2015年07月17日
2015年7月17日(金) 【衆院安保特】7月15日のながつま昭の委員会質問を全文掲載します
平成27年7月15日
衆議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会速記録(議事速報)
○浜田委員長 次に、長妻昭君。
○長妻委員 安倍総理、きょう強行採決するんですか。安倍総理、本当に、国民の皆さんがこの法案を十分理解されている、説明を尽くされたというふうに総理はお思いでいらっしゃいますか。きょう強行採決を、浜田委員長、するんですか。こんな、国民の理解がまだ得られていない中、強行採決というのは到底認められない。きょうの採決の撤回を求めます。
そして、時間数をいろいろ強調されるんですが、我々ずっと委員会に出ていて本当に感じますのは、質問を十分聞かれていなくて、後ろから出てきた紙をそのままお話しになる。本当に意味のある答弁というのは全時間の中で非常に少ないんですよ。それで何度か、確認答弁を、とめて、それでちょっと出てくる。(発言する者あり)自分がとめているというやじが今ありましたが、そんな曖昧な答弁を続けるからとめざるを得なくなるじゃないですか。漠とした答弁のまま見過ごしたら、定義も要件も漠のままこの法案が通ってしまいますよ。そういうことも説得しようというお気持ちが非常に少ない。法案のデメリットをお伺いしても、それはおっしゃらない。何度聞いてもおっしゃらない。自衛隊員のリスクも上がらない、つまり全部バラ色、全てマイナスはない、いいことずくめの法律。こんな説明を繰り返しているから、国民の皆さんの理解が進まないんですよ。
私は、最大の問題は、総理がアメリカの議会で、夏までにこの法案を成立させる、こういうふうに明言をされたことから始まっているんじゃないかと思うんです。海外でそういう公約的なことをおっしゃって、夏までに成立させるというのがそこで決まってしまって、そこに突っ走っている。これは、今、日本の国会ですよ。日本の国民の皆さんをないがしろにして、何でアメリカ議会、そこで公約しちゃうんですか。そこから話がおかしくなっているんじゃないのか。
ここの質疑の中でもいろいろな懸念が表明されました。つまり、アメリカから、これは日本の存立危機事態だから集団的自衛権を発動してほしい、そういう依頼があったときには流されてしまうんじゃないかという質問もありましたが、総理は、主体的に判断する、米国に流されない、こういうふうにおっしゃいましたが、私は、米国議会で先に法案の成立を公約して、そういう姿勢であれば
信用できないんですよ。
総理、総理もおわかりだと思いますが、言うまでもなく、自衛隊の最高指揮官は安倍内閣総理大臣。自衛隊に防衛出動を下令して武力行使を命じられるのは、日本広しといえども安倍総理お一人です。当然閣議決定はありますけれども、安倍総理お一人なんです。最高の意思決定、他国に対して武力行使をするというのは国家の最も重い意思決定であります。そのときに今度は新たな要件が加わったわけです。中谷大臣もかつてお持ちだったと思います自衛隊の「宣誓」、これは全ての自衛官が胸のポケットに入れている。私もこの質疑中はずっと胸に入れていようと思って入れているんですが。ここには、事に臨んで危険を顧みず、身をもって職務の完遂に務めと書いてあるんです。命令があれば危険を顧みずに頑張って戦うんだ、こういうふうに「宣誓」で書いてある。
つまり、今までは、我が国が攻撃された、あるいは我が国に対する武力攻撃の着手があった、そのときに誰かに日本を守ってもらわないと困る。これは多くの国民に納得性が高いと思います。自衛官の方も納得される。しかし、今度は、我が国は攻撃されていない、しかし国民の権利が根底から覆される明白な危険がある、そのときは自衛隊員は命をかけて海外へ行って戦う。しかし、これは漠としているんですよ、要件が。
総理にお伺いしたいんですが、ここでのるる一般質疑初め答弁の中で、つまり存立危機事態の新三要件について、例えば攻撃国に日本を侵害する意図、意思がない場合、あるいは日本に火力、戦この議事速報は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。
火ですね、火の方、それが及ぶ可能性がない場合、そういう場合でも集団的自衛権が認められることがあり得るという答弁があるんですよ。日本に戦火が及ばない、火の方ですよ、火力の。しかも、攻撃国の日本を侵害する意図、意思もない。その場合も武力行使ができる、でき得る、こういう答弁があるんですが、総理、一体、我が国の国民の権利が根底から覆される明白な危険というのは具体的にどういう危険なのかというのが非常に漠としていて、閣僚の答弁も二転三転されておられるんですよ。端的に、最後、明確に具体例をお示しいただきたいんです。
○安倍内閣総理大臣 明確にお答えをいたしましょう。それは、まず武力行使の三要件、これは今まで一貫して申し上げているとおりでございますが、最後でございますからもう一度申し上げますと、我が国に対する武力攻撃が発生したこと、または我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること、これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと、必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと、これが新三要件であります。この新三要件とは、この第一要件についての御質問だと思いますが、すなわち他国に対する武力攻撃が発生した場合において、そのままでは、すなわち、その状況下、武力を用いた対処をしなければ国民に対して我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況であるということであります。この要件に該当するか否かは、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民がこうむることになる犠牲の深刻性、重大性などから判断するわけでございます。そして、典型例としては、従来から申し上げておりますように、例えば日本の近隣において米国への攻撃が発生した、そして我が国への武力攻撃が切迫している、その中でミサイル警戒に当たっている、あるいはまた邦人輸送中の米艦が攻撃される明白な危険があるという中においては存立危機事態の認定が可能であるということであります。
これは今まで申し上げているとおりでございまして、これが私たちの基本的な考え方でありまして、今申し上げたことがいわば典型例として、これがもちろん全てではございませんが、典型例としてあり得るということでございます。
○長妻委員 今、例をおっしゃいましたけれども、初めは典型例がホルムズ海峡とおっしゃって、今度は日本周辺になって、しかも今は米艦船に対する武力攻撃の明白な危険というふうになった。以前、岡田代表との答弁では、米艦船に対する武力攻撃があった、そんなような趣旨のお話もされておられて、つまり、個別的自衛権の場合は我が国が攻撃されるあるいは着手があるということである程度明確なんですが、一体どの時点で存立危機武力攻撃なのかということが本当に漠としている。そして、もう一つは専守防衛なんですね。戦後の歩みの中で憲法の制約もあって、我が国は専守防衛ということで政策を積み上げてまいりました。敵基地攻撃ができないなどの専守防衛の理念の中で、我々の自衛隊の装備なども限られている。
しかし、総理は、今回の安保法案が通っても、集団的自衛権を認めても、地球の裏側まで要件さえ整えば米国と武力行使をするということが可能になるこの法案が通ったとしても、防衛の予算はふやさない、しかも自衛隊員もふやさない、装備も変えない。本当に人、物、金が限られた中、地球規模で活動することでかえって日本周辺の守りが危うくなるんじゃないか、そういう懸念は、今お笑いになりましたけれども、専門家の方も指摘しているんです。
やはり日本は、一つ一つ、一歩一歩、歩を前に進めてまいったわけです。例えば、総理、日本は言うまでもなく、治安出動がある、防衛出動待機命令がある、そして防衛出動があるということで、ほかの国に比べて相当縛りが武器使用の基準も含めて厳しくなっています。これはなぜか。やはり戦後七十年、七十年前の戦争の反省に立って憲法がつくられ、そして国の全ての法律、これは戦争の反省に立ってつくられたと言っても過言でない、そういう縛りがあって日本は一つ一つ進んできた。つまり、敗戦国の戦争観に基づいて抑制的に抑制的に進めてきたんです。そういう意味で、それを一足飛びに今回たがを外してしまう、しかも装備も、防衛力、防衛費も変わらない、人員も変わらない、本当にそれで大丈夫なのかということもやはり大きな疑問としてあるんですよ。
総理はよく、六〇年安保、五十五年前でしたね、あるいはPKO法案、これも相当反対があった、憲法学者の方も違憲とおっしゃっていた、反対は大きいけれども今は理解が進んでいると。何か、反対が大きい法案ほどいい法案のような、言わんばかりの話がありました。ただ、今回が前回となるのは、総理、法制局長官のOBが悩まれたと思いますが国会に来られて、これは憲法違反だ、よくないと内部の方もおっしゃっておられるし、あるいは官僚の方で、安保法制、安保政策を中枢で担った官僚OBの方も国会まで来られて、本当に決断をされて来られて異議を唱える、あるいは自民党の安保族と言われる重鎮のOBの議員も、この法案は待った、この法案は一旦立ちどまるべき、こういうことをおっしゃって、内部から相当疑問の声が来ているということが私はこれまでと違うというふうに考えているんですが、総理はいかがお考えでございますか。
○安倍内閣総理大臣 短い質問の時間の間に随分間違った御指摘をされました。例えば、私はホルムズの例を典型例として挙げたことはございません。これはまさに私が、まず、質問……(発言する者あり)済みません、少し静かに。大切な質疑ですから、質問者以外の方はちょっと黙っていていただけますか。皆さん、冷静な議論が必要ですから、少し大人らしく冷静な議論をしましょうよ。よろしいでしょうか。そこで、私が例として挙げましたのは、いわば他国の領海、領土に入っていくということについての例外的な、一般に海外派兵は禁じられているという中において例外的な例として私の念頭にあるのはこれだ、そしてこれしか念頭にないということでこの委員会で再三答弁をしていただいているわけでございまして、私の答弁をまず聞いていただかなければ議論がかみ合わないのは当然のことでございます。まさに一般に海外派兵は禁じられている、これは必要最小限度を超えるものである、しかし、その中においてホルムズの例については限定的、受動的であるからという話を何回もさせていただいているわけでありますから、そこはよく、ちゃんとまず聞いて、指摘するなら指摘をしていただきたいということははっきりと申し上げておきたい、こう思うところでございます。
そしてまた、PKO等について申し上げました。これは、反対が大きければ大きいほどいいと私が答弁したことはございますか。一度もございませんね。私が言ってもいないことを言ったと言う、あるいは典型的な例として挙げていないものも典型例として挙げたと言う、こういう間違った御指摘をされるとまさに議論が残念ながらかみ合っていかないということにならざるを得ないのではないか、こう思うところでございます。そして、PKOのときもそうだったのでありますし、また安保のときもそうでございました。実は、日米安保条約のときにも自民党の中でも随分反対論もあったのでございまして、これが自民党の中において相当な高まりを見せていたのも事実でございます。
当然さまざまな議論があるわけでありまして、自民党の中でも相当な議論を行ったのは事実でありますし、また与党においても一年間、二十五回にわたって協議を重ねてきた結果でもあるわけでございます。そして、まさに今回もさまざまな御議論がございます。当然、我々はそれを真摯に受けとめなければならない。しかし、まさに砂川判決で示された必要な自衛の措置とは何か、これを考え抜く責任は私たちにあるわけであります。それは、まさに国民から選挙によって選ばれた私たちはその責任から逃れてはならない、その責任から逃れるということは国民の命を守り幸せな暮らしを守り抜くという責任を放棄することと同じであります。だからこそ、私たちは考え抜いていかなければいけない。そのときには当然批判もあります。しかしその批判に耳を傾けつつ、しかし確固たる信念があれば、みずから省みてなおくんばという信念と確信があればしっかりとその政策を前に進めていく必要があるんだろう、こう思うわけであります。そして、先ほど、アメリカの議会において私がいきなり約束をした、そうおっしゃった。これも明らかに間違いであります。二〇一二年の総選挙においてもいわば集団的自衛権を含めた安保法制を進めていくという約束をさせていただいた、また参議院の選挙においてもそうであります。そして昨年の衆議院選挙においても我々は公約として掲げ、そして第三次の内閣を発足するに当たりましてもそうお約束をさせていただいたわけでありまして、御指摘は全く当たらないということも申し上げておきたいと思います。
○長妻委員 総理、総理も相当間違ったことを今おっしゃっていますよ。まず申し上げると、その前に、責任から逃れられない、逃れてはだめだということ、安保政策を立てる、これは政治家の責務、それはそのとおりなんです。ただ、やはり憲法の制約の中でというのが前提条件であるんですよ。その制約がある。それが問題だと思うのであれば手続をやはりしないといけないんですよと私は思うのと、私がいつ、総理がおっしゃって、米国議会でいきなり言ったのがけしからぬと、私はいつ言いましたか。今総理は、長妻さんが、いきなり言った、それは前からの公約があると。いきなりなんて言っていませんよ。米国議会で夏までに安保法制を成立させるということを言ったことが問題だと言っているんですよ。曲解しないでください。そして、典型例がホルムズ海峡、そんなことは言っていないと言うんですが、国民の皆さん、審議に参加する我々は、総理が典型例としてホルムズ海峡を出している、何度も何度も答弁されていて、そういう印象を非常に強く持っているわけでありますし、そういうようなことについて本当に総理も間違ったことをおっしゃっておられるわけであります。そして、安保とかPKOは反対が多ければいいんだみたいなことを言ったと。私はそういうふうに言わんばかりのことをおっしゃったと申し上げたんですよ。そういうふうにやはり印象を与えるんですよ。反対が大きい、反対が大きくても今はいいんだということは本当に、それを言い過ぎるとよくないということを私は申し上げたわけであります。そして、もう一つ私が総理に懸念を持つのは、さっきも申し上げました、総理は自衛隊の最高指揮官、唯一の武力行使を自衛隊に命じる人物でありますし、防衛出動、武力行使を命ずるときは緊急の場合は国会の事前承認が要らないんです、事後承認なんです。そういう意味では非常に重い決断をされる総理。私は、総理が戦争の教訓を正しく胸に刻んでいるか否かが、間違った戦争をするか否かにかかってくると強く思うんです。私は、間違った戦争を始めないためには、間違った戦争を起こさせない国や社会の仕組み、例えば言論の自由が揺るぎなく認められ多様な価値観が保障される環境が確保されていることが重要、そして最も重要なのは最高指揮官の総理大臣が適切な歴史認識を持っているか否か、これが大変重要だというふうに思っているんです。きょうぜひ質疑を打ち切りいただきたくないのは、この歴史認識についても、来月、八月で戦後七十年の節目です。日本国の戦争が経験から歴史に変わる、つまり少年兵で戦場で戦った方も最年少でも恐らく今八十五歳ぐらいになっておられるわけでありまして、そういう大切な節目にやはりこの問題も私は安保法制と密接不可分だというふうに思うわけであります。
私、ことしの一月、総理と予算委員会で過去の我が国の戦争について、総理はあれは誤った戦争だと思われますか、国策を誤ったものだというふうにお考えですかということをお伺いしたんですが、何度聞いてもお答えにならないんです。だから、相当これは私自身心配であります。ちょっと角度を変えてお伺いすると、例えば日本が戦争に突き進むいろいろな局面があったと思いますが、昭和六年、柳条湖事件があって、そして満州事変があった。これは関東軍の謀略だと。しかも、マスコミもそのときは知っていたけれども報道がなかった。日本国民は戦後、戦争が終わるまで中国軍のしわざだと信じて、満州に出兵しろ、増派しろ、こういう声が熱狂的に上がってしまって戦争に突入した、こういう苦い経験もある。そして昭和十一年、軍部大臣現役武官制。大臣は陸軍、海軍から、現役の武官でないとだめだ、気に食わない内閣があれば大臣を出さなければ内閣を崩壊することができる、こういう制度もあった。昭和十五年、政党が解散されて、議事録削除、この事件をきっかけに。そして、大政翼賛会が結成された。総理、さきの戦争について誤ったか誤っていないかというのはおっしゃらないんですが、例えば今三つ申し上げましたけれども、これについては間違いだったというふうには明言していただけるわけですか。
○安倍内閣総理大臣 歴史的な事象について一々私がここで論評することは控えますが、いずれにいたしましても、今の民主主義そして自由、言論の自由そしてまた基本的人権、しっかりと確立をした日本ではあり得ないことでございます。まさに今委員が御指摘された、現役の軍人が閣僚になる、こういう仕組みを使って内閣を崩壊させた、まさにそれは現在憲法で禁止されているところでございます。大切なところは、今の時代においてはまさに民主主義が確立をされている、言論の自由が確立をされているということであります。そして、基本的な人権を守り法の支配をたっとぶ、これこそが大切ではないだろうか。
そして同時に、国際協調主義のもとで我々は積極的平和主義を推し進めていく考え方であります。いわば国際社会との協調を見失ってはならない、これは当然のことであります。その中において外交を我々は積極的にただいま展開しているところでございます。
○長妻委員 間違いということはおっしゃらないんですが。そうしましたら、さきの大戦、我が国が経験した、これはやはり国策の誤り、つまり政策の誤り、間違いだったということはおっしゃることはできないんですか。
○安倍内閣総理大臣 るる申し上げておりますように、我々は歴代の内閣の立場を基本的に踏まえているわけでございます。歴史認識において歴代の内閣の立場を踏まえているということは、引き継いでいるということは今まで繰り返し申し上げているとおりでございます。
○長妻委員 そうすると、私が何でこういうことを聞いているかというと、七十年前の昔の話じゃなくて、これから、我々が安全保障法制を今審議しているわけで、それを使うのは、一番重い決断をするのは総理御自身なんです。この貴重過ぎる経験をどう捉えているかというのは大変重要なわけでありまして、そうすると、歴代の総理大臣の認識を引き継いでいるということは、さきの大戦は誤りだったというふうに総理は理解しているわけでありますか。自分の言葉でおっしゃっていただきたいんです。
○安倍内閣総理大臣 従来から申し上げておりますように、歴史認識においては従来の内閣の立場を受け継いでいるということでございます。そして、いずれにいたしましても、我々は、さきの大戦の反省の上に立って、戦後、平和国家としての歩みを進めてきたところであります。同時に、自由で民主的な国をつくり、基本的人権を守り、法の支配をたっとぶ国としてアジアや世界に貢献しているわけでございます。同時に、まさに地域の平和と安定に貢献することによって日本人の命、幸せな暮らしを確固たるものにしなければならない、これも我々の信念でございます。こうしたことを一つ一つ積み重ねていくことによって、日本は国際社会の大きな信頼を得たわけでございます。
さらに、我々は国際社会と協調しながら、国際社会と協調するということは、まさに世界をより平和で安定した場所にしようとしている国際社会と協力していく、またその努力をしている国際社会とともに努力していく必要も当然あるのではないか、こう思う次第でございます。まさに今回の平和安全法制におきましても、さきの大戦の反省の上に立って、二度と戦争の戦禍を繰り返してはならないとの考え方のもとにつくり上げられたものであり、当然また今回の三原則においてもその考え方から導き出されてきている、このように考えるところでございます。
○長妻委員 私は、あれほどの貴重過ぎる戦争の経験、これについて御自身の言葉でそれをおっしゃらないというのは本当に深刻だと思います。私は、あの戦争、いろいろな教訓があると思いますが、やはり日本という国は情報を制限して空気さえつくり上げれば一気に極端な方向に動く、これは七十年前の戦争の教訓だと思いますし、あるいは政治指導者があの国は悪い、あの国はおかしいと勇ましく演説すると支持は高まるかもしれないけれども、しかし、あおったナショナリズムが大きくなり過ぎて、そしてその政治家自身もそのナショナリズムをコントロールできなくなって、国があらぬ方向に行ってしまった。これは七十年前の戦争の反省です。私は、日本という国は、今回の、総理がきちっとやはり御答弁をしていただいて、マスコミを懲らしめるとか、そんなことは本当に厳重に、まだ発言を撤回はされていないと思うんですが、撤回をさせて、そしてそういう雰囲気に絶対ならないように、多様な価値観が押し潰されないように不断に指導者が見ていくということが大変重要だと思います。時間もないので、最後にもう一回同じことをお伺いします。我が国が経験したさきの戦争は間違いだったというふうに総理は考えておられるのかどうか。そこから教訓や反省というのは本物が生まれると思っているんです。どうですか。
○安倍内閣総理大臣 まさに今の日本の国民が、指導者がいいかげんなことを言えば烏合の衆のようにそちらに従っていく。それは、長妻さん、国民に対して失礼じゃありませんか。戦後の歩みというのはそんなものだったのですか。日本は戦後七十年、まさに民主主義を徹底し、
自由をたっとび、報道の自由があります。報道機関もしっかりと勇気を持って報道している、国民の皆様もさまざまな情報を手に入れながら判断をしているんです。私は、国民の皆様の判断、英知を信頼しているんです。その中において私たちはしっかりと国民の皆様に理解をしていただくための努力を積み重ねなければならない、こう思っているんです。我々政治家も国民の皆様に対してそうした謙虚な姿勢を持たなければならないんだろう、このように思うわけであります。まさにその意味において、我々はまさにさきの大戦の反省の上にこの戦後の日本をつくってきた。しかし、国際情勢は大きく変わっています。国際情勢が大きく変わっていく中において果たして今のままで国民を守り抜くことができるかどうか、この誠実な問いかけをみずからに何回も繰り返し問いかける、この責務から、長妻さん、逃れてはならない、私はこのように思うところでございます。(発言する者あり)
○浜田委員長 一言申し上げます。委員以外の方の不規則発言は厳に慎むように、よろしくお願いいたします。
○長妻委員 総理、総理はまた決めつけなんですよね。私がいつ日本国民が烏合の衆だと言いましたか。七十年前の戦争の教訓を申し上げたわけで、私は日本国民は烏合の衆だとは思いません。しかし、マスコミ報道や言論の自由が統制されて間違った情報が国民に伝わって、それが一つの方向に動いたときに私は国民も間違えた判断をするというふうに思いますから、だからマスコミや言論の自由というのは大変重要なんです。総理は何度聞いても、あの戦争が国策の誤りということはお認めにならない。これは本当に深刻だと思います。いずれにしても、きょう採決は到底容認できませんので、委員長、ぜひ質疑を終局しないでいただきたい。強く抗議をいたしまして、私の質問といたします。よろしくお願いします。