2014年04月22日
2014年4月22日(火) 要支援切りについて3つの関連団体の方のお話をお聞きしました
本日、ながつま昭は、介護保険給付から要支援者を外す、いわゆる「要支援切り」問題について、介護や認知症に関係する団体の皆さんからお話をお聞きしました。
現在審議中の政府が進めている法案(略称「医療・介護総合推進法案」)では、現行の要支援者に対する予防給付のうち、通所介護と訪問介護を地方自治体が担う新しい地域支援事業に移行すること等が規定されています。地域支援事業では、現在、介護専門職が担っている業務の多くをボランティアなどが担っていくことが推進されることになります。
このいわゆる「要支援切り」について、「中央社会保障協議会」の方からは、協議会が実施したアンケート調査の結果を中心にお話しいただきました。
調査結果によると、アンケートに回答のあった646の保険者(広域連合を含む地方自治体)のうち、206の保険者が地域支援事業への移行を「不可能」と回答していることが明らかになっています。
「東京都介護支援専門員研究協議会」(CMAT)の方からは、「保険者が支払う要支援対応の報酬を、保険者自身が決めることになると、報酬が低い場合は事業所が引き受けないケースも出てくる可能性がある」「担当者が急きょ来られない時に、専門職事業所であれば交代要員を見つけることができるが、ボランティアだと交代要員がいない」といったお話をお聞きしました。
また、CMATが実施したアンケート調査によると、地域支援事業に移行した場合に予想される影響として、ケアマネージャーの皆さんは、「ケアマネージャーが不満や不安の矛先になる」「苦情対応の責任主体があいまいとなる」「健康状態が悪化する」などの悪影響を懸念していることがわかりました。
「認知症の人と家族の会」の方からもお話をお聞きしました。実際に介護をしている家族の方からは、「認知症の人が家族にいない人は認知症介護の実態がわからない」「認知症の方の中には高速道路を逆走した人もいる。24時間目が離せない」といったお話をしていただき、政府が進める「要支援切り」をやめてほしいとの切実な訴えをお聞きしました。
どの団体の方も、受け皿となる自治体等の準備が未整備のまま、見切り発車的に進めることに強い懸念を抱いておられました。今後、国会審議等で徹底的に議論してまいります。