2015年07月15日
2015年7月15日(水) 【衆院安保特】「強行採決は認められない。今日の採決の撤回を求める」
※民主党ホームページより転記
衆院安保特別委員会で15日午前、安保関連法案の締めくくり総括質疑が行われ、同委員会理事の長妻昭議員が質問に立った。
長妻議員は冒頭、「今日、強行採決するのか。本当に国民の皆さんがこの法案を十分理解していると思うか。十分に説明したと思うか」と安倍総理に問いかけるとともに、浜田委員長に「こんなにも国民の理解が得られていないなか、強行採決は到底認められない。今日の採決予定の撤回を求める」と語気を強めて迫った。十分な審議時間を確保したといった発言が政府与党から聞かれるが、「本当に意味のある答弁は全時間のなかで非常に少ない」と指摘し、安倍総理をはじめ、あいまいな政府答弁が続くために国民の理解がなかなか深まらないとして政府の対応を批判した。また、重要法案であるにもかかわらず、答弁があいまいで、法案に盛り込まれている定義も要件も漠然としたままこの法案が通ってしまうことに強く危機感を表明した。
長妻議員はまた、「最大の問題は、総理が米国の議会で夏までにこの法案を成立させると明言したことだ」と述べ、国内質疑の前に米国議会でのスピーチで法案成立を公約するかのような行動に出た、国民軽視・国会軽視の安倍総理の姿勢を厳しく批判。存立危機事態への対応について「主体的に判断する。米国の意思に流されない」と安倍総理が答弁していることに関しても、「米国議会で法案成立を約束するような安倍総理の姿勢では、この答弁は信用できない」と批判した。
今回の法案で「国民の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」などの存立危機事態の要件について、「攻撃国に日本を侵害する意図・意思がない場合、あるいは日本に戦火が及ぶ可能性がない場合でも集団的自衛権の行使が認められることがあり得る」との答弁があったことをあらためて取り上げ、「いったい国民の権利が根底から覆される明白な危険というのはどういう危険なのかが非常に漠然としていて、閣僚の答弁も二転三転している」と述べ、武力行使に至る具体例を示すよう安倍総理に求めた。
安倍総理は、武力行使の新3要件の内容を繰り返し述べたうえで、「典型例」として日本の近隣で米国への攻撃が発生し、日本への武力攻撃が切迫しているなかでミサイル警戒や邦人輸送に当たっている米艦が攻撃されるなどの「明白な危険」がある場合について「存立危機事態の認定が可能」だとした。長妻議員は、「安倍総理はこれまで典型例としてホルムズ海峡での機雷除去を取り上げてきたが、今度は日本周辺になって、しかも米艦船に対する武力攻撃の明白の危険ということになった」と述べ、どの時点で存立危機事態への武力攻撃になるかの要件が漠然としている実態がまた一段と浮き彫りになったと懸念を表明した。
長妻議員はさらに、「この法案が通ったとしても防衛費は増やさない」などと安倍総理が発言をしていることについて、「ヒト・モノ・カネが限られたなかで地球規模での活動を自衛隊が行うことになれば日本近海の装備が薄くなる」と指摘し、民主党が主張するように「近くは現実的に、遠くは抑制的に」対処しなければ日本近海の対応が手薄になり安全保障上問題だと批判した。