盤の整備・共用を推進し、世界の研究者を惹きつける国際的な研究拠点を充実する。

6.アジアと共に成長する日本

〇アジア太平洋自由貿易圏の実現を目指し、その道筋となっている環太平洋パートナーシップ、日中韓FTA、東アジア地域包括的経済連携を同時並行的にすすめ、政府が判断する。その際、国益の確保を大前提とするとともに、日本の農業、食の安全、国民皆保険などは必ず守る。
○首脳外交をはじめとする官民連携の強化、インフラプロジェクト専門官の活用促進、公的ファイナンスなどの取組強化により、日本の科学技術力を生かし、インフラの輸出を拡大する。
○訪日外国人旅行客1800万人(2016年)を実現するため、オールジャパンの訪日プロモーション、ビザ発給要件の緩和、エコツーリズムなど旅行者のニーズに即した観光の提供などをすすめる。
○国内外のイベント開催、クールジャパン番組の海外放送などにより、日本の映像、ファッション、伝統文化、食などの発信を高め、クールジャパン関連の市場規模を9.3兆円(2016年度)に拡大する。

7.2014年度のデフレ脱却をめざす

○デフレ脱却、経済活性化の観点から切れ目のない経済対策を講じることとし、2013年冒頭にパッケージとしての経済対策を実施するための大規模な補正予算を編成する。
○内にあってはグリーン(環境・エネルギー分野)、ライフ(医療・介護分野)、農林水産業の成長産業化、外にあっては経済連携の加速による海外成長の果実の取り込みを通じて需要を拡大し、2020年度までの平均で名目3%程度、実質2%程度の経済成長を実現する。
○民主党政権ではエネルギー、医療、農業などの分野で504項目の規制・制度改革を閣議決定してきたが、これをさらに思い切ってすすめ、経済構造を変革し、需要を創造する。
○税制、立地支援、規制などの見直しにより、空洞化対策や中小企業を含めて企業が活動しやすい環境を整備する。
〇2012年10月に初めて作成した共同文書にもとづき、デフレ脱却に向けて政府・日銀が一体となり最大限の努力を行う。
〇急激な円高が経済に重大な影響を与えることを踏まえ、過度の円高、為替相場の急激な変動に対しては断固たる措置を講じる。

8.持てる資源・資産を経済の活力に結びつける

○2012年の通常国会で成立した「改正郵政民営化法」を確実に実行していくためのフォローアップを行うとともに、復興財源確保に向けて、早期に日本郵政の株式の売却を実現する。
○国民の財産である電波を最大限有効に活用するための電波オークション(電波利用権限の入札による取得)などを通じ、情報通信のさらなる革新と利活用をすすめる。
○宇宙の開発や利用に関して一体的に推進できる体制が整備できたことを踏まえ、準天頂衛星の体制整備などを通じ、着実に宇宙の開発利用をすすめる。
○沖縄の自立的かつ継続的発展のための施策に取り組み、沖縄への補助金は、自由度の高い一括交付金に原則切り替える。

9.地域の防災力を強化する

○ハード整備に偏りすぎることなく、ハザードマップの作成やリスクの情報開示を徹底し、地域のコミュニティを活かした地域防災力の強化をすすめる。
○東海・東南海・南海地震や首都直下地震を具体的に想定した避難路や避難場所の緊急整備、首都機能のバックアップ体制を整備する。南海トラフ巨大地震対策に対処するための特別法の制定を図る。
○2015年度に耐震住宅の割合を9割に引き上げることを目標に、法改正を行い、一般の住宅の耐震化に対する支援を拡充する。

<「3.原発ゼロで生まれ変わる日本」より抜粋>

1.3つの原則で「原発ゼロ社会」を実現する

○「原発ゼロ社会」をめざすために、
−40年運転制限制を厳格に適用する
−原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ、再稼働とする
−原発の新設・増設は行わない
ことを原則とする。
○3つの原則を厳格に適用する中で、2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する。
○事故を起こした原発の安全な廃炉、再稼働した原発の徹底的な安全管理など「原発ゼロ社会」を安全に着実に実現するため、原子力に関する技術の継承・開発、人材の確保・育成について国の責任で取り組み、そのための計画を2012年度中に作成する。
○使用済核燃料の減容化、減量化、無害化の研究開発を国際的にすすめる。
○当面は化石エネルギーの重要性が高まることから、燃料の安定かつ安価な調達、高効率の石炭・石油・天然ガスプラントの新増設・リプレースに関わる規制の改革などをすすめる。
○化石燃料の安定確保のための資源外交をすすめ、またメタンハイドレードなど日本近海の海洋資源の調査・開発をすすめる。

3.原発立地地域の経済、雇用に十分に配慮する

○国の新たな要請によって影響を受けることになる原発立地地域には十分配慮して、経済、雇用が安定的に維持できるような措置を講じる。
○立地自治体の構造転換を支援するため、グリーンエネルギーの導入支援を含めた各種施策を優先的・重点的に行う。
○防災対策の重点区域などの見直しに伴い周辺地域における原子力防災対策を強化する。

4.あらゆる政策資源を投入し、再エネ・省エネを飛躍的に拡大する

○再エネ・省エネの類型別に以下のような強力な開発・普及支援を行う。
・太陽光ーー技術開発、需要創出などによるコスト低減、農地などの規制改革
・風力−建築基準の適正化、環境アセス法の適切な運用、系統対策
・バイオマスーーバイオマス資源の利用拡大、バイオ燃料の開発、実用化支援
・地熱−環境と調和のとれた開発の推進、技術開発促進
・水力ーー水利権への柔軟な対応、ポテンシャル調査補助事業などの検討
・海洋ーー技術開発及び実用化・事業化の促進、海洋利用ルールの法制度の整備
・スマート化ーースマートコミュニティの実現、スマートメーターの普及促進
・燃料電池ーー研究開発・コスト低減支援、燃料電池自動車の普及促進
・蓄電池ーー新設病院などへの設置、規格の国際標準化への取組
○グリーン(環境・エネルギー分野)を我が国の主要な産業へと育成し、海外の巨大市場の需要を取り込む。これによって再エネ・省エネ産業における雇用を拡大する。(再掲)
○住宅の省エネ化をすすめるため、新築住宅の省エネ化・省エネリフォームの推進、木材住宅の普及などを図る。(再掲)
○生命をはぐくむ水循環・水資源を守り、次世代に引き継ぐために、すべての水を統合的に管理するための基本法を制定する。また、生活排水対策を効率的に推進するための制度改正をめざす。

5.「原発ゼロ社会」を実現するための仕組みを整備する

○地産地消の分散型エネルギー社会への転換を確実にするため、発電、送電、小売のあり方を抜本的に見直す。
○すべての国民に「電力選択」の自由を保障するため、電力の小売市場を全面的に自由化する。また、電力卸売に関する規制の撤廃、卸電力取引市場の活性化などにより、コストダウンや顧客サービスの充実をめざす。
○太陽光発電、風力発電などの普及を加速するため、電力の発電部門と送電部門を、機能的又は法的に分離することを検討する。その際、電力の安定供給を確保する。
○再生可能エネルギーの不安定性を緩和し、広域的に供給力を有効活用するため、電力系統を強化し、また地域をまたいで系統を運用する中立的な機関を創設する。