2013年11月29日
2013年11月29日(金) 厚生労働委員会で質疑
本日、厚生労働委員会が開催されました。ながつま昭は、国民医療費、診療報酬の不正請求に対する厚生局の対応、厚生労働省におけるマル秘文書、製薬業界から医療機関への資金提供、厚生年金の適用について質疑しました。
冒頭、イギリスでかつて起こった「大砲かバターか」という論争についてお話しました。軍事力に重きを置くのか、社会保障に重きを置くのかという議論は、今の日本にも似たような状況があります。自民党は公共事業、企業減税、金融緩和に重きを置き、社会保障は経済成長のお荷物だと言わんばかりの政策に突き進む懸念があります。一方、民主党は介護離職や出産・育児離職を減らすといった社会保障のほころびをなおすことで、経済成長の基盤を作るということが重要だと思っております。
国民医療費については、長野県は、65歳以上の人口比率は全国平均に比べ高いにもかかわらず、平成23年度の国民医療費は、全国に比べ人口1人当たり4.9%低い状況にあります。仮に全国1人あたりの国民医療費が長野県の値であった場合、国民医療費は約36兆7039千億円であり、平成23年度の国民医療費38兆5850億円に比べ、約1兆9千億円も低くなります。
なぜ長野県の医療費が低いのか、日本の社会保障財政の面でも、国民の皆様の健康寿命を延ばす意味でも数値的分析をして頂きたいと要望しました。
診療報酬の不正請求の返還の申し出があったにもかかわらず、3年間放置されていた問題では、医療機関や地方厚生局など現場は非常に混乱しているので、まず?返還制度に関する厚生労働省としての統一見解を示すこと、また、?近畿厚生局長に対し、厳重注意をすること、?この件以外で、返還の申し出があったにもかかわらず、返還が滞留しているものがあるか調査すること、以上3点を強く要求しました。調査に関しては、田村憲久厚生労働大臣より、前向きに検討するとの答弁を引き出しました。
厚生労働省においては、文書を作成する部局の判断で秘密文書として扱われる文書、いわゆるマル秘文書があります。本来、秘密文書とは「厚生労働省文書取扱規則(厚生労働省訓第21号)」に基づき、秘密文書として指定しなければならず、このように部局の判断でマル秘文書として扱うことは問題ではないか、と指摘しました。これに対し、田村憲久厚生労働大臣は、現在、マル秘ではなく、取扱注意として扱うよう変更しているとの答弁がありました。ながつま昭は、規則にない形で、秘密文書として扱われるということがないよう、全省庁にわたって改善して欲しいと要望しました。
臨床研究については、今までの厚生労働委員会で申し上げている通り、大学病院に対する製薬企業からの資金提供、接待に関して、しっかりとした報告義務を設けるべきだと強く要求しました。
厚生年金については、ルール上、本来は厚生年金に加入しなければならないのに、実際には厚生年金には入れていない事業所がどれくらいあるのか、サンプル調査をし、実態の把握に努めて欲しいと改めて要求しました。
最後に、今までの厚生労働委員会での質問に対して「検討する」と答弁があった事項について、皆様の税金でお給料を頂き、皆様の税金で委員会を開いていることを念頭において、この委員会での「検討する」との答弁が、言いっぱなしで終わるということがないよう、貴重な税金が無駄になることがないよう、ぜひ確実に実行して頂きたいと申し上げました。