日々の活動(旧)

2016年02月25日

2016年2月25日(木)代表代行定例記者会見の模様です

■冒頭発言

○野党5党の連携協議について

【代表代行】
 いろいろ動きがあったわけでございますが、一つは参議院選挙の1人区について、自民党と一騎討ちの構造に持っていこうということで、野党5党が一つの枠組みをつくることができたことが一点あります。

○維新の党との合流について

【代表代行】
 もう一つは、我々民主党、そして維新の党と、一緒になってより大きな勢力をつくっていこうということを踏み出すということで話が一歩前に進んだということであります。
 これの目的は、今の自民党政治が非常に戦前回帰、きな臭い動き、これが止まらない。これに歯止めをかけると同時に、やはり今の自民党とは違う価値、つまり日本を一つの色に染め上げるということではなくて、多様な価値観を認めて「格差の壁」を打ち破っていく、こういう「共に生きる社会」をつくる。こういう大きな違いをきちっと打ち出していくことが大きな目標なわけでありまして、それに着々と我々は歩みを進めているということであります。
 今国会は、一つは「4K」という問題に取り組んでまいりました。「憲法」「格差」「軽減税率」「口利き」が主だったわけでありますが、これはそのまま選挙にも通ずる論点・争点だと思います。場所は参議院予算委員会にいずれ移るわけでございますが、しっかりと今の自民党とは違う価値を打ち出す、追及と提言を繰り返していくということで、必ず道は開けていくと考えております。

■質疑

○街頭演説について

【記者】
 金曜日に阿佐ヶ谷で街宣をやった。取材に行ったが、ものすごく人が少ないのに、びっくりしたのではなくて、ああ、こんなものかと思った。電車に乗る人はともかく、降りてきた人が全然足を止めてくれない。長妻さんは阿佐ヶ谷(杉並区)の隣の選挙区にいるにもかかわらず、長妻さん、岡田さん、それから小川敏夫さんと、新人の吉田はるみさん(8区総支部長・次期衆議院選公認候補)はほとんど知られていないが、都議落選中の門脇文良さんも来ていたが、本当に少ない。これをどう感じたか。

【代表代行】
 これはちょっと私の感覚と違うのですが、私は本当に率直に、これほど多くの人が集まるというのはあまり経験がないなと、感慨深く思ったわけでございます。当然、民主党支持率がすばらしく上がっているということではありませんが、私の感覚では相当多くの一般の方が足を止めていただいたと。今まで都内でいろいろ演説した中でも非常に集まったという感じを私は受けました。

【記者】
 その2日後に安倍さんと一緒に被災地の塩釜・石巻・女川に行ったが、はっきり言ってものすごい人気だ。低気圧が去った後で風が強かったので安倍さんの髪の毛がボサボサになっていたが、スマホを持ったおばちゃん達は「テレビで見るより若くていいじゃないの」と写真を撮っていたし、握手を求めていた。その数は阿佐ヶ谷とは全然違う。これは安倍さんの支持率、それから自民党の支持率、民主党の支持率というものがはっきり出ていると思う。先ほど、とても多いと言ったが、そうすると普段はもっと少ないのか。私は長妻さんよりたくさん、いろいろなところに街宣等に取材に行っているが、阿佐ヶ谷で見たのはとても少ない。

【代表代行】
 安倍総理と比べて、安倍総理がどれだけ集まるかというのはわかりませんが、安倍総理と比べて我々のほうが多いと言うつもりはもちろんありませんが、これはおっしゃるように今まで私がいろいろ都内を回った中では相当多かったという実感を持ったということであります。
 いずれにしても、さらに我々精進して、本当に自民党をしのぐような国民の期待を得るように頑張っていかなければいけないということだと思います。

○維新の党との合流について

【記者】
 新たな党名の部分で、両党かなり考えに隔たりがあるようだ。これから難航するという見方もあるが、その見通しについて代行はどう思っていらっしゃるかということと、代行自身は新たな党名についてどんなものがいいか、もしお考えがあれば伺いたい。

【代表代行】
 大きな枠組みは明日党首同士で、今言われていることが明確になるということで、あとは非常に具体的な話を幾つか詰めなければいけないと。ただ目的は、先ほど申し上げた、今の政治を変えないと、「本当に戦前回帰の動き、大丈夫か」と、強い危機感を共有していますので、それが大きな目的ですから、これは必ずきちっと決着できると思っています。
 党名については、予断を持たずに、本当に国民の皆様の立場、そして今の政治状況を真摯に考えて、ベストなもの。何か抽象的なものとかではなくて、やはり「名は体を表す」ですから、きちっとした理念をより明確に反映するような息の長い名前ということ、これは共通認識だと思います。

【記者】
 代行は以前、記者会見で、「民主党」という党名になってから何年かの間、「民社党」と間違えて催しなどで紹介されたという話をされ、党名の浸透には時間がかかると、党名の安直な変更に懸念を示される発言をされていた。今回、新党名の候補として「民主」という語を含まないことも選択肢に入っていることについては、どのようにお考えか。

【代表代行】
 これは代表間でそんなような話がなされたということでありますが、具体的にどうするかということは、これは協議会なるものが作られた中で議論していくということです。
 いずれにしてもストンと腹に落ちるような、他の党と混同するような名前でないことをもちろん考えながら、これはきちっと決着していくと思います。

【記者】
 1点は、代表代行も代表選に前回出馬したが、この新党結成に当たって代表選をしっかりと行ったほうがいいのかどうかについて。
 もう1点は、有権者は「民主党」や「維新の党」に対して投票しているわけで、それが合流するということで、合流のこれからの協議、どの程度有権者にわかるように経過・プロセスをオープンに、透明性を持ってやっていくか。その2点について伺いたい。

【代表代行】
 私自身は、やはり7月の参議院選挙が近づいていますので、しかも新党となりますと党員などをこれから募集する・しないということもありますので、私自身は参議院選挙の前に代表選を行うことは必要がないと考えておりまして、岡田克也代表でそのまま参議院選挙を戦っていくことが望ましいと思います。
 この協議については、これはもちろん協議した後に、我々としてはいろいろ皆様に協議の中身を、固まっていないことは話せませんが、固まったことについてはその都度公表して、国民の皆様からより見えるような形で協議していきたいと。
 ですから、この協議の目的をちゃんと国民の皆様に――我々は少しでも勢力を大きくして国民の皆様に選んでいただける選択肢として、きちっと大きな立ち位置を占めていくと。ちゃんと選択肢として、国民の皆様に大きく見える形で今の政治の流れを変えるということが大目的でありますので、そこを常に発信して、なぜ我々がこういうことをしているのかということを、国民の皆様にご理解いただく努力をしていく必要があると思います。そういう意味ではいろいろな発表もその都度させていただくことになろうかと思います。

【記者】
 今回の合流・新党結成で、ゼロからの結党というよりは一旦離党した方が戻る動きもあり、そういう意味では「看板の掛け替えだ」という批判もある。こうした指摘は、長妻さんからすると当たらないと思われるか、それとも一部「看板の掛け替えだ」と言われても仕方がない部分はあると思われるか。

【代表代行】
 当然、そういう批判が起こるというか、もう今の時点であることも承知していますが、ただ、そういうふうにしてしまうのか、してしまわないのかは、我々の覚悟と努力次第だと思います。
 今回、確かに全く何もないところから新しい党ができるということではなくて、しかも維新の党のみならず、我々は幅広く声をかけていく、そしてきちっと理念も固めていくということであります。今の政治に不安を持っている国民の皆さんが大変多い中で、これが非常に大義がある行動であるということは、我々のこれからの言動とか理念の中身とか新党の成立までの過程において国民の皆さんが判断されることだと思いますので、きちっと大義のある今回の新党であるということを示すのは我々の責任です。
 それは我々としてそういうふうに国民の皆さんに思っていただく自信がありますので、何とかこれをまずは一つのきっかけに、7月の参議院選挙、あるいはダブル選挙があるかもしれませんが、何しろ自民党に勝っていくことが最終的な目標でありますので、それに近づくように頑張っていくということに尽きると思います。

【記者】
 岡田代表が午前中に連合の神津会長と会談し、連合会長が合流について理解を示したということだが、このことの意義をどのように受け止めているか伺いたい。

【代表代行】
 これは私は立ち会っておりませんので、具体的な詳細な中身をまだ聞いていませんが、ただ、やはり理念を同じくする勢力を大きくしていくということについては、多くの方にご支持をいただけるのではないかと思います。あとは具体的な詰めのところで、幅広く理解にそごがないように丁寧にやっていくということに尽きると思いますので、そういう姿勢で取り組んでいきたいと思います。

【記者】
 理念を同じくする勢力を大きくしていくと。他党へのこれからの呼びかけだが、安保法案で共闘した社民党・生活などとの関係、特に参議院は維新と元気で会派を同じくしているが、元気についてはどのように対応すべきと長妻代行はお考えか。

【代表代行】
 これは原則としては本当に幅広く結集するということでありますが、個々についてはやはり我々も幹部間で話して、どのタイミングでどの党ということは個々に議論していきたいと思います。

【記者】
 合流に当たって政策についても今後詰めていくことが必要になる局面も出てくると思う。長妻さんは「共生社会」の取りまとめをされていて、全国を回ってフォーラムでいろいろ意見を聞かれているが、この「共生社会」の部分も含めて、新党の政策の柱をどういうものにしていくべきだという点についてはどのようにお考えか。

【代表代行】
 これは以前、私も入って、統一会派をつくる前提として維新と政策の協議をしてペーパーをまとめました。その時も感じたのですが、隔たりはそれほど大きくない。だからこそ今回こういうことになったわけであります。しかも統一会派ですので、法案の対応についても当時はいろいろ危ぶむ報道もありましたが、基本的には足並みをそろえる対応をいたしましたので。
 この「共生社会」についても維新の一部の方に説明をしておりますので、幅広く皆さんと、維新のみならずそこに集う方々と話し合っていけば、やはり日本の問題の共通認識というのはおのずから一致してくるのではないかと思いますので、我々としてもまずは真摯に皆様の話を聞いて、さらにいい政策があればそれを加えてブラッシュアップしていくことになると思います。

【記者】
 民主党が作った綱領、代表代行もかなり関わって作られたと思うが、これをベースにして新しい綱領を作っていくのか、それとも全くゼロベースから新しいものを作るという考え方か。

【代表代行】
 これも新党をつくる時の事前の協議会の中で――まだその詳細は決まっておりませんので、どういう手順で物事を進めていくのかということも議論することになろうかと思います。ただ、お互いにいろいろな積み上げがあるわけでありますので、もちろんそれを全くゼロにして話し合うということではない、これはもちろんのことだと思います。

【記者】
 昨年11月に前原誠司さんや細野豪志さんらが解党・新党をつくるべきだという考えが出た際には、党内からは、外形を変えただけでは見透かされるという批判的な意見が役員からも出た。今回、いわゆる解党ではないが、こういう形でまとまったことについて、なぜ昨年の段階では批判が出たにもかかわらず、今こうしてまとまるのか。時期について、むしろ参院選前で遅過ぎるのではないかと私は思うが、長妻さんはどのように思われるか。

【代表代行】
 やはりお見合いというか、一定の期間があって、それで一緒になるということで、やはり時間軸も重要だと思います。
 あとは形態として、わが党が解散していくというのは、支部の数で言うと相当な数がわが党もありますし、手続や収支報告書という事務的なことも相当混乱するということもありますし、それが一つクリアされたと。
 もう一つ大きいのは統一会派をつくって、特に今年に入って、これは相当な統一会派の成果だと私も思います、予算委員会で以前バラバラ、別だった時に比べると相当パワーアップしている。こういうことをみんなが実感して、特に採決ですね、相当隔たりがあると感じていた党内の人もいたけれども、結局ちゃんと議論すれば一致したと。そういう信頼感が醸成されて、これであれば理念を一つにまとめて、やはり安倍内閣、特に自民党のきな臭い戦前回帰の動きに対してともに戦えると、お互いにある程度腹に落ちたということも相当な変化だと思います。
 そういうプロセスをたどって、昨日、党内合意を取ったということだと思います。

○「民主くん」の今後の処遇について

【記者】
 今、ネットで「民主くん」の行方についてすごく話題になっているが、「民主くん」はこのままクビになってしまうのか。本人は生き残りのためにいろいろ模索しているらしくて、山形のこんにゃく玉工場に再就職も考えているみたいだが。これはどういうふうになるか。

【代表代行】
 我々も本当に労働者を大切にする政党でして、(笑い声)いろいろ雇い止めとかそういう問題にも取り組んできたわけでありますので。ただ、まだそれは決まったわけではありませんから、もしそういうことになるのであれば、これは手厚い対応をとらなければいけないと思います。(笑い声)党内でも「民主くん」の行く末を非常に心配する声も相当ありますから、これは責任を持って幹事長と一緒に対応していきたいと思います。

【記者】
 2015年の「ゆるキャラグランプリ」は公認されたが、この公認は原則として次もそのままいくということなのか、それとも昨年11月に締め切った段階でこれはやめて、次また公認しなければいけないということか。要するに、契約の更新的なところの公認はないということなのか。

【代表代行】
 私も「民主くん」の労働契約がどういうことになっているのかというのはちょっとまだ把握していませんが、(笑い声)いずれにしても、やはりそういうふうに親しまれている度合いもよくよく見ながら、この協議会に我々も臨んでいきたいと思いますので。新党名も含めて。

【記者】
 「民主くん」は産経新聞を購読しているということだが、民主党に批判的な産経新聞を購読しているということは、その検討についてマイナスにならないか。

【代表代行】
 これは私も今初めて(知りました)。
 ただ、個人がどの新聞を購読しているか否かというのは、個人情報に近い範疇に入るのではないかと思わなくもないし、特定の新聞が常に民主党攻撃(をしている)とも私は受け取っておりません。時には温かいまなざしを客観的に向けていただくことも、そういう記事もありますし。ただ、言えるのは幅広くいろいろな新聞を読むということがいいのではないかと。一般論で恐縮でございますが。
 ただ、「民主くん」のその話は初めて聞きまして。別にそれは自由ですから、本人の好きなものでいいのではないかと思います。

○同一労働同一賃金について

【記者】
 安倍総理が一昨日、会議の中で、法改正について「ちゅうちょなく準備を進めたい」と明言している。民主党はこれまで同一労働同一賃金はむしろ本家として進めてきた経緯があるが、長妻さんの予算委員会の議論でも法改正に踏み込むのか踏み込まないのかが焦点になったが、安倍総理が法改正の必要を示したことで、民主党としては問題点を明らかにしながらも応援していくというか、むしろ一緒に調整していくという気持ちでいるのか。

【代表代行】
 一つ進歩だとは思いますが、我々はかつて法案を出して、ところが自民党がそこに均衡待遇という概念をかぶせてきて相当抵抗されたという経緯ですから。そういう意味では少し進歩したかに見えますが、本当に中身なんですね。これは下手をすると、総人件費を増やさなければ結局一部の人が上がって一部の人が下がるという「ゼロサムゲーム」になるわけであります。
 そうではなくて、我々が最も問題視していますのは、一番初めの若い時の正社員と非正規雇用の賃金差も問題ですが、それ以上に――年とともに正社員は賃金が上がります、熟練度も含めて。ところが非正規雇用は上がらない、年とともに差がますます開いてしまって、もう生活ができない、ワーキングプアに陥るというのが最大の問題です。
 ですから同一労働同一賃金と言った時に、やはり熟練度もきちっと見ていくというようなガイドラインを示して――ということは、総人件費が上がるという決断を企業にも理解をいただかなければ、あいまいなまま財政諮問会議等で企業の代表者と同床異夢の形で同一労働同一賃金を進めると、一方では総人件費抑制の発想、あるいは総人件費が増えなければいいのではないかという発想になりがちで、それでは個人消費もプラスにならないし、それぞれのスキルも上がらないということになります。
 そういう前提をきちっと押さえた上で、一回口にしたからには、我々取っかかりができたのはいいことですので、それを取っかかりに総理に、おかしな方向に行く危険性がありますから、そうならないようにしていく。
 そして参議院選挙が終わったらもうパタっとそういうことを口にしなくなるという大きい懸念を私は持っています。いきなり憲法に総理の関心が移っていくと。そうならないように相当これから、予算委員会を含めて党首討論なども含めて、言質をどんどん取っていって、もうおかしな形に逃げられないような、本来の同一労働同一賃金、本当は「同一価値労働同一賃金」に着地をさせるように我々やっていきたいと思います。