日々の活動(旧)

2016年02月27日

2016年2月27日(土)【北海道】共生社会創造に向けてシンポジウムを開催

 民主党は27日、「共生社会創出シンポジウムin札幌」を党北海道連とともに開催し、本部から長妻昭代表代行(共生社会創造本部代表代行)が出席した。

 佐々木隆博道連代表は会の冒頭、「平和と格差という大きな2つの課題があると言い続けてきた。さらに今年はそれを問う戦いも行われる年だ。そのような中、地域の中で民主党とともに活動をしていただいている皆さんに出席いただき感謝申し上げる。今日は、自民党政治と違う、だれにでも優しい共生社会をどう目指していくかということで、シンポジウムを開かせていただいた。皆さんの貴重な意見を聞かせていただきながら、われわれの政策を作り上げていくための1日にしたい」とあいさつした。

 フリーソーシャルワーカーで、衆院北海道5区補選に立候補予定の池田真紀(いけだ・まき)さんが「ともに生きる社会をつくるために」と題して課題提起を行った。「共生社会は、優しい、暖かい社会を作るということだが、それは市民でもできることだ。そこで政治は何をしなければならないのか」と問いかけ、「生活保護費の不正受給問題」「子どもの貧困問題」「介護問題」など、いくつかの問題を取り上げた上で、「法律や制度があっても、それが有効に活用されていない。いろいろな専門家、福祉活動をしている人でも、さまざまな制度を細かく知っているわけではない。糸をほどくように実態を確認して行かなければならない。しかし、こうあるべき、こう変わっていくべきということがなされていない」と、法制度の運用の不備や不作為で、多くの困っている人を助けることができていない現状を指摘した。「徹底的な当事者主義」を信念に活動してきた池田さんは、「本当に困っている人を誰が守るのか。生きる権利をどう守るのか。今起こっている現状から目をそらしてはならない」と訴えた。

 続いて、地域からの活動報告が行われた。インクルネットほっかいどうの山崎恵代表は、「障害を持っている人が地域で生活をするには、さまざまな生きづらさがある。その中のひとつとして、障害を持っている子どもたちが、地域や地域の学校でともに学び、ともに育つことが現状では不十分だ。私たちは、それを少しでも進めるべく活動している。未来を担う子どもたちが、分けへだてられることなく、共生という場の中で、学び、育っていける社会にしたい」と報告した。

NPO法人札幌チャレンジドの加納尚明理事長

 NPO法人札幌チャレンジドの加納尚明理事長は、「自立を目指す障害者がITを活用して働くことが出来る社会、ITを活用して、学び、働き、ひらきあう社会を作りたいとして活動している」と活動を紹介。課題として、(1)移動支援サービスを通学、通勤に使えない利用制限の撤廃(2)多い大学では10%程いると言われる発達障害の学生への支援の充実(3)判定基準があいまいな障害年金の判定基準の改定――の3点を挙げて問題提起した。

NPO法人Kacotamの高橋勇造理事長

 NPO法人Kacotam(カコタム)の高橋勇造理事長は、「経済的理由や家庭環境によって学びの機会が失われてしまっている子どもたちや若者を対象に学習支援を行っている。児童養護施設や1人親家庭、生活保護世帯の子どもに対しても、同様の支援をしている。過去に学びたくても学べなかった若者を対象にした学習支援サービスなども進めている」などと報告があった。

 報告後のパネルディスカッションでは、「私たちがつくる共生社会のかたち」をテーマに、DPI北海道ブロック会議の小谷晴子理事、長妻代表代行も参加して討論を行った。コーディネーターは平賀貴幸道連青年局長が務めた。

 DPI北海道の小谷さんは、「障害者が65歳になると、これまでの障害者施策から外され、介護保険の対象へと切り替えられ、さまざまな問題が生じている」と、いわゆる「障害者65歳問題」を指摘。「65歳になった障害者が要介護認定を受けると、要介護ごとに支援限度額が設定されているため、介護保険サービスと重なる障害者福祉サービスの利用に制約が出る。介護保険は、非課税の人にも応分の負担が求められ、障害者には過重な負担となる。現状の介護保険優先の原則を見直し、廃止してもらいたい。障害者福祉総合支援サービスと介護保険サービスの選択、併用が適切に運営されることを求める」と述べた。

 長妻代表代行は、共生社会創造に向けて、(1)教育格差の壁には、給付型奨学金、1人親家庭への支援の充実(2)雇用格差の壁には厚生年金の拡大、最低賃金の大幅な引き上げなどを目指す(3)男女格差の壁には、同一価値労働同一賃金、選択的夫婦別姓の実現――と「3つの格差の壁」に対する解決策を提示。最後のまとめでは、「今日は私が一番勉強をさせてもらった。われわれがどんなに素晴らしい政策を提案しても、それを変える政治の力がなければならない。この地域では、池田真紀さんにその力を付けてもらい、国会に行っていただき活動してもらわなければならない」と訴えた。